2008年08月24日

Uチップ、Vチップの靴を集めてみました

Mocc Toe Shoe

今日は、UチップVチップ革靴シューズ)を取り上げます。《最終更新日: 2014年5月7日》

Uチップとは、Vチップとは

Uチップとは、甲部分にU字型のステッチ(モカシン縫い)が入った革靴のこと。基本的にはカジュアル寄りの靴でして、いろいろな考え方があるでしょうが私は積極的にはビジネススーツに合わせようとは思わないですね(例外もある)。

また爪先のステッチが少しとがった靴を、その形状からVチップと呼ぶことがあります。爪先の先端の縦割りのステッチも含めて、Yチップと呼ぶこともあるみたい。

モカシン縫い(モカ縫い)の種類

Scotch Grain Infinity 3789

モカシン縫い(モカ縫い)にはいろいろ種類がありまして、私もあまり詳しくないのですが以下のような資料がありました。この説明はいろいろなところで見るのですが、元ネタはなんだろ。

なお、モカシン縫いはUチップだけでなく、ローファーやデッキシューズなどにもよく見られます。

一番一般的なのが、合わせモカかな。乗せモカはステッチが目立たないものが多く、ドレッシーな雰囲気。すくいモカは見せかけのモカ縫いで、飾りモカとも呼ぶみたい。

爪先の先端の縦割りのステッチは、あるものとないものがあります。強いて言えば、ステッチのないものはちょいカジュアル寄りかな。

なお一般的に、モカ縫いがゴツゴツしたものはカジュアル寄り、モカ縫いがスッキリしたものはドレス寄り、という区別ができると思います。

各国のUチップの特徴、呼称(呼び方)

各国のUチップの特徴を、私なりに次にまとめてみました。

あと「Uチップ」は和製英語でして、それを各国でどう呼んでいるかも少しまとめてみました。呼び方はバラバラなんですよね。「Uチップ」は便利な言葉だと思いますよ。

イギリス
Scotch Grain Imperial Prestige 959

紳士の国イギリスでは、やはりUチップも細身でドレッシーなものが多いです。代表作は、やはりエドワード・グリーンEdward GreenDoverドーヴァードーバー)でしょうねぇ(ライトアングルステッチ・モカ縫い)。

Uチップの呼称ですが、Norwegianノルウィージャン)をよく見かけるような。Apron Frontエプロン・フロント)という表現もあります。ほら、U字の部分がエプロンみたいじゃないですか。

アメリカ
Alden(オールデン)のコードバンのローファー、プレーントゥ(靴)

アメリカっぽいUチップとしては、まずゴツゴツした縫い目のすくいモカ(飾りモカ)のものが挙げられます。オールデンAldenNorwegian Front Blucherとかアレン・エドモンズAllen EdmondsBradleyブラッドレー)とか。カジュアル寄りの靴です。

『靴を読む 本格靴をめぐる36のトリビア』を読む

あと、オールデンのAlgonquin Blucher、つまり乗せモカ仕様のVチップのような靴もよく見かけます。こちらはステッチが目立たないので、ドレス寄りかな。

アメリカの得意なワークシューズやデッキシューズ、キャンプモカシンのような靴にも、広義のUチップと呼べそうな靴が多いと思います。

Uチップの呼称ですが、Mocc Toeモック・トウ)とかSplit Toeスプリット・トウ)とかNorwegian Frontノルウィージャン・フロント)とかAlgonquinアルゴンキン)とか、いろいろ。使い分け方はよく分かりません……。

フランス
パラブーツのUチップシューズ、ブーツ、デッキシューズ: Paraboot Chambord

フランスのUチップというと、まずはJ・M・ウエストンJ.M. WestonLe Golfゴルフ641)や、パラブーツParaboot)のChambordシャンボー)のような、コロンとした丸いシルエットのUチップが思い浮かびます。

Lord Charles 4849

もうひとつの代表が、J・M・ウエストンの598Demi-ChasseSplit Toe Double Sole Derby)のような乗せモカ仕様で少しドレッシーなUチップ。この手のUチップは、爪先の先端の縦割りステッチが長めで、エプロン部分が小さめなのが特徴かな。

いずれにせよ、私はフランスはUチップ大国だと思うなぁ。フレンチ・カジュアル、フレンチ・トラッドには、Uチップは欠かせません。スーツにも合わせちゃう?

イタリア
Scotch Grain Shine or Rain III 2729

イタリアのUチップは、モカ縫いがスクエアの(四角い)ものが多い印象があります。ストール・マンテラッシSutor Mantellassiみたいなヤツ。ローファーのモカ縫いも四角かったり。逆に、まあるいモカ縫いのヤツもあるんですよね。

イタリア人も、結構Uチップが好きみたいです。

Meermin(メルミン)

メルミンMeerminは、2002年に誕生したスペインはマヨルカ(マジョルカ)島の靴ブランド。比較的新しいブランドですが、スペイン靴の名家であるアルバラデホ家が携わっているのでぽっと出という感はないですね。

こちらは、ポッテリしたシルエットのUチップ。欧州某国軍のオフィサーシューズを基にデザインされたそう(メルミンでは実際に欧米各国の軍向けにオフィサーシューズをつくっているとのこと)。型押しレザーが渋くて良いですねぇ。フレンチ・トラッドに合わせたくなる逸品です。ダイナイトソール風のドレッシーなゴム底仕様。

Meermin: 8401287 Black
8401287 Black
Meermin: 8401286 Dark Brown
8401286 Dark Brown
Meermin: 8401287 Black
8401287 Black
Meermin: 8418199 Brown
8418199 Brown
Meermin 8418198 Black
8418198 Black
Meermin: 8418199 Brown
8418199 Brown
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一方こちらは、よりドレッシーな雰囲気のUチップ。なんと言っても半カラス仕上げのヒドゥンチャネル仕立ての革底が格好良くて、これはもう少し上の価格帯の靴に見えますね。

いずれも、堅牢なグッドイヤーウェルト製法です。

Yanko(ヤンコ)

ヤンコYankoは、1961年に誕生したスペインはマヨルカの靴ブランド。ちなみに創業者のアルバラデホ一族がこの地で創業したのは、1890年だそう。スペインを代表する靴ブランドといってよいでしょう。

14424は、合わせモカ仕様のUチップ。革底にゴム底を貼り付けたドレッシーな靴底仕様を採用しています。木型はラウンドトウの939。もちろん、グッドイヤーウェルト製法ですよ。

Yanko 14424: Black
Black
Yanko 14424: Light Brown
14424: Light Brown
Yanko 14424: Sole
14424: Sole
Yanko 14539: Dark Brown Suede
Dark Brown Suede
Yanko 14539: Camel Suede
14539: Camel Suede
Yanko 14539: Brown
14539: Brown
Yanko 14539: Sole
Sole
Yanko 14539: Dark Brown
14539: Dark Brown
Yanko 14539: Black
14539: Black
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14539は、よりステッチの目立つ合わせモカのUチップ。革底にラグソール(タンクソール)を貼り付けていることもあり、よりカジュアルな仕上がりです。型押し革やスエードにも注目してください。木型は960

そういえば、私は昔ヤンコのUチップを履いていましたよ。

G. Rodson(G・ロッドソン、ジー・ロッドソン)

G・ロッドソンジー・ロッドソンG. Rodson)は、1982年に誕生したフランス人のジェラール・セネGerard Sene氏が手がけるブランド。往年のハリウッドスターの服を意識したコレクションで特に靴に定評がありましたが、靴を生産していたイギリスの工場が閉鎖されたことを受け、惜しくもこのブランドは終了となってしまいました。

しかし、一部の靴マニアに人気だったこのブランドが、なんとインドネシアのジャラン・スリウァヤJalan Sriwijaya製で復活しました! 独特のちょっととがった(でも近年の下品なトンガリ靴とは完全に一線を画す)木型(ラスト)はそのままです。以前よりつくりが良くなっていたりして。

Parisパリ)は、白黒コンビ仕様のUチップ。その古風な木型も相まって、非常なクラシックな仕上がりといえます。革底仕様。

G. Rodson Paris: Black / White
Black / White
G. Rodson Paris: Black / White
Paris: Black / White
G. Rodson Paris: Black / White
Paris: Black / White
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Carmina(カルミナ)

カルミナCarminaは、1998年に誕生したスペインはマヨルカの靴ブランド。靴の名家であるアルバラデホ家のブランドでして、歴史についてはこちらの記事が参考になるかと。

000803は、合わせモカのUチップ。つくりが丁寧ですごく上品な雰囲気を感じます。縫い目の見えない伏せ縫いヒドゥン・チャネルソール)の革底仕様で、グッドイヤーウェルト製法。

Carmina 000803: Box Calf Negro
Box Calf Negro
Carmina 000803: Vegano Cuero
000803: Vegano Cuero
Carmina 000803: Vegano Cuero
000803: Vegano Cuero
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Heschung(エシュン)

エシュンHeschungは、1934年創業のフランスの靴ブランド。フランスにもいろいろな靴ブランドがあるのですが、このエシュンはパラブーツParabootのような質実剛健さをウリにしているブランドといえるでしょう。

Rhusは、フランスブランドらしい乗せモカ仕様のUチップ。すこぶる堅牢なノルウィージャンウェルト製法を採用し、靴底も堅牢そうなゴム底仕様です。

Heschung Rhus: Anilcalf Noir
Anilcalf Noir
Heschung Rhus: Anilcalf Noisette
Rhus: Anilcalf Noisette
Heschung Rhus: Anilcalf Noisette
Rhus: Anilcalf Noisette
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TOMODAのパーソナルオーダー(宮城興業)

どうしても既成靴では足が合わない人や、気に入った色のものがない人は、靴屋TOMODAのパーソナルオーダーシステム、誂え靴友郎Tomorow)」はいかがでしょう。

甲革(アッパー)の色や素材、や靴底(ソール)の形式が選ぶことができるのはもちろんのこと、サイズもlength(足長)だけでなく、width(足囲、ワイズ)も選択できます。なんと、D、E、EE、EEE、EEEE、Fの、6種類!

注文するときにはサンプルシューズ(ゲージ靴)が送付されて試し履きができるので、通販でも安心です。製法はもちろんグッドイヤーウェルト。チゼルトウのものもありますが、オススメはラウンドトウ。非常に正統派のデザインで、長く愛用できること間違いなし!

Tomorow ES-13
ES-13
Tomorow ES-14
ES-14
Tomorow ES-15
ES-15
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ES-13)、ES-14)、ES-15)は似たようなUチップですが、強いて言えばES-13はフランス風、ES-14はイギリス風、ES-15はちょいカジュアル、という感じかな。

値段についても、パーソナルオーダー(パターンオーダー)にしてはたいへん良心的だと思いますよ。

なおここのオーダーシューズは、宮城興業の工場でつくられています。靴好きには結構有名なところです。

Cheaney(チーニー)

チーニーの靴: Cheaney Joseph II

2009年についにチャーチから独立したチーニーCheaney)は、1886年創業のイギリスの靴ブランド。チャーチの創業家(今はチャーチから離れている)の人が買い取ったのだそうな。

Josephジョセフ)は、乗せモカ仕様のUチップ。なかなかドレッシーな仕上がりのUチップといえます。

Sanders(サンダース)

サンダースの靴、ブーツ: Sanders Military Apron Derby 9386

イギリス国防省(MOD)などの制服(ユニフォーム)用の靴もつくっているサンダースSanders)は、1873年創業のイギリスはノーザンプトンのサンダース&サンダース(Sanders & Sanders)社が展開する老舗靴ブランド。

マジメで質実剛健な靴を得意としています。こちらのUチップは、ミリタリー用のオフィサーシューズのような雰囲気が面白いかと。

Paraboot(パラブーツ)のChambord(シャンボー、シャンボールド、シャンボード)、Avignon(アヴィニョン、アヴィニヨン)

パラブーツのUチップ、ブーツ、デッキシューズ: Paraboot Chambord

質実剛健ながら上品な顔立ちの靴で定評あるパラブーツParaboot)は、1919年創業のフランスの靴ブランド。

代表作のUチップであるChambordシャンボーシャンボールドシャンボード)は、コロンとした顔付きでフランスの顔的存在の靴のひとつ。そのほか、ドレス寄りの木型のAvignonアヴィニョンアヴィニヨン)などもあります。

Alden(オールデン)

オールデンのコードバンの靴: Alden 40010

日本で最も人気のあるアメリカのドレスシューズブランドであろうオールデンAlden)は、1884年創業のアメリカの靴ブランド。

こちらは、ミルクスエードという独特のスエードを使用したUチップ。真鍮の鳩目にも注目してください。

Hiroshi Tsubouchi(ヒロシ・ツボウチ)

Hiroshi Tsubouchi(ヒロシ・ツボウチ)の靴、ブーツ

坪内浩氏がデザインするヒロシ・ツボウチHiroshi Tsubouchi)は、2008年に誕生した靴ブランド。流行をセンス良く料理した靴をつくっています。

トラッドを基本にちょっとひねったデザインの靴を得意としていまして、カジュアル寄りのUチップもありました。

三陽山長(山長、Sanyo Yamacho、Sanyoyamacho)の勘三郎

三陽山長(山長)の靴、ブーツ: Sanyo Yamacho Kanzaburo Q74-13-005

現在の日本の本格靴ブームのさきがけ的ブランドである三陽山長山長)は、2000年に誕生した山長印靴本舗が母体の靴ブランド。

勘三郎は、三陽山長の代表作のひとつであるUチップ。なんと言ってもモカ部分のスキンステッチが見どころです。

他の記事も……

プレーントウ(プレーントゥ)の靴を集めてみました ストレートチップ、キャップトゥの靴を集めてみました

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追記

  • (2009年8月30日)商品を追加、入れ替え。
  • (2011年2月19日)2010年度秋冬最初の更新。
  • (2012年9月22日)2012年度秋冬最初の更新。
  • (2014年5月7日)2014年春夏最初の更新。
posted by blackwatch at 00:03| Comment(2) | TrackBack(0) | | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
管理人さん、こんばんは。

管理人さんのほどよい記事が自分には合っているようで、毎日楽しみにしております。
普段ファッション誌はまったく見ないので、管理人さんにほぼ洗脳されておりますが、自分はそこそこの格好ができれば満足できるということも、管理人さんの記事を読み込んで、いろいろ試しているうちにわかるようになりました。

ところで、ヤンコのライトブラウン、形はいいなあと思うのですが色が明るすぎて靴ばかりが目立つような気がしています。こういったオレンジのような明るい茶の革靴はあまり初心者向きではないのでしょうか?また、靴クリームで色合いを変えてみることはできるのでしょうか?
ご教授のほど、よろしくお願いいたします。
Posted by navy at 2014年05月19日 20:29
navyさん、こんにちは。

この手の明るい茶系の靴は、カジュアルスタイルに合わせるなら実はそんなに難しくないと考えています。より無難と思えるダークブラウンの靴のほうが、意外に地味でオジサンっぽく感じることもありますね。

とはいっても、最終的には好みや狙う着こなし次第です。

(ちなみに、アメトラでは意外にダークブラウンの靴は使わない感があります。濃い茶系ならバーガンディーがアメトラっぽい)
Posted by blackwatch at 2014年05月20日 00:03
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