今日は、チェスターフィールドコート(チェスターコート)を取り上げます。
チェスターフィールドコートとは(チェスターコートとは)
チェスターフィールドコートは、最も格式の高いコートのひとつ。冠婚葬祭(フォーマル)には、できればこれを着たいところ。
デザインは、ざっくり言うとテーラードジャケットの丈を長く伸ばした感じ。生地はウール。ジャケットと同じくシングルブレスト(シングル前)とダブルブレスト(ダブル前)がありますが、シングルが多いです。
チェスターフィールドコートの仕様
正式なチェスターフィールドコートは、前を閉じるとボタンの見えない比翼仕立て(フライフロント)になっていますが、カジュアル寄りのものは打ち抜きになっているものもあります(最近はこちらが多い)。
本当は上襟に黒いビロード(ベルベット)地が付いているものが正式で、付いていないものをセミチェスターフィールドコートと呼ぶみたいなのですけど、近年はビロードがついているものは珍しくなりました(なんで、いちいち「セミ」を付けないことが多い)。
胴回りを強く絞ったシルエットのものが基本ですが、アメトラ(アメリカン・トラッド)に合わせるならあまり絞られていないほうが相性が良いでしょう。
こちらの記事も、参考になると思います。
ウールのオーバーコートいろいろ
参考までに、チェスターフィールドコートに似たウールのオーバーコートを以下に挙げてみます。
- アルスターコート(ulster coat)
アルスターカラーと言う大きめの襟(特に上襟が大きい)が付いたコートのことみたいで、トレンチコートの原型とのこと。基本的にはダブルブレストで、(バック)ベルトが付いていることも。
現在では、要するに上襟が大きめでダブルブレストのチェスターフィールドコートと考えていいのかな? こちらは、赤峰幸生さんのアルスターコートの渋い着こなし(ご本人がこのコートをアルスターコートと呼んでいらっしゃいました)。
- ブリティッシュウォーム(british warm)
元は軍人用のダブルブレスト仕様のコートで、大きな特徴は肩章(エポレット)が付いていること。昔の軍人さんが着ているドレス寄りのウールコートは、こんな感じのものが多いですよね。
- カバートコート(covert coat)
元は狩猟用のコートで、生地にカバートクロス(カルゼ)という綾織りのウールを使用しているのが特徴。デザインはシングルブレストのチェスターフィールドコートとほぼ同じですが(上襟もビロード仕様)、袖先と裾に4本線のステッチが入っています。カントリー系のコートらしく、色はブラウン系が主。
- ポロコート(polo coat)
アルスターコートに似た襟が大きめのダブルブレストのコートで、ポロ競技観戦用にアメリカで生まれたコート。フラップ&パッチポケット、背中のバックベルト、カフス(折り返し)付きの袖といった特徴があります。キャメルヘア地のキャメル色が最も基本的な色ですが、その他の色もあります。
アメリカ生まれということもあり、アメトラとの相性は抜群。ダブルブレストですが、ちょっとカジュアル寄りの雰囲気があります。
ところで、そもそもコートのことはオーバーコート(overcoat)と呼ぶのが正式なのです(昔は日本でも「オーバー」と呼んでいましたよね)。今のジャケット(jacket)に相当するものを、昔は(欧米では)コート(coat)と呼んでいました。
と言うか、昔のジャケットに相当するのものは、モーニングコート(morning coat)やテールコート(tailcoat)のように着丈が長かったのです。今でもスポーツコート(sportcoat)(テーラードジャケットのこと)やウエストコート(waistcoat)(ベストのこと)の名前に、その名残が残っています。
Engineered Garments(エンジニアード・ガーメンツ、エンジニアードガーメンツ)
エンジニアード・ガーメンツ(エンジニアードガーメンツ、Engineered Garments)は、鈴木大器氏がデザインする1999年に誕生した国内カジュアルウェアブランド。ネペンテス(Nepenthes)の兄弟ブランドと言っていいのかな。
こちらは、厚手の20ozのメルトンウールを使用したチェスターフィールドコート。裏地のない一枚仕立てで、これはドレスと言うよりカジュアルに着倒したいコートと言えます。ダッフルコート感覚で、気軽に着こなしてみてください。



Belvest(ベルベスト、ベルヴェスト)のスポルベリーノ
ベルベスト(ベルヴェスト、Belvest)は、1964年創業のイタリアのスーツブランド。クラシコ・イタリア協会の一員の名門で、クラシコブランドのわりには若々しく現代的なスーツを作っていると思います。
こちらは、カシミア(カシミヤ)混ウールを使用したチェスターフィールドコート。かなり細身のシルエットで、ジャケット感覚でシャツやセーターの上に直接着るいわゆるスポルベリーノ的な着こなしにも対応します。
サイズ選びに気をつければ、間違いなく格好良く着こなせるでしょう。
North, East, South, West,(ノース・イースト・サウス・ウエスト)
North, East, South, West,(ノース・イースト・サウス・ウエスト)は、エディフィスでお馴染みのベイクルーズ(Baycrews)の新ブランド。高感度の人向けのブランドのようで、今後注目です。
こちらは、いわゆるダブルフェイスのウール地を使用したチェスターフィールドコート。表裏で配色を変えているのがミソで、襟(ラペル)に裏地の色が見えています。カジュアルに着こなしたいコートと言えます。


Dispant(ディスパント)
ナイロンアウターが得意なディスパント(Dispant)は、1968年創業のイタリアのカジュアルウェアブランド。
こちらは、チェスターフィールド型のナイロンコート。着脱可能なハイネックのベストが付いているのが特徴で、機能的でかつ見た目にも格好良いのがウリ。ナイロンコートと言っても、ディスパントのものなら安っぽい雰囲気は皆無です。
他の記事も…
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追記
- (2006年11月24日)商品を追加、入れ替え。
- (2007年12月1日)2007年度秋冬最初の更新。
- (2008年4月18日)2008年春夏最初の更新。
- (2008年12月20日)2008年度秋冬最初の更新。
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さすがにいいものは、カチッとしてえますね!
自分もウールのチェスターコート1着持ってますが、安物なんでこんなにカチッとしてないし、上等にも見えません。
安ものでも、高級に見える風格を備えたいものです。
ところで、スーツの袖丈のジャストについて知りたいです。スーツの袖丈は正式にはシャツが見えるくらいなんでしょうか?普通のつるしのスーツって袖が長いですよね?
チェスターは、安物だとシンドイですね(汗)。安いのを選ぶのであれば、真っ向勝負を避けて(?)、ナイロン系の化繊のもののほうがいいのかも。
スーツの袖丈ですが、仰るとおりシャツが見えるくらいの長さが基本。クラシックなビジネススーツなら、絶対の法則です(モード系スーツならこの限りではない)。
既製のものは長めにできていますが、これは袖を直すことを前提にしているから。ジャケットの袖は、短くするのはナンボでもできますが(あらかじめ本切羽になっているものはともかく)、長くするのは長さの限界がありますから。
安売り店においては、店員が袖丈について無頓着のことが多いでしょうが、これは店員が面倒臭かったり、知識不足だったりするからでしょう。
この辺の基本ルールについても、きちんと記事で書くべきなのかなぁ、と思いました。
ミシン跡は、ウール素材のジャケットならそんなには目立たなかった記憶がありますが、どうだったかな? スーパー150みたいな繊細な生地だと、跡が残りやすいかもしれません。
ちなみにコットン素材だと、ミシン跡もそうですが、袖を出すのも苦しいと思います(跡が残るので)。
最近は、吊るしの状態だと袖ボタンをつけていないものもありますね。袖丈を決定した後、ボタンをつけることを前提にしていると。こういうお店がもっと増えるといいのに。
薄い生地ですと、遠目から見た限りではさほどではありませんが、目の前で見ると結構分かります。(気にする人には我慢出来ないかも)
服に限った話ではありませんが、販売員の教育も含め、もっと顧客の事を考えて商売して貰いたいものですね。
いっそのこと水洗いしてしまえば跡が消えそうな気もしますが、それはそれで難しいですね(汗)。
安売りの店でサービスが悪いのは、ある意味仕方がないでしょう(サービスも値段のうち)。でも、高い店でサービスが悪かったら、「ムッキー!」です。