ワイドパンツ(太めのパンツ)について考える

wide leg pants

今日は、ここ数年で徐々に注目度が増しているワイドパンツ(英語だとwide leg pantsでしょうか)、つまり太め(ルースフィット)のパンツについて考えてみます。

ワイドパンツの種類

ワイドパンツといえば太腿幅(ワタリ)が広いことが大前提ですが、さらにシルエットで大きく分けて以下の3つに分類できると考えます。

裾まで太いパンツ

ほとんどテーパードしないパンツで、変形学生服でいうところの「ドカン」。バギーパンツ(baggy pants、袋のようなパンツ)といえば、私はとりあえずはこの手のパンツの印象が強いです(「正しい」定義は分かりませんけど)。後述のフレアパンツもバギーパンツと呼ばれるようです。

ただし英語圏でバギーパンツというと、90年代(1990年代)に流行したヒップホップ系の腰穿きするようなパンツを指すことも多いようです。

極端にテーパードしたパンツ(ペグトップパンツ)

太腿幅が広く裾幅が狭いパンツを近年はテーパードパンツ(tapered pants)と呼ぶことが多いように思いますが、この表現だとちょっと指すものがあいまいだと思うのですよ。多くのクラシックなパンツは程度の差はあれテーパード(先細り)していますし、リーバイスLevi'sの501だって少しテーパードしているのです。

ペグトップパンツ(peg top pants、こま形パンツ)という呼び方のほうが、私は分かりやすくて好きですね。変形学生服でいうところの「ボンタン」。

裾広がりのフレアパンツ

太腿幅が広く裾幅がそれ以上に広い、つまりフレア(flare、裾広がり)したパンツ。この手のパンツもバギーパンツと呼ばれているようです。ちなみに太腿幅が狭いフレアパンツもありまして、それらはベルボトムやブーツカットなどとも呼ばれます。

ワイドパンツといえば20年代(1920年代)に流行した極太のオックスフォード・バグズoxford bagsが有名なのですが、最盛期のそれはフレア気味だったように見えます。太すぎてどうなっているのかよく分からないシルエットですけど。70年代(1970年代)前半に同様のパンツが復活したときは、フレアパンツが主でした。

ただしこの手のフレアパンツは、男性がコンサバに穿くのはちょっと難しいように思います。

いずれのシルエットにしても、プリーツ(タック)入りのものもプリーツなしのものもあります。股上は総じて深めの傾向があるようです。

着こなし(穿きこなし)方を考える

下半身にボリュームが出ますので、相対的に上半身が貧弱に見える傾向があります。痩せている人や胸板の薄い人は気をつけたほうがよいでしょう。上半身を厚着したり、芯の入った構築的なジャケットを着るといった対処法がありますが、真夏は難しいですね。

Gジャン(ジージャン)を集めてみました

足が長く見えるパンツとはいえませんので、足が短い人にも不利といえます。着丈の短いブルゾン(またはポロシャツのようなトップス)や、逆に着丈の長いコートを合わせるとバランス良く見えやすいでしょう。

難しいのがジャケット丈のアウター。典型的なのがスーツやジャケパン(ジャケット+パンツ)です。80年代(1980年代)のアルマーニ風のスーツは背の低い人には難しかったのですが、それはパンツが太かったことが最大の要因だったように考えています。

実は、テーパードしたペグトップパンツなら、足が短い人も下半身にメリハリが出てサマになりやすいのです。80年代のコム・デ・ギャルソンなどのDCブランドには、そういうパンツが多かったように記憶しています。ただ、極端なテーパードパンツはクラシックとは言いがたいのが現状。おとなしめのテーパードを選ぶほうが、コンサバという意味では無難なのでしょう。

(注)ペグトップパンツもジャパニーズ・クラシックなどど称してクラシックの仲間入りしてくれると、日本人にとってはうれしいかも。

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さて、丈の長さですが、ワイドパンツも他のパンツと同様、裾幅が広ければ長め、狭ければ短めというのがいちおう基本。ただ、あえて裾幅の広いパンツで丈短め、もしくはロールアップという着こなしもぜんぜんアリです。

あとですね、流行して目が慣れてしまうと、少々似合っていない服でもそれなりに見えるというのはありますね。それに甘えすぎてもダメなのですけど。逆に、流行から外れていてかつ似合っていない服は、すごく格好悪く見えます。

さいごに

なんだかワイドパンツの欠点ばかり書いてしまった感がありますが、クラシックなパンツといえばやはりちょっと太めが基本なのですよ。現在の男性服の基礎ができた30年代(1930年代)から50年代(1950年代)くらいにかけて主流だったパンツですから。

(注)ちなみに大雑把に言って、60年代(1960年代)はスリム、70年代はスリムなフレアパンツが主流で、70年代末から80年代(1980年代)にかけてワイドパンツは復活しました。

それに、ある程度以上の年齢になったら、ちょっと太めのパンツのほうが無難なのです。中年太りしても大丈夫。反対に、スキニーパンツが似合う老人は少ないでしょう。カール・ラガーフェルドみたいな人は一般人には稀です。

ローマの休日
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いろいろ資料を探していて思ったのですが、1953年の映画『ローマの休日』の中でグレゴリー・ペックが着ているイタリア風スーツみたいな恰好がこれから流行するかもしれません(アルマーニっぽくもある)。もちろんパンツは太め。この人は身長が190cmあるのか……。

ダグラス・マッカーサーも身長が180cm以上あって体型もガッチリしているので、太めのパンツがよく似合いますねぇ。

ちなみに私は痩せっぽちなので、ワイドパンツは似合いません。身長も高くないですし。着こなし術で頑張るしかないですね……。

それでは。

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この記事へのコメント

  • stax

    blackwatchさんこんばんは。私は背が低い方なのですが太めのパンツは好きです。流行がある程度は補正してくれるという文を見て少し勇気づけられています。身体的なハンデを精神的なセンスで少しでも補えれば、またその参考にブログの拝見もしていますので今後もよろしくお願いします。
    2016年03月22日 01:42
  • blackwatch

    staxさん、こんにちは。

    背が低い人には一般にロングコートは難しいので、太いパンツに合わせるときは着丈の短いブルゾンが第一候補になるのでしょう。

    私にもやはり肉体的なハンデがありますので、体型補正のことはいつも悩みながら考えております。たまに当ブログでその「成果」を発表していますので、これからもよろしくお願いいたします。
    2016年03月23日 00:01
  • 許ッシン

    70年代最後半、高校時代を過ごしリーバイス501のテーパードスタイル(20505も好きでした)がカッコ良いと気に入ってから今に至るまでその気持ちが変わらないので最近の細身のパンツスタイルはお気に入りでした(細すぎるスキニーはNGですけど)。
     そこに急に出てきたようなワイドパンツは業界の事情なのでしょうか?とても人(体型)を選ぶスタイルで背が低い私が履くと大火傷間違いなし!
    どちらかと言えばドレッシーなので上に合わせるものも持ってませんし。
     幸い、各メディアが右ならえの時代ではなくなったので自分が気に入っている細身のパンツでも時代遅れ感が無いので身の丈に合った服を楽しみたいと思っています。
     アイビーが好きでアメカジ系の服を見に行ったりしますがブリティッシュ系の落ち着いた感じのアウターが気に入っています。
    2016年12月22日 20:35
  • blackwatch

    許ッシンさん、こんにちは。

    流行が行きつくところまで行ったら(今回はスリムフィット)正反対のものが流行する、というのは昔からよくあることです。

    歴史的にみてワイドパンツのほうがスリムパンツよりもクラシックなアイテムといえるでしょうし、ワイドパンツもスジの悪いものではないのでは。スリムパンツも登場したころは、「そんなパンツは(いろいろな意味で)穿けないよ」みたいな文句を言われたものです。

    15年くらいに私がユニクロで買ったストレッチ5ポケットパンツがあるのですが、当時は「こんなの細すぎて大人はみっともなくて穿けないよ」と感じて箪笥の肥やしにしておりました。それをいま穿くとぜんぜん問題ないのです。流行というのは面白いものだなと。

    似合う似合わないはまた別の問題でして、上の記事に書きましたとおりワイドパンツは背の低い人がテーラードジャケットに合わせたりするのは難しいでしょうね。もっとも、スリムパンツも太った人には難しいものでした。というわけで、万人に合うアイテムというのはなかなかないものなのでしょう。
    2016年12月23日 14:51

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