初心者向けファッション指南はなぜ難しいのか考える

服を着るならこんなふうに

ネット上でたまに盛り上がる初心者向けファッション指南。ただ、成功している記事や本は多くない印象があります。それはなぜなのか、私なりに考えてみました。

当ブログは初心者向けというわけではないのですが、なんとなくこんな記事を書きたくなったのです……。基本的に男性向け、そして(スーツではなく)カジュアルウェアについてです。

ファッションには流行がある

今さら書くまでもないことですが、ファッションには流行があります。ビジネススーツなら流行の変化は緩やかですし、上下そろいで着るので少々古いスーツでも大きな問題はないのですけど、カジュアルウェアだとそうもいかない。特に若い人向けの服は流行の影響を大きく受けます。

なので、ファッション指南は具体的なことを書けば書くほど陳腐化が早くなってしまいます。それを恐れて一般論に終始すると、それはそれで初心者には分かりにくいでしょう。

「宗派」が多い

ファッションにも「宗派」みたいなものがありまして、それぞれ自分が正しいと信じて覇を競っているのです。アメリカ派、イギリス派、イタリア派、フランス派、クラシック派、モード派、ストリート派、……などなど切り口もいろいろ(この分類は適当に考えたものなので深く考えないでください)。

ファッション指南をする人が属している宗派もいろいろで、言っていることもけっこう違いがあります。初心者の人が混乱するのも無理もありません。「何かいい音楽ない?」と訊いたときに、クラシック音楽好きとパンクロック好きの答えはたぶん大きく違いますよね? それと同じです。

初心者向けに限らず、宗派の違いはしばしば問題になります。例えばスーツの着方についても、アメリカ人、イギリス人、イタリア人などでは考え方がけっこう違います。

対象の年齢・職業が不明確

初心者向けということはたいてい若い人向けなのでしょうが、それでも20歳前後の学生と30代前半の社会人では服の考え方が大きく違うでしょう。

また、昔ほど職業によるファッションの違いは大きくはないでしょうが、カジュアルウェアといえども例えばクリエイティブ職の人とお堅い銀行員や公務員の人では着る服の傾向が違うでしょう。

実際には、クリエイティブ職の人がファッション初心者ということは少なそうですが、ファッション指南役の人がクリエイティブ職ということは多そうです。そういう人が指南するファッションは、クリエイティブ職向けのことが多いかも。

対象の年収・階級が不明確

例えば年収300万円の人と1,000万円の人では、1万円のシャツに対する印象が大きく違うでしょう。学生なら親が資産家かどうか。

階級社会の欧米では、若い頃から所属する階級によって着る服がけっこう違うような気がしますが、日本ではそうでもなさそう。ただそのぶん、何を着ればよいのか考えるのが難しいですね。自由過ぎて困るというか。

「目標」の個人差が大きい

一口にファッション初心者といっても、向上心にあふれていてこれから上級者を目指す人もいれば、不審者に見られない程度の最低限で十分という人もいます。

初心者は「ストライクゾーン」が狭い・偏っている

初心者はファッションの「ストライクゾーン」が狭め、もしくは偏っている傾向があるので(特に経験の少ない若い人には顕著)、いくら良いことを指南されても納得できないことが少なくないかもしれません。

体型・顔

確かに体型・顔と着る服は無関係ではありません。ただ、例えばヒップホップに興味がない人が、太っている人も着やすいという理由だけでヒップホップ系の格好するのもどうかとは思いますが。

用語が難しい

ファッションの基礎用語が多いうえに、流行で新語も登場しますので、初心者が取っつきにくい気持ちはよく分かります。でもまあ今はインターネットがありますから、頑張って検索していただきたい感も。基礎用語なら普通の国語辞典やウィキペディアなどにもよく掲載されていますし(例えば「チノパンツ - Wikipedia」)、画像検索もありますし(「チノパンツ - Google画像検索」)。

IT初心者を「ググレカス」と罵る人はファッションに疎い人が多そうな気がしますが、気のせいかな。

初心者に近い人がファッション指南をしがち

ネットでは、初心者を卒業したばかりみたいな人がファッション指南している記事をしばしば見かけます。親しみやすさはあるでしょうが、視野の狭さや経験の少なさを感じる記事が多い印象があります。

学問の参考書や教科書も、本当によく分かった人でないとうまく書けないというじゃないですか。ファッション指南も同じだと思います。

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というわけで、私にも初心者向けファッション指南なんてなかなかできません……。ひとついえるのは、ファッションに興味がなく特に勉強する気もない人には、服を格好良く着こなすなんてことは無理ということです。

でも、服なんて普通の人ならちょっとダサい「ちょいダサ」くらいで十分だとも思うのですよ。欧米の普通の人の格好もそのくらいの人が多いですし。もっとも、その「ちょいダサ」もそれはそれで簡単ではなかったりしますし、それを目指すファッション指南も簡単ではないでしょう。

最後に、また私の持論を(なんどめだ?)。ファッションとは「話し言葉」のようなものと私は考えています。好むと好まざるとにかかわらず、いずれも避けて通ることは難しい(貧困状態や戦争状態にあるような国はともかくとして)。以下のようなことはファッションにも当てはまります。

  • 死語を連発する話し方は痛々しいが、流行語を使いすぎてもアホに見える。
  • 誰もが漫才師や司会者のような「しゃべりの達人」になる必要はないが、話し上手の人が何かと得をするのは確か。
  • 言葉遣いが堅苦しすぎると他人と打ち解けられないが、乱暴すぎると嫌われる。
  • 文法などの間違いが目立つと教養を疑われるが、難しい言葉を使いすぎても理解してもらえないかも。
  • 話し言葉は、学校ではあまり教えてもらえない。

それでは。

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