今日は、カバーオール、ワークジャケットを取り上げます。《最終更新日: 2018年10月21日》
カバーオールとは?
カバーオール(“coverall”)とは本来は(英語では)「つなぎ」の意味なのですが、日本ではジャケット丈のワークジャケットのことを意味することが多いのです。要するに和製英語なのですが、なんでこうなっちゃんたんだろ? とりあえず当ブログも長いものに巻かれて(?)、「カバーオール」という表記を使うことにします。
ちなみに、カバーオールで有名なポインター・ブランド(Pointer Brand)では、“chore coat” と呼んでいますね(“chore” は「雑用」の意味)。カーハート(Carhartt)でも同様でしょうか。鉄道員がこの手のジャケットをよく着ていたことから、“railroader jacket”(レイルローダー・ジャケット)とも呼ぶこともあるようです。
- COOL HAND LUKE | SOMETIMES A CHORE COAT CAN BE A REAL COOL HAND - The Selvedge Yard
- Cool Hand Luke | BAMF Style
- アメリカ人がワークウェアを再発見?
また、着丈の長いショップコートというアウターウェアもありまして、これはカバーオールとチェスターフィールドコート(もしくはステンカラーコート)を足して2で割ったようなアウターウェアといえます。
カバーオールの仕様、生地(素材)など
カバーオールはGジャン(ジージャン)の丈を長くしたような雰囲気のアウターで、基本的には一枚仕立ての簡素なつくり。生地は、ブラウンダック、デニム、ヒッコリーストライプなど、ワークウェアらしく丈夫なコットン(綿)地が採用されることが多いのです。
近年は、街着用の都会的な雰囲気のカバーオールも増えてきました。テーラードジャケットに近いデザインのものもあります。ショールカラー(ヘチマ襟)のものも多いですね。
カバーオールは、アメリカとフランスが2大強国(?)だと思います。両者は微妙に雰囲気が違うんですよ。フレンチのほうがデザインがシンプルで、生地の発色が良いと思います。映画『ビル・カニンガム&ニューヨーク』は日本でも話題になりました。
- 今週末見るべき映画 「ビル・カニンガム&ニューヨーク」|アート|Excite ism
- Our Man Bill Shows How It's Done - MISTER MORT
- On the Street….Color Story, Paris - The Sartorialist
なおカバーオールは、アメカジだけでなくフレンチ・カジュアルやマリンスタイルとも相性が良いですよ。こんな感じでネクタイやボウタイをしてみてもオツでしょう。
- On the Street…The Fortezza, Florence - The Sartorialist
- A Vintage Chore Jacket with a OCBD, Bowtie & Khakis - MISTER MORT
- Dressed-Up Workwear feat. Alex Crawford | TSBmen
そのほかのカバーオールの着こなしはこちら。
- 【ピッティウオモSNAP】Vol.3 ブルージャケット 2枚目の写真・画像 | FASHION HEADLINE
- ストリートスナップ - Ralph Robertsさん - BRAIN DEAD, CONVERSE, KAPITAL, vintage, コンバース, ブレインデッド, ヴィンテージ
Pointer Brand(ポインター・ブランド)のChore Coat(チョア・コート)
ワークウェアの大定番ブランドであるポインター・ブランド(Pointer Brand)は、1913年創業のアメリカのワークウェアブランド。
デニムやヒッコリーストライプ、ダックなど、生地の種類も豊富な “Chore Coat” がありますよ。アメリカのカバーオールを代表するモデルのひとつといえます。私も愛用しております。
orSlow(オアスロウ、オアスロー)
orSlow(オアスロウ、オアスロー)は、日本のカジュアルウェアブランド。19世紀から20世紀に誕生したワークウェアやミリタリーウェアを、今っぽく表現しているのだそう。ちなみに “orSlow” とは、“originality” のあるものを “slow” にデザインするという意味とのこと。
こちらは、9オンスのデニムを使用したorSlowの定番カバーオール。50年代(1950年代)風の仕様を取り入れてデザインされているとのこと。ステッチが面白く、ラグランスリーブ(ラグラン袖)は私好み。日本製。
40s Coverallは、その名のとおり40年代(1940年代)風のカバーオール。セットインスリーブ仕様で前ボタンの数も少なく、全体的により素朴な印象の仕上がりといえます。
Levi's(リーバイス)
リーバイス(Levi's)を別記事で扱っていますが、デニム系の服には当然力を入れていまして、もちろんアウター類もあります。
Engineer's Coat(エンジニアコート)は、まさにカバーオールらしいカバーオール。丈夫そうなコットン地の一枚仕立てで、紙パッチなどはリーバイスっぽさを感じさせます。生地はデニムのほかいろいろあります。
Freemans Sporting Club(フリーマンズ・スポーティング・クラブ)
フリーマンズ・スポーティング・クラブ(Freemans Sporting Club)は、2005年に誕生したアメリカはニューヨークの紳士のためのお店。もともとは2004年に誕生したレストランで、その後理容室もできました。服は、50年代(1950年代)のラギッド寄りのアメリカン・クラシックという感じ。
Chore Jacket(チョア・ジャケット)は、ラグランスリーブ仕様のカバーオール。こちらは、分厚く丈夫なコットンダック地を使用したChore Jacket。たくさん着て味を出してください。日本製。
Soundman(サウンドマン、音男)
サウンドマン(Soundman、音男)は、今井千尋氏がデザインする2000年に誕生したカジュアルウェアブランド。コンセプトは、テーラード・ワーク・ミリタリー・スポーツを基本にデザインされたスタイリッシュ・ローテク・クローズ、とのこと。
Guilford(ギルフォード)は、60年代(1960年代)くらいのイギリス国鉄(British Railways)のワークコートの襟型と、フレンチカバーオールを交ぜたようなデザインとのこと。こちらは、太めのストライプ柄のGuilford。なかなか印象的な仕上がりといえます。生地はコットンで、日本製。
Lands' End(ランズエンド)
アメリカのカジュアルウェア通販の雄ランズエンド(Lands' End)は、このブログの常連です。
アメリカブランドなのでワークウェアにも力を入れていて、カバーオールっぽいアウターもいろいろあります。近年は特に力を入れていますね。
他の記事も……
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追記
- (2009年1月25日)商品を追加、入れ替え。
- (2009年4月21日)2009年春夏最初の更新。
- (2009年9月19日)2009年度秋冬最初の更新。
- (2010年3月17日)2010年春夏最初の更新。
- (2010年5月9日)商品を追加、入れ替え。
- (2010年10月15日)2010年度秋冬最初の更新。
- (2011年4月16日)2011年春夏最初の更新。
- (2011年11月3日)2011年度秋冬最初の更新。
- (2012年3月29日)2011年春夏最初の更新。
- (2012年10月27日)2012年度秋冬最初の更新。
- (2013年3月23日)2013年春夏最初の更新。
- (2013年11月14日)2013年度秋冬最初の更新。
- (2014年4月24日)2014年春夏最初の更新。
- (2014年10月8日)2014年度秋冬最初の更新。
- (2015年3月17日)2015年春夏最初の更新。
- (2016年4月6日)2016年春夏最初の更新。
- (2017年4月11日)2017年春夏最初の更新。
- (2017年10月20日)2017年度秋冬最初の更新。
- (2018年4月8日)2018年春夏最初の更新。
- (2018年10月21日)2018年度秋冬最初の更新。
この記事へのコメント
22歳の男子大学生
今日グーグル検索よりこのサイトを見つけました。アウターが種類別に着こなし例なども写真付きで紹介されていてとても参考になります。これからも更新がんばって下さい。
blackwatch
いろいろな服を種類別にまとめることは、このブログでこだわっていることのひとつです。今季はカバーオールの商品がそろってきたので、単独の記事にまとめてみました。
これからもよろしくお願いします。
パンチョ伊東
とても参考になるサイトでいつも重宝させていただいています。
特に靴の造詣が深いように感じます。
三陽山長は完全にツボに填まりました、有難うございます。
ところでカバーオールですがポストオーバーオールズを加えてはいかがでしょうか?
自分の中でカバーオールといえばポストですw
blackwatch
ポスト・オーバーオールズについては昔取り上げたことがあるのですが、最近は取り上げていませんでした。良い商品だと思いますので、機会がありましたら今後取り上げることがあるかもしれません。
yamatoshi-1
フレンチな着こなしが気になります。今後はGジャンやチェックのパンツも盛り上がってくるでしょうか。冬場にはスタジャンも来るのかな?
blackwatch
映画『ビル・カニンガム&ニューヨーク』が話題になっているようで、その影響でフレンチカバーオールの人気が高まるようなことがあるのかどうか、ちょっと注目しています。あのフレンチブルーは魅力的だなと(私はこの映画を観ていませんが)。
navy
参考になる記事をいつもありがとうございます。
ところでお尋ねがあります。
上下デニムの組み合わせは、私の中では禁止事項となっているのですが、ジージャンの代わりにデニム地のカバーオールを羽織るのは有りなんじゃないかと感じています。管理人さんはいかがお考えでしょうか?
ちなみに私は管理人さんとほぼ同年代です。
よろしくお願いいたします。
blackwatch
カバーオールもジージャンと同じく、やり方次第と考えています。
カバーオールはテーラードジャケットに似た雰囲気を持っていますので、よりスーツ風に着こなしやすいという考え方があるかもしれません(その場合は色をそろえたほうがいいのでしょう)。