リング・ヂャケット(リング・ジャケット、Ring Jacket)の奥野剛史さんのコラム、前回はアメトラ(アメリカン・トラッド)がテーマでしたが、今回はブリティッシュ・トラッド(ブリトラ)です。
次のトレンドとして注目を集めているのがブリティッシュテイスト(英国調)です。
英国調といっても、昔のように肩パッドや芯(しん)地が厚く、固くどっしりとした仕立ての物ではなく、あくまで柔らかい着心地の服であることが絶対条件です。仕立てでなく、生地の柄で「英国調」を取り入れるのがスマートに着こなすポイントです。
こういう「なんちゃってブリティッシュ」みたいなのは、本格的なブリトラファンの人にとってはつまらないのかも。今店頭にある「ブリティッシュ風」のスーツやジャケットは、作りやシルエットはイタリアっぽいものが多いと思います。
もっとも、鎧のような本格ブリティッシュは、背が高くないとどうにも映えないんですよねぇ。イタリア風ブリティッシュのほうが、多くの日本人にとって着こなしやすいのは確かでしょう。
で、着こなしをブリティッシュ風にする方法ですが、
一番簡単でお勧めなのは、「ロンスト」のシャツを取り入れることです。ロンストとはロンドンストライプ(London Stripe)のことで、地と色の部分が等間隔の縦じまを指す和製英語です。
本来は「ブロックストライプ(Block Stripe)」と呼ばれ、欧米ではロンストと言っても通用しません(なぜ、日本はこうなんでしょうね? 日本では古くからこの呼び名が定着しています)。
ナポリタンスパゲッティが実際にはナポリにはなく、天津飯が実際には天津にないみたいなものか(?)。ロンドンには日本で「ロンドンストライプ」と呼ばれるシャツは(名称は違うのでしょうが)たくさん売っていますので、ちょっと違うか。
閑話休題、私はどちらかと言うとアメトラ好きなのですけど、実はロンドンストライプ(ロンスト)シャツが大好物。着こなしが引き締まって便利だと思っています。私の場合、カジュアルにノータイで合わすことが多いですが。
今だとシンプルなソリッドタイ(無地のタイ)がグッド。ネービージャケット+グレーフランネルパンツにノータイで合わしても良いですし、今だとシルク混のライトグレーかミディアムグレースーツに合わせると、イマドキスーツながらほんのり次の流行を押さえた着こなしになります。
ちょっと派手めのシャツには、ソリッドタイ(無地ネクタイ)が「鉄板」ですな。ニットタイも合わせやすいです。
次は、ジャケットです。
柄物を着ても違和感のない職場であれば、グレンチェックなども「英国調」を表現するのに最適です。クラシックな英国調をイメージさせるホワイト×ブラックの柄からなるグレンチェックのスーツやジャケットをワードローブに取り入れてみてはいかがでしょう?
過去何回も書いていますが、グレンチェックはオヤジになればなるほど似合う柄だと思っています。最近は若い人も注目しているみたいですが、頭が黒々した人なら(トップスではなく)パンツに使ったほうがいいんじゃないかな。
さて、このブログではアメトラを推していますが、正直言ってアメトラスーツの着こなしは特殊なんですよねぇ。ボタンダウンシャツを合わせたりとか、妙にゴツい靴を合わせたりとか。イタリアはイタリアで、雨降らし袖とかネクタイの結び目ずらしとか、ああいうのはやはり特殊な世界。
何だかんだ言っても、スーツの王道はブリティッシュなのです。好むと好まざるとにかかわらず、一度はブリティッシュスーツの着こなしを体験しておいて損はないと思っています。
Engineered Garmentsのジャケットの記事を更新しました
本日の更新は、以下の記事でございます。
テーラードジャケットと言っても、エンジニアード・ガーメンツのラギッドなジャケットなら気負いなく着られます。「今」を代表するブランドのひとつですよ。
それでは。
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この記事へのコメント
ヤマ
blackwatch
「斬新」と言うか、80年代から90年代くらいにかけての鉄板コーディネートですよね。近年は、こういう爽やかな着こなしが復活してきました。セーターの肩掛けや腰巻き、私は嫌いじゃないです。