今日は、ユナイテッドアローズ(United Arrows、UA)の栗野宏文さんのウイングチップ(ウィングチップ、フルブローグ)の靴(革靴)についての記事をご紹介。
なぜだか知らないけれど、子供の頃から僕にとっての靴、最も男性靴らしい靴はウィングティップ型でした。何かの映画か絵画、あるいは漫画の影響でしょうか...。
ああ、確かに「男の靴」「大人の靴」って感じの靴ですね。ゴチャゴチャしているのが迫力があって、子ども心に格好良く見えるのではないでしょうか。
今でも覚えているのは、25、26歳くらいの頃働いていたお店で、初めて店長になり、徐々に仕入れもやらせていただいていた頃、少ない給料から大枚をはたいて購入したのが、チャーチのウィングティップでした。でも、カーフ素材のもの(チェットウィンドという品名)ではなく(それは後日)、初ウィングチップはバックというスウェードのものです。その名の通り、鹿革の美しい風合いの靴で、チャーチの中で歴史に残る傑作定番の1つです。それを、とても、とても大切に履いていました。もちろん、30年経った今でも持っていますし、たまに履いています。
チャーチ(Church's)に限らず、本格靴は大事に履くと長持ちするものです。仮に飽きても、定番靴なら流行がひと回りしたらまた履くことができます。トンガリ靴だってまたいつか流行るのかもしれませんが、次に流行るのはかなり趣向の変わったトンガリ靴になってしまうかも。
自分の中(そしてお洒落好きな方の中)のクラシック再訪、再評価の中で、ウィングティップのようなド定番のものが、今一番新鮮に、そして最もお洒落に見えます。何度も申し上げますが、トム・ブラウンのおかげで、世界的なトラディショナル・スタイル再評価の波が来たのです。きちんとスーツやジャケットを着、シャツにネクタイをする。アメリカン・スタイル、ブリティッシュ・スタイル、イタリアン・スタイルetc...と、限定するのではなく、今はクラシックでトラディショナルで基本的な原点スタイルこそが、一番したいお洒落です。少なくとも僕には。
トム・ブラウン(Thom Browne)は、流行を変えた重要な人物だったみたいですね。仮にトム・ブラウンがいなかったとしても(流行の循環的に)トラッドは復活したのでしょうが、彼がトラッドをとても魅力的に表現してくれたのは確か(最近の彼のコレクションはともかく?)。
そう言えば、非常に良かったJUNYA WATANABEのショウの靴もほとんどが茶系でしたね。デニムのパンツにもグレイのスーツにも、カーキのチノパンツにも合うのが茶系のウィングティップ。
2008年秋冬のジュンヤ・ワタナベ(Junya Watanabe、渡辺淳弥)のコレクションは、確かにトラッド好きが狂喜(?)するコレクションでした。
私も、近年はウイングチップをよく履いています。私が今持っているのは、古いフローシャイム(フローシェイム、Florsheim)2足、50年代のデッドストックのアメリカ靴、それにジェイエム・ウエストン(J.M. Weston)の内羽根くらいかな。
ウイングチップはトラッドスタイルにしか合わないのですが(アメカジにはイマイチ合わせにくい)、そのぶんトラッドスタイルを大いに盛り上げてくれる靴だと思います。皆さんも、試してみてください。
それでは。
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この記事へのコメント
クラコフ
フローシャイムの黒を見てそう感じました。
ウィングチップ欲しかったのですが、我慢して先にプレーントゥを買っちゃいました(汗)まだ靴の頭数が揃ってないので汎用性のあるほうが先のが良いかなと思いまして・・次はチャレンジしてみようと思います。
その先日買ったプレーントゥは古着屋で見つけたのですが、バズのプレーントゥに似てる60年代のデッドストックらしく、マイサイズでしたのでちょっとラッキーでした(笑)
blackwatch
ウイングチップやプレーントウは、コバが張っているものならアメトラという感じですね。コバが張っていないウイングチップは、アメトラと言うよりはブリティッシュという感じです。
確かに、プレーントウのほうが汎用性は高いですね。まあ人生は長いですから(笑)、じっくりそろえていけばいいんじゃないでしょうか。
ヤマ
blackwatch
栗野さんは、モードでもコンサバ寄りならイケる人ですよね。栗野さんは、私が高校生くらいのころからすでに雑誌にはよく登場されていた記憶があります。