
おなじみElasticのdaleさんが、アメトラ(アメリカン・トラッド)の現状について力のこもった記事をお書きになっていました。
「結局アメトラは流行らなかったんじゃないか」みたいな記事がいくつか話題になっていまして、それに対しdaleさんが反論されています。
どちらかといえば、アメトラは定着しなかった、盛りあがらなかった、苦戦していた、という意見の方が多く、確かに、今はアメトラではなく、ラギッドなアメカジ寄りのトレンドですが、それでも、アメトラは、十分、若者の間に定着したのではないか、と私は考えています。少なくとも、アメトラは受け入れられなかった、失敗した、という意見は言い過ぎだと思います。
アメトラの代名詞であるボタンダウンシャツは大ブレイクして定着していますし、パンツもスキニージーンズ一辺倒から、チノパン、スラックスと落ち着いたパンツが取り入れられるようになり(それまではおじさん臭いと避けられていた)、さらに今では、アメトラのくるぶし見せスタイルからクロップドパンツやショートパンツまで選択肢が広がっています。上着もスクールジャケットが流行ったり、Tシャツもカレッジモチーフがここ数年の定番になったり、足元もトンガリ靴から徐々にラウンドトゥへ移行したり。極めつけは、黒ぶちのウエリントン/ボストン型メガネ(通称ダサメガネ)の大ブーム。

今年の夏はデッキシューズ(ボートモカシン)がかなりブレイクしそうですが、あれもかなりアメトラ濃度の高いアイテムですよね。近年はヨーロッパブランドのものが多いですけど、モカシン型の元祖はアメリカのセバゴ(Sebago)あたりじゃないかしらん。
60年代のアイビー、80年代のプレッピーブームと比べると、今は多様なファッションスタイルがあって、選択肢がたくさんあります。1つのスタイルがシーンを圧巻することは難しいでしょう。だから、それらと掛け合わされ、結びつく形で広がっていったのではないでしょうか。いろいろとミックスされているので、アメトラ的な何かに見えないだけであって、よく見ると、アメトラはしっかり根を張っているように、私には思えます。単に、紺ブレ、ボタンダウンシャツ、チノパン、ローファー、というような、テンプレートなアイビー・プレッピースタイルをしている人が少ないから、流行っていないように見えるだけではないでしょうか。

いやー、まさに仰るとおり。何も付け足すことはありません…。
この手の記事は本当は私が書かなければいけない気もしますが、アメトラを推す当ブログがアメトラを擁護してもポジショントークと受け取られそうで、なんか書きにくいんですよね(汗)。こちらは、以前の私の記事。
あれから半年くらい経ちましたが、アメトラ的要素はゆっくりとですがじわじわ街に浸透している感じ。もっとも、街に浸透するということは少しずつ陳腐化にも近づいているというわけで、痛し痒しなんですけど。
ところで、昔(90年代前半くらいまで)と今の若者文化を比べて、以前からちょっと気になっていることがあります。
1980年代頃、女子大生を頻繁に一般誌が取り上げた時代があった。今では、女子高生もメディアとしてのバリューがなくなっている。読者モデルなどセミプロ化した女性たちを扱った方が便利なのかも。袴スタイルをみて、「女子大生」が商品化された時代が懐かしいと思ってしまった。

これは男にも言える話でして、昔は(慶應大学等の)有名私大生がファッションを含む若者文化の一翼を担っていたと思うのですが、今は影が薄くなりましたねぇ。ギャル男みたいなワルばかり目立つ感じ。(本来エリート向けの服である)アメトラの若者への浸透の歩みがイマイチ遅いのも、その辺が理由のひとつだと思います。
エリートが若者文化の中で目立たなくなったということは、社会学的にはどう解釈すればいいのかな。
Lands' Endのネクタイの記事を更新しました


本日の更新は、以下の記事でございます。
アメトラらしいネクタイをお手頃な値段で入手するなら、ランズエンドも候補に入れてください。なんてったって、アメリカブランドですからね。アメトラらしい、楽しいプリント柄のものにも注目。

そうそう、Tokyo Life(東京ライフ)さんのChance of 8 Daysは、今日が最終日。今日の対象ブランドは、トラディショナル・ウェザーウェア(Traditional Weatherwear)、オリアン(Orian)、GTA(ジー・ティー・アー)、それにタブロイド・ニュース(Tabloid News)…。
うーん、鼻血が出そうな品ぞろえじゃないですか(笑)。泣いても笑っても今日1日だけ。どうぞお見逃しなく。
それでは。
人気Blogランキングなるものに参加することにしました。ご協力よろしくお願い致します…。

この記事へのコメント
メーメー
まず、アメトラ成るものを“流行”に位置着けるのは論外。
アメトラ含むベーシックワードローブという服装のこと。それは、
アーミー、ワークウエア、ヘビーデューティなど、カジュアルにもドレッシイにも多く存在します。そこには流行という概念のないのが、この服の素晴らしい利点なのです。
近代ファッション史上最大の社会定着であり定番・普遍的支持の服装は※ベーシック・ワードローブだけです。
デザイナーズ・ブランドでベーシック・ワードローブほど定着した
商品は皆さんもきっとそうでしょう、私も知りません。
せめてベーシック・ワードローブの一つ、Tシャツほど、世の中に定着したデザイナーズ・ブランドはないのではないでしょうか。でも
あったとしたら、それは、ベーシックワードローブが生まれたのです。それは喜ぶべき偉業であり、ファッション史に刻まれる名誉なのです。
デザイナーズ・ブランドは毎年の流行のためのファッションであり、定着とは無縁だといえるのです。また、基本としているファッションがベーシックファッションから取り入れてる例が多いのです。この点から見ても、いかにベーシック・ワードローブが近代ファッション史上、大成功例であることは自ずと証明されているのです。
しかもこのファッションは高価であっても、その分長持ちと愛着が生まれるものばかりです。
これほどの特にサラリーマンにとって便利なファッションはほかにありません。その一つトラッドの魅力を知れば、いつの時代の若者(男)でも受け入れられること請け合いだど感じています。
※デザイナーズ・ブランドは、女性やファッション業界人、お金持ちなどまた、流行好み人にしか受け入れられにくい面があるのです。
メリットといえば、毎年デザイン作業が絶え間なくあるので、業界進出と流行服目当ての人からのビジネス関連では需要と供給があります。もちろん冒険するのは大事なのですが、完成したファッションが永年にわたり人々から愛されなければ流行ファッションという運命になるのです。
デザイナーの中には、ベーシックワードローブのように長年愛される息の長い服装を生み出したいと願う方もいるはず。そうなれば服装業冥利に尽きると思うはずです。
現実は、毎年の流行ビジネスとなっているのが現状です。
どちらを選択するのは人次第です。私の予想として、限りある給料のサラリーマンにとっては、現実選ぶのはベーシックファッションがベストなのは間違いないことでしょう。
シンプル・イズ・ベストとはよく云ったものです。
blackwatch
当ブログで私もよく書いていることなのですが、普通のオヤジサラリーマンには、いろいろな意味でコンサバスタイル(トラッドスタイル)が一番よく似合いますよね。モードスタイルは、特にオヤジ世代には良くも悪くも一部の好事家向けのファッションでしょう。
その中でもアメトラは、ブリトラやクラシコ等と比べても一番金のかからない禁欲的(?)なスタイルだと思っています。
ただ上の記事は、どちらかと言うと若者のファッションについての記事なんですよね。イマドキの若者にトラッドやコンサバを押し付けることはできないなぁ、とは思います。
あと、トラッドスタイル自体にも流行はあるように思います(60年代、70年代、80年代のアメトラはそれぞれ雰囲気が違う)。まったく流行を無視して着こなしを考えることは、それはそれで難しいですよね。
もっとも、私もアメトラ好きの端くれとして、メーメーさんの仰ることはよく分かるつもりです。とにかく私は、「頭が悪そうに見える服」が嫌いでして(汗)。