2010年秋冬コレクションくらいからウィメンズでは話題になっていたようですが、2011年春夏コレクションではメンズにおいても90年代(1990年代)に流行したミニマル(ミニマリズム)ファッションが話題になっているようです。特にミラノ。
ミラノの中でも、今季は特にプラダ(Prada)がミニマルなコレクションとして挙げられているみたいです。
- Prada Spring 2011 (19/41) Menswear Collection Slideshow on Style.com
- Prada Spring 2011 (3/41) Menswear Collection Slideshow on Style.com
ミニマリズムといえばジル・サンダー(Jil Sander)が有名ですが、ラフ・シモンズ(Raf Simons)がデザインしている今季も、色遣いはヴィヴィッドながら基本はミニマリズムだと思います。
そもそもミニマルなファッションとはなんぞや? 一般的には「装飾的な要素を最小限に切り詰めたシンプルなスタイル」くらいに理解されているのでしょう。
なんとなくピンと来るような来ないような……。頭の整理のために、私なりに「……でない」という形でまとめてみました。ミニマリズムにもいろいろあるのでしょうが、コンサバ寄りのものを想定しています。広い意味のミニマリズムはまたちょっと違うのかも。
ちなみに、"minimalism" が名詞形で "minimal" が形容詞形(副詞形)です。
- 80年代(1980年代)的な装飾過多、もしくはゴージャスなスタイルではない
往年のマイケル・ジャクソンのようなゴチャゴチャしたデザインのスタイルではなく、バブル期特有のゴージャスなスタイルでもないということです。ミニマリズムは90年代の流行ということもあり、ある意味80年代を否定するようなスタイルなのかも。
- 70年代(1970年代)的なヒッピー風ではない
汚い格好は、ぜんぜんミニマリズム的ではないのです。ミニマリズムは、人工的で未来的でこぎれいなスタイルといえます。
- トラッドな柄や素材は使わない
人工的で未来的ということもあり、チェック柄とかツイード素材とかそういうトラッドな要素はあまり使いません。もっとも、アイテムひとつひとつのデザイン自体は、トラッドなものに近いものが多いと思います。
- ラテン(イタリア)色はない
ジル・サンダーなどはミラノでコレクションを発表していますけど、ラテン色はないですよね。かといってアングロ・サクソン色もないし、やはりトラッド色は薄いのです。強いていえば、フレンチスタイルと親和性が強いかな。
- つくりに凝らない
凝らないといえば言いすぎですが(汗)、ミニマリズムの服はつくりに凝っているように見えない、見せない服だと思います。手縫いのステッチを強調なんてやりません。90年代末からのクラシコ・イタリアの隆盛は、ミニマリズムの反動という一面もあるかも。
現在ミニマルなスタイルが廃れているわけではないので、正直いいまして特に新鮮味がない感もあります。ジル・サンダー本人がデザインしているユニクロ(Uniqlo)の+J(プラス・ジェイ)だって、基本はミニマリズムですし。
また、80年代スタイルもまだまだ本領(?)を発揮していないと私は考えていまして、90年代が本格的に盛り上がるのはもうちょっと後なのかもしれません。ちなみに90年代スタイルの私の思い付くほかの主な特徴は、ジャケットのVゾーンは狭め、パンツのシルエットはストレート、といったところかな。
ミニマリズムは基本的にはモードの世界の話なのですが、コンサバの世界にも多かれ少なかれ影響を及ぼすと予想されるため、今回取り上げてみました。
Waste (Twice) の記事を更新しました
さて本日の更新は、以下の記事でございます。
気鋭の日本のカジュアルウェアブランドです。マリンスタイルを渋くまとめてくれるマリンパーカーが入荷しています。
それでは。
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この記事へのコメント
えいねん
個人的には、シンプルもミニマルも関係ない、結果として残ってしまったあはれな衣類と伴に生きる、ひんぷるらいふで裏道を歩みたいと思っちょります。
blackwatch
あの本は例のブログとはちょっと違って、必ずしもユニクロを攻撃しまくった内容ではないそうです。読んでいませんけど。
流行とは、付かず離れず適度な距離感を持って付き合いたいところですね。まあ言うは易しです。