今日は、雑誌Free & Easy(フリー・アンド・イージー)の2011年2月号を読んでみます。
Rugged IVY(ラギッド・アイビー)の系譜
今号の大特集は、「Rugged IVY(ラギッド・アイビー)の系譜」。アメトラ(アメリカン・トラッド)を中心としたトラッドスタイルの日本における受容の歴史、みたいな特集です。「日本における」というのがミソで、内容もかなり充実していることもあり、40代以上のトラッド好き日本男性にとってはまさに感涙の特集といえるのではないでしょうか。
この特集では、過去の日本におけるトラッドの歴史を1960年代(60年代)、1970年代(70年代)、1980年代(80年代)の3つに分けて取り上げています。以下、特集記事の内容を受けて私の思うところを書いてみます(あまり記事内容とは関係がないかも)。

- 1960年代(60年代)
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ヴァン・ヂャケット(VAN Jacket)および創業者の石津謙介氏の活躍により、日本においてアイビースタイルが大流行した時期。みゆき族が社会現象になりました。
日本においてアメトラが熱烈に支持された理由はいろいろあるのでしょうが、1950年代(50年代)から1960年代前半にかけてのアメリカの全盛期と日本の高度成長期が重なった、というのが大きな理由だと思います。
一方韓国や中国ではアメトラの洗礼を受けていないわけで、同じ東アジアでも服に対する考え方がだいぶ違うような気がするなぁ(若い人はあまり変わらないかも)。
- 1970年代(70年代)
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1960年代末のヒッピー・ムーブメントやピーコック革命の影響か、堅苦しくない自由なファッションが人気に。アウトドアウェアやワークウェアといったいわゆるヘビー・デューティー(Heavy Duty)スタイルが台頭しました。
ドレススタイルはどうだったかというと、ヨーロッパ風のコンチネンタルスーツ(コンチ)のほうがアメトラスーツよりも人気が高かったように思います。当時人気のスタイルは、ラペル(襟)幅が広くて肩幅の狭いジャケットに細身のフレアパンツを合わせるというもの。この時期、ヴァン・ヂャケットは倒産してしまいました。
- 1980年代(80年代)
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ブリトラ(ブリティッシュ・トラッド)が台頭し、アメトラもラルフ・ローレン(Ralph Lauren)のようなブリティッシュの要素を加えたブランドが人気に。
日本においてもブリトラブランドが登場し、その代表格がこの特集でも取り上げられているエーボンハウス(Avon House)。私が思うに、今号の最大の見どころはこのエーボンハウス特集ではないでしょうか。ヴァン特集ならそこかしこで見かけるのですが、エーボンハウスの特集はなかなかお目にかかれません。
ちなみに、エーボンハウスは1990年代に倒産してしまったそうです(今復活している会社は経営者が変わっている。このへんはヴァンも同じか)。そういえば、あの赤峰幸生氏が在籍したグレンオーヴァー(Glenover)というブランドもあったなぁ。
……とまあ偉そうなことを書きましたが(汗)、私はFree & Easy世代よりも少し若いようで、80年代も含め実体験をしているとはいえません。80年代は私の青春時代でしたが、当時はトラッドスタイルには興味がなかったしなぁ。
というわけで今号は、当時を知っている人は黙って買い、当時を知らない人も歴史を知るために一読する価値があると思います。将来プレミアム化するかも。
それでは。
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この記事へのコメント
ヒロシ
いやぁ~本屋で見かけて即買いしましたよ☆
コンサバ親父の大好物が満載ですよね。
おっしゃるようにエーボンハウス特集は圧巻です!
私も昭和の終わりの紺ブレを一着持ってますが、
しっかりした作りと(偶然もあるんでしょうが)この
時代の服にしては今でも着れる普遍的なシルエットに
は脱帽です。ボタンも当時では珍しかったフラットな
メタルボタンですしね。潰れるには惜しい会社でした。
・・ただ、この雑誌は何かと言うと必ずラギッドアイ
ビーってのが少々アレなんだよな^^:
blackwatch
昔の日本ブランドはVANくらいしか顧みられることがないので、こういう特集は貴重ですよね。さすがFree & Easyであります。Avon Houseのブレザーといえば、こんな記事もありました。
http://allabout.co.jp/gm/gc/196251/8/
「ラギッド」の使い方については私も思うところがなくはなくて、普通のキレイめのアメトラやブリトラもラギッドと言いきっちゃってよいのかなと。
ところでこの特集では「ブリティッシュ・アイビー」という言葉も出てきましたが、当時この言葉を使っていたのかな?
ヒロシ
いやはや、夕べは「今でも着れる~」なんて書きまし
たが、歳のせいかだいぶ前に多少今風にお直ししたこ
とをすかっり忘れてました^^:まあ、21世紀にな
ってもお直しに耐えられる丈夫な服ってことで(笑)
あくまでも一会社員の思い出ですが、「ブリティッシュ
・アイビー」ではなくて「ブリティッシュ・トラッド」
って言ってました。なんだかアメトラより一段上みたい
な認識だったような記憶です。
それと同じくらいの頻度で使われた言葉が「フレンチ・
アイビー」。新宿にもファッソナブルなんかのアイテム
を並べたショップが多かったですね。エーボン・ハウス
の紺ブレだって、そんなお店で「これはBCBGの定番
っすよ」なんて、今となってはよくわからない理屈で勧
められて買ったのでした(笑)
blackwatch
「ブリティッシュ・アイビー」という言葉については、Free & Easyの造語のような気がしますねぇ。仰るとおり、「フレンチ・アイビー」という言葉は80年代からよく使われていたと思います。
サンダンスキッド
ナー(ショップ?)がありましたが今はありません。経営母体が変わってシルエットも幾分変わりましたが、クリケット共々後世に残る男のファションブランドです。カジュアルはアメリカン、ビジネススタイルはブリティシュです。男は。
blackwatch
エーボンハウスについてはいまいちまとまった情報がないように思いますので、貴重な情報をありがとうございます。なるほど、クリケットも関連ブランドだったのですね。
これから徐々に本格的なブリティッシュが復活するように予想していまして、エーボンハウスについても再評価されてほしいと考えています。
ヘベレケ
予定なしの土曜日の午後
こんな休日が好きなシニアです
ちょっと琴線にふれたので投稿しました
blackwatch
琴線にふれたとのこと。今後ともよろしくお願いいたします。
ヘベレケ
VAN関係で唯一の自慢はカーペンターキットを今も持っているということかな
当時(1970年代)は狂ったようにVANに没頭してましたね
その遺産とでもいうのか気が向けばノベルティをヤフーのオークションに出品したりします
けっこうな値がつきますね(苦笑
blackwatch
私は年齢的にヴァンの全盛期のことは分からないのですが、カーペンターキットについてはたまに話題になりますね。
http://blogs.yahoo.co.jp/kousuke427sc/63670393.html
今となっては使うのはもったいないですね。
ヘベレケ
またしても暇な土曜日の午後です。
>私は年齢的にヴァンの全盛期のことは分からないのですが
そうなんですか~
エーボンハウス等々当時のブラメが出てきてたので、てっきり同世代かと・・
現在も健在なのでしょうか?
私の時代は輸入品はそうそうなく、VANに追随するブラメは胡散臭い物もありましたよ
メンクラで紹介されてたVAN以外ではマクベスやユニバーシティーなど信用度たかかったですね
とにかくVAN信者だった私はメンクラの街アイコーナーに出るのが憧れでしたよ。
ま~念願叶って数回登場させて頂きました。
いや~思い出ですね。
blackwatch
私はいわゆる「団塊ジュニア」世代ですので、ヴァンの全盛期をまったく知らないことになります。当ブログの他の記事をお読みいただくと、私のことをなんとなくご理解いただけるかと。
エーボンハウスはいったん復活したようですが今はウェブサイトも消えていまして、どうなっているのかはよく分からないですねぇ。しばしば商品が掲載されていたFree & Easyも休刊になってしまいましたし。
ヘベレケ
あらら、2mm程度のピンホールが(';')
30年は着たであろうバラク―タのG9
そりゃほころびもできるわけだなと労わってあげた
新しいのを買うべきか死ぬまでこの穴あきバラク―タを着るべきか悩むな~~
blackwatch
スウィングトップの記事もしくはBaracutaの記事にコメントいただいたほうがよかったかもしれません……。
http://blackwatch.seesaa.net/article/16323111.html
http://blackwatch.seesaa.net/article/2801114.html
さて、2mm程度の穴でしたら「かけはぎ」する手もあるでしょうが、手数料がけっこう高いですし、目立たないように補修できるかも分かりませんし、かといって新品を買おうにも近年のBaracutaは高価ですし、悩むところだと思います……。