
今日は、クロケット&ジョーンズ(クロケット・アンド・ジョーンズ、Crockett & Jones、Crockett and Jones)の革靴(靴、シューズ)、ブーツを取り上げます。《最終更新日: 2020年4月17日》
Crockett & Jones(クロケット&ジョーンズ)
クロケット&ジョーンズは、1879年創業のイギリスの靴ブランド。裏方的な仕事も多く、ポール・スミス(Paul Smith)などの有名ブランドの靴もよくつくっています。
英国靴の中のランクとしては、アルフレッド・サージェント(Alfred Sargent)よりは上、エドワード・グリーン(エドグリ、Edward Green)よりは下、というところでしょうか。普通の人がちょっと背伸びして履く靴としては、クロケットくらいで十分なのでは。それ以上は趣味の世界かも……。
- ビギンとともに歩んできた32年を振り返る! クロケット&ジョーンズのヒット伝説|雑誌Begin(ビギン)公式サイト
- 3大ブランドの足跡をオサライ! 名靴100年“超”クロニクル[研究]|雑誌Begin(ビギン)公式サイト
- Crockett & Jones Shoes & Factory Tour - Gentleman's Gazette
そうそう、ジェームズ・ボンドシリーズの映画『007 スカイフォール』では、クロケット&ジョーンズの靴が使われているとのこと。
木型(ラスト)が豊富なクロケット&ジョーンズ
クロケット&ジョーンズの靴は、とにかく木型(ラスト)の種類が豊富。この記事を書くために手元でまとめていたのですが、種類が多くてとても覚えられません(汗)。足囲(足幅、ウィズ、ワイズ、width)は “E” が多いかな。
靴底(ソール)はやはり革底(レザーソール)が多いですが、ゴム底(ラバーソール)もあります。ドレッシーなダイナイトソール(Dainite Sole)や、ややゴツいリッジウェイソール、など。
製法は、何度も靴底が張り替えられる堅牢なグッドイヤーウェルト製法。英国靴はやっぱりこうでなくっちゃ。
ハンドグレード・コレクション(Handgrade Collection)
クロケット&ジョーンズには、上級モデルとしてハンドグレード・コレクション(Handgrade Collection)も用意されています。
手作業の工程を多くし、甲革(アッパー)などの素材も上質なものを使用。分かりやすい見た目の特徴は、革底が伏せ縫い(ヒドゥン・チャネル・ソール)されていて、靴底に縫い目が見えないこと。気品漂う仕上がりで、エドワード・グリーンにも負けないという評判(?)。

ストレートチップ(キャップトゥ)のAudley(オードリー)

まずは、ドレスシューズの代表格であるストレートチップ(キャップトウ、キャップトゥ)から。ビジネススーツに一番合うのがこれですし、冠婚葬祭(フォーマル)用としても1足は欲しい靴です。
Audley(オードリー)も、ハンドグレードのキャップトウ。木型は端正なセミスクエアトウでロングノーズ気味の “337”。パリ店にて開発された通称「パリラスト」で、エドワード・グリーンのような風格を感じます。
- CROCKETT & JONES 高級 “黒スト” 選びの筆頭株はクロケット&ジョーンズの「オードリー」です! | BOQ
- CROCKETT & JONES (クロケット&ジョーンズ) - boq.jp
UチップのMoreton(モールトン)

Moreton(モールトン)は、クロケット&ジョーンズの大定番モデルであるUチップシューズ。ビジネススーツ向きとは思いませんが、ドレスカジュアルからカジュアルまでかなり万能な一足なので、人気があるのもむべなるかなと。
靴底は丈夫なリッジウェイソールで、木型は丸っこい “292”。
Durham 3(ダラム3)は、合わせモカ仕様のUチップ。定番のMoretonよりはドレス度が高めですが、クラシック過ぎずフレンチ系の着こなしとも相性が良いでしょう。木型はかかと小さめの375で、ダイナイトソール仕様。
ちなみにワックスカーフは、水や汚れに強い加工を施したカーフのこと。そのぶん、光沢は少し出しにくいかもしれません。









ローファー、スリッポン

次は、ローファーやスリッポン。
Boston(ボストン)は、名前のとおりアメトラな雰囲気のペニーローファー。まさにバスあたりのローファーに似ていますが、つくりや革質の良さはぜんぜん違います。木型はローファー用のショートノーズのラウンドトウ “314” で、革底仕様。
Boston 2は、“314” のかかと周りを小さくした日本人向け “376” を使用したペニーローファー。革底仕様です。
Selhurst(セルハースト)は、ローファー用ですけど少し甲が長めの木型 “366” を使用したペニーローファー。アンラインド(裏地なし)で柔らかな履き心地が特徴です。ヌバックまたはスエードの楽しい色展開に注目してください。革底、もしくはダイナイトソールよりもドレッシーなシティーソール(City Sole)仕様。








こちらは、アメリカの名門ホーウィン(Horween)社のシェル・コードバン(シェル・コードヴァン)を使用したSelhurst。オールデンよりも木型が長めで、よりドレッシーな雰囲気の仕上がりです。革底仕様。
タッセルローファー
Cavendish(キャベンディッシュ、キャヴェンディッシュ)は、まさに基本的なデザインのタッセルローファー(タッセルモカシン)。ビジネスにもカジュアルにもどうぞ。木型は丸みのあるオーソドックスな “325”。
Cavendishに日本人向けにかかとを小さくした木型である “375” を採用した、Cavendish 3(キャベンディッシュ3)が登場しました。一般的に日本人のかかとは小さいとされていまして、かかとの抜けが心配な方も安心のモデルです。革底仕様。






Camden(カムデン)は、タッセルのないタッセルローファー(?)といえるでしょうか。意匠としてはベネシャン型のローファーといえます。履き口にパイピングが施されているのも特徴。木型は375で、シティーソール仕様。
Selby(セルビー)は、いわゆるバタフライローファー。上品な雰囲気のいかにも上流階級っぽい靴といえます。木型は375で、革底仕様。
チャッカブーツ(チャッカーブーツ)のChertsey(チャートシー)、……

次は、ブーツの中でも応用範囲が広くて履きこなしやすい履きこなしやすいチャッカブーツ(チャッカーブーツ)。
Chertsey(チャートシー)は、定番のチャッカ。木型は丸みを帯びたカジュアル寄りのラウンドトウである “224” です。こちらはスエード地のChertseyで、まさに定番の面持ち。革底仕様。
サイドゴアブーツ、レースアップブーツ(編み上げブーツ)

次は、各種ドレスブーツをご紹介。
こちらは、バーニーズ・ニューヨーク(Barneys New York)専用のセミスクエアトウの木型318を採用したサイドゴアブーツ(チェルシーブーツ)。カントリースタイルに合わせるか、60年代風の尖った格好に合わせるか。ドレッシーなシティーソール仕様。
Deane 2(ディーン2)は、丈を短くしたサイドゴアブーツ。往年のジェームズ・ボンドが履いていそうなスタイリッシュな靴です。木型は318でシティーソール仕様。
純正のお手入れ用品、シューツリー(シューキーパー)や靴ブラシ

純正のシューツリー(シューキーパー)や靴ブラシもあります。まあ純正でなければダメというわけではありませんが、こだわる方はどうぞ。こちらの記事も参考にしてください。
Men's EX(メンズ・イーエックス)の名靴ランキング2008

Men's EX(メンズ・イーエックス)の2008年2月号の「名靴ランキング」において、クロケット&ジョーンズの靴もランクインしています。さすが。
- 6位: Audley(オードリー)
- 15位: Chertsey(チャートシー)
その他
その他のクロケット&ジョーンズ(クロケット・アンド・ジョーンズ、Crockett & Jones、Crockett&Jones、Crockett and Jones)の革靴やブーツは、こちら。

他の記事も……


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追記
- (2007年1月10日)商品を追加、入れ替え。
- (2007年8月16日)商品を追加、入れ替え。
- (2009年3月31日)商品を追加、入れ替え。
- (2010年7月22日)2010年春夏最初の更新。
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