今日は、リーガル(Regal)の革靴(靴、シューズ)を取り上げます。《最終更新日: 2017年4月18日》
Regal(リーガル)
「リーガル」はもともとはアメリカの靴ブランドで、日本製靴(1902年創業)が1961年に国内ライセンス生産を始めた頃はブラウン(Brown Shoe、現在の社名はCaleres)社の1ブランドでした。こちらは、かなり古いアメリカのリーガル本家の広告。
そして、アイビーブームなどで日本のリーガルは急成長し、日本で最も有名といってよい靴ブランドに。日本のアメトラ(アメリカン・トラッド)の足下を支えてきました。
その後、日本製靴は1990年にブラウン社より「リーガル」の商標権を取得。社名も「リーガルコーポレーション」に変更してしまいました。で、今に至ると。
今日は、リーガルが昔からつくり続けている定番靴をご紹介します。型番の数字部分が4桁のものが、昔ながらの定番モデルと考えてよいと思います。
製法や素材
リーガル(日本製靴)は、1914年にグッドイヤー式製靴機を輸入したのだそう。つまり、昔から堅牢なグッドイヤーウェルト製法を得意としているのです。今日紹介している靴は、すべてグッドイヤーウェルト製法でつくられています。
定番靴の多くで、甲革(アッパー)にいわゆるガラス革を採用しています。光沢の出る特殊な加工を施した皮革(レザー)で、高級感があるとはいえませんが手入れのラクな素材といえます。廉価なコードバンといえそうな素材で、特にアメリカ的な着こなしにはこの手の光沢のある革靴がよく合うのです。
多くの靴で、靴底(ソール)に主にゴムでできた合成底を採用しているのも特徴。見た目は革底(レザーソール)に似ているのですが、耐磨耗性や耐水性に優れ、廉価でもあります。反面、通気性は劣るようです。凸凹や溝のない靴底なので、特別に滑りにくいともいえないと思います(革底よりは滑りにくいでしょう)。
今でも多くの靴が日本製なのは素晴らしいですね。そうではない靴もありますけど。
リーガル・オンラインショップさんのところでは、合計3,000円(税込)以上購入時に全国送料無料。セール商品も返品が可能で、返品時の送料も無料とのこと。
外羽根式プレーントウ(プレーントゥ)2504
まずは、基本のヒモ靴(レースアップシューズ)といえるプレーントウ(プレーントゥ)から。
2504は、リーガルの代表作といえる外羽根式のプレーントウ。外羽根式といっても、アメリカを代表するブランドであるオールデン(Alden)やアレン・エドモンズ(Allen Edmonds)などの定番プレーントウとはちょっと違うのです。
外羽根の形状に注目してください。外羽根が靴底までつながっているダービー(Derby)型なのです。よりカジュアル寄りの意匠といえるでしょう。
甲革はガラス革で合成底、そしてコバが二重になったストームウェルト仕様。ビジネススーツに合わせてもよいですが、個人的にはもっとカジュアルに合わせたいですね。軍用のサービスシューズに似ていますから、そんな感じで使ってもいいのかも。
2509は、外羽根の形状がブルーチャー(Blucher)型のプレーントウ。オールデンなどの定番プレーントウと同じ仕様で、ダービーよりもドレス寄りの意匠といえるでしょう。さらに、渋いスコッチ型押し革(グレインレザー)を採用していることにも注目してください。合成底でストームウェルト仕様。
革底仕様の靴もありまして、2304は2504、2236は2509に対応した靴です。
ウイングチップ、ロングウイング
次は、トラッドな着こなしには欠かせないウイングチップ(フルブローグ)。
2589は、いかにもアメトラらしいロングウイング。翼状のパーフォレーションがかかとまでつながっているのが特徴です。甲革はガラス革で合成底、ストームウェルト仕様。スコッチ型押し革の2585もあります。
革底仕様の靴もありまして、2389は2589、2235は2585に対応した靴です。特に2235のブラウンは格好良いと思うのです。1968年に登場したとのこと。
モンクストラップ
次は、カジュアルウェアにもスーツにも合わせやすいモンクストラップ。
2321は、大きめの金具が印象的なモンクストラップ。甲革はスコッチ型押し革で、革底、ギザギザの入ったストームウェルト仕様です。
ビーフロールペニーローファー、タッセルローファー
次は、ローファーなどのスリッポン靴。
2177は、ビーフロール型のペニーローファー。ビーフロールローファーはアメリカ靴の定番ですが、2177は意外にデザインが面白いと思うのですよ。アメリカでこの靴に似たものがあるのかな。甲革はガラス革で合成底仕様。1972年に登場したそうな。
2167は、いわゆるベネシャン型の靴。フローシャイム(Flosheim)のコブラヴァンプ型の靴ですが、こちらはグッドイヤーウェルト製法です。甲革はガラス革で合成底仕様。
サドルシューズ(サドルオックスフォード)
カジュアルシューズにも定番靴があります。2051は、アメトラ気分を盛り上げてくれるサドルシューズ(サドルオックスフォード)。2色遣いのコンビ仕様が50年代っぽくてお洒落です。甲革はガラス革で合成底仕様。1971年に登場したそう。
靴底いろいろ
JR03、JR04、JR01のような型番に “JR” が付く靴は、軽量で柔らかいスポンジ系ソールを採用しています。その代わり「減り」が早いようですが、まあそのへんはトレードオフですね。甲革や木型は通常モデルと同じなので、見た目はそっくりです。
雪道に対応した靴底であるコロバンショを装備した靴もあります。日本は先進国の中では比較的積雪の多い国だそうで、こういう靴を用意しているのもリーガルらしいところといえるでしょう。普通の悪天候時用の靴としても使用できますが、雪道以外ですと靴底の「減り」は早い傾向があるようです。
その他
その他のリーガルの革靴(靴、シューズ)は、こちら。
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追記
- (2008年7月22日)商品を追加。
- (2017年4月18日)2017年春夏最初の更新。
この記事へのコメント
つっちー
今回2235の購入を検討しており色についてご相談にあがりました。
ブラウンの色味や汎用性に惹かれるのですが、やはりスーツに合わせるべきではないのでしょうか。スーツはⅠ型、ミディアムグレーで、やや茶が入っているかなぁという感じのものを考えています。
もちろんフォーマルな場では履かないつもりなのですが…。
blackwatch
一般的には、淡い色の靴には淡い色のスーツを合わせるものです。ミディアムグレー系のスーツといってもいろいろありそうですが、まあ合うような気がします。
カントリーっぽい色合いの靴なので、アメトラならツイードやコーデュロイ、チノクロスなどのほうが本当は相性が良いかもしれません。
都会的な(もしくはビジネス向きの)茶系の靴といえば、アメトラだとバーガンディーを使うことが多い認識があります。
つっちー
このブラウンは本来的にはライトグレー辺りかカジュアルな生地が好ましいのですね。
ところでトムブラウンを見ていると黒もかっこいいなあと思うのですが、blackwatchさんは黒のウイングチップにはどのような印象をお持ちなのでしょうか。
僕はウイングチップというカジュアルなデザインである一方、黒なので普段着に取り入れると他の色を食ってしまう(あるいは食われる)ようで使いにくそうなイメージがあって…。
モノトーンかスーツ用なのですかね。
blackwatch
黒のウイングチップは、カントリーのようでドレスっぽい、ある意味面白いバランスの靴なのかもしれません。
グレンチェックや千鳥格子といったモノトーン系の柄とはとても相性が良いと思います。ブラックウォッチやロイヤルスチュワートのようなタータンチェックとも相性が良いですね。