今日も、ビームス(Beams)のおなじみ中村達也氏の記事より。雑誌ポパイ(Popeye)1985年8月25日号を取り上げています。
要は、氏のお得意(?)のフレンチ・アイビー特集です。当時のファッションスナップを中心に解説。
ラコステにチノパンにカーディガン、ソックスはアーガイルと、まさしく当時のフレンチアイビーの典型的なスタイルです。
アーガイル柄の靴下(ソックス)は、実は意外に元祖アイビー世代の人はあまり履いていなかったりするのかな。アイビーだとライン入りのクルーソックスの印象のほうが強い感はあります。



フレンチアイビーと言えばベージュのM65
中村達也氏のフレンチ特集といえば、このベージュのM65(M-65)型フィールドジャケット。オリーブ色よりも上品になるのでしょうね。
チルデンセーターの上にカーディガンと、これもなかなか偏差値が高いですね。ポロシャツはおそらく当時パリで流行っていたFRED PERRY。サングラスはおそらくRay BanのWayFarer。
こういうセーターの重ね方はあまり見ませんが、なかなか悪くないじゃないですか。あと、この人は髪型も良い。全体的に、当時のフランス人の髪型は普遍的な印象を受けます。逆に日本人の昔の写真を見ると、髪型が時代がかって見えることが多いような。
肩掛けニットも当時のパリで流行っていました。
プロデューサー巻きという呼び方は当時はまだなかったと思われます。もちろんパリではそんな呼び方はしないでしょう……。
スエードのベースボールジャケットは当時パリで流行っていました
スエードのベースボールジャケットは当時BEAMSでも人気で、入社したばかりの頃、GOLDEN BEARのピッグスエードのベースボールジャケットを良く売ったのを今でも覚えています。
実は私も、80年代(1980年代)末にスエードのベースボールジャケット(MA-1型ともいう)を着ていましたよ。当時ポパイが推していました。
デニムを穿いてもスニーカーは履かないというのが、当時のフレンチアイビーのスタイル
レザーのデッキシューズやデザートブーツあたりが最もカジュアルな靴で、カラーのデッキシューズも当時人気でした。
確かに今回のスナップにはスニーカーの人は誰もいませんね。もっとも、スナップ対象になっていないだけで、おそらくパリにはスニーカーの人はそれなりにいたような気がします。
当時のフレンチアイビーの定番はポロシャツ、カーディガン、チノパン。
アーガイルのカーディガンは最近あまり見かけないですが、こうやって見るとフレンチっぽくて今また新鮮です。
アーガイル柄は靴下だけでなく、その他のアイテムも再評価すべきでしょう。直近だと00年代(2000年代)にちょっと人気があったような。
それにしても、とにかくポロシャツ。Tシャツではなくポロシャツなのです。特に春夏はフレンチ・アイビーにおいて最重要アイテムのひとつでしょう。
エンブレムが付いたブレザーも当時のフレンチの雰囲気ですね。
エンブレムを付ける時は胸ポケットがパッチポケットでなければなりません。
逆にパッチポケットにはポケットチーフは合わない、という話を聞いたことがありますが、いろいろな事例を見るに、どうやら必ずしもそうではないと思われます。もっとも、ふつうのポケットのほうが相性が良いとは思いますが。
当時高価なメゾン系ブランドは若い層には見向きもされないのに、KENZOだけが唯一支持されていると書かれています。
KENZOのメンズは当時フレンチアイビーの人たちの憧れのブランドと言われていました
ケンゾー(Kenzo)がこのように受容されていたのは知りませんでした。当時どういうコレクションだったのかもよく分からない……。
“BCBG” 当時のフランスの上流階級の人たちのライフスタイルが書かれています。フレンチトラッドな人たちの愛読書でもありました。日本語版も出ていますので、ご興味のある方は古本屋かネットで探してみてください。
“BCBG”(ベーセーベージェー)は “Bon chic bon genre” の略で、パリの上流階級の文化を示す用語。当時の流行語です。ちなみにグーグル翻訳すると「プレッピー」(!)。ちょっと意訳しすぎの感はありますが、まあフランス版プレッピーみたいな概念なのでしょうね。
BCBGの本のフランス語版はいまでも入手可能ですが、日本語版が再発行される可能性はほとんどないだろうなぁ。古本で入手するしかなさそう。



次はポパイ誌から離れて、競合会社(?)のシップス(Ships)のインタビューが引用されています。マルセル・ラサンス(Marcel Lassance)はフレンチスタイルにおける最重要人物のひとりでしょう。
フレンチ・アイビーやフレンチ・トラッドは、かつてのアメリカン・プレッピーをフランスで再現したスタイルですが、他のテイストが様々混ざり合っているのがユニークなんです。例えば、どういうわけかイギリスのモッズの要素が感じられたり。
その始まりは、1965年頃ですが、もっとも特徴的なアイテムは、メタルボタンが付いたダブルブレストのネイビーブレザー、オックスフォードのボタンダウンシャツ、白いソックスとビーフローファーなどです。あとは、コーデュロイリーバイスの5ポケットパンツ、クラークスのデザートブーツ、シェットランドセーターも忘れてはいけません。
最後に結語。
自分はフレンチアイビーが盛り上がっていた頃のパリをリアルに知るギリギリの世代なので、今のヨーロッパのインフルエンサー達が知らないのは仕方がないことだと思います。自分の世代のイタリア人も英国人も、当時パリのショップと取引していた人以外は、そのムーブメントはわからないと思います。
ある意味フレンチアイビーやフレンチトラッドは、フランス人にしかわからないテイストだったのだと思います。
いまのネット上で影響力のある日本人も、年齢的に80年代(1980年代)のファッションになじみのない人が多いように見受けられます。そして80年代ファッションが取り上げられるときは、バブル云々と否定的に取り上げられることが多くて、残念だなと。
実は私は年齢的に当時のことをギリギリ「知らない」世代ですので、中村さんの一連の記事は大いに参考になってありがたいのです。こういう記事も。
それでは。
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