今日は、トリッカーズ(Tricker's)の革靴(靴、シューズ)、カントリーブーツ、ウイングチップ(ウィングチップ)を取り上げます。《最終更新日: 2014年5月2日》
Tricker's(トリッカーズ)
トリッカーズは、1829年創業のイギリスの靴ブランド。英国王室御用達(ロイヤルワラント)ブランドでもあります。
なんでも、故ダイアナ妃の薦めがきっかけでチャールズ皇太子がトリッカーズのルームシューズをお気に召され、それ以来王室御用達になったんだそうな。
カントリーブーツ、カントリーシューズ
トリッカーズといえば、特に日本ではなんと言ってもカントリーコレクションが有名です。もともとは郊外でハンティングなどをするための靴なんでしょうね。
丈夫そうな甲革(アッパー)、分厚い靴底(ソール)、張り出したコバ……。いかにも頑強そうで、もうちょっとやそっとでは壊れそうにありません。製法はもちろん、堅牢なグッドイヤーウェルト製法。
その代わり、履き始めはやっぱり硬いです(汗)。でも、あきらめずに履き慣らしてください。この靴は1年くらいで履きつぶす靴ではなく、何年も履き続け、履き倒す靴です。徐々に履き心地は良くなってくる、はず。
なお、この靴は基本的にビジネススーツには合いません(キッパリ)。カジュアルスタイルに合わせてください。特にツイードジャケット、コーデュロイジャケット、キルティングジャケットなどのブリティッシュカントリースタイルとの相性は抜群です。
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別注モノが多く、種類が豊富です
カントリーコレクションは、お店によっていろいろな仕様で別注されており、甲革や靴底の種類が豊富です。
甲革で有名なのが、'C' Shade Gorse(Cシェイド・ゴーズ、シーシェイド・ゴーズ)という色。明るめの茶色で、いかにもカントリーらしい色です。
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靴底で多いのが、ダブルレザーソール(2重の革底)、ゴム底(ラバーソール)としてはドレッシーなダイナイトソール(Dainite Sole)、ゴツいコマンドーソール(コマンドソール、Commando Sole)くらいかな。
トリッカーズのダブルレザーソールは革底といってもかなり頑強で、少々の雨ならぜんぜん問題ないみたいです。
ウイングチップ(ウィングチップ)ブーツ、フルブローグブーツのMalton、Stow、……
いかにもトリッカーズのカントリーらしい靴といえば、ウイングチップ(ウィングチップ)ブーツ、英国風にいえばフルブローグブーツです。Malton(マルトン、モールトン、M2508、2508)やStow(ストウ、M5634、5634)が代表作。色の種類も豊富。
よく話題になるMaltonとStowの違いですが、結局のところいまは違いがないそうです(ズコー)。もともとはCシェイド・ゴーズのもののみがMaltonだったそうですけど。
いずれにせよ日本のお店で扱っているのは、いまはたいていMaltonだと思います。基本はダブルレザーソール仕様。
こちらは、ダイナイトソール仕様のMalton(M2508)。素地仕上げのコバと色展開にも注目してください。
ストレートチップ(キャップトウ)、セミブローグのブーツ
ストレートチップ(キャップトウ)仕様のブーツは、やはりちょっとドレッシーな雰囲気に。
M7624は、メダリオンやパーフォレーションのないプレーンなキャップトウ。こちらはワックスオイル加工が施された皮革を使用したM7624で、雨に強いことが期待できます。ダイナイトソール仕様。
サイドゴアブーツ(チェルシーブーツ)のHenry
履き口にゴムの付いたサイドゴアブーツ(チェルシーブーツ)は、着脱が容易な点がうれしい。
Henry(ヘンリー、M2754、2754)は、フルブローグ型のサイドゴアブーツです。基本はダブルレザーソール仕様。
Henryに、天候を選ばないダイナイトソール仕様のものが登場しました。ネイビーという色展開にも注目してください。実は裏地の色にも凝っています。ジャケットリクワイヤード(Jacket Required)さんの別注商品。
モンキーブーツ
トリッカーズのモンキーブーツ(Monkey Boot)は、スニーカー感覚で履くことのできる人気の高いブーツです。
M6077(6077)は7ホール、M6087(6087)は9ホールのモンキーブーツです。
チャッカブーツ(チャッカーブーツ)
丈の短いチャッカブーツ(チャッカーブーツ)は、着こなしの幅が広く着こなしやすいブーツです。
Winston(ウィンストン、M7468)は、3アイレット仕様のチャッカブーツ。こちらは、爪先にメダリオンがあしらわれたWinston。素地仕上げのコバと併せ、粋な雰囲気のチャッカブーツに仕上がっています。ダイナイトソール仕様。ジャケットリクワイヤード(Jacket Required)さんの別注商品です。
M7384(7384)は、比較的アメリカっぽい顔付きのチャッカブーツといえるかな。いろいろなスタイルに合わせやすいでしょう。スコッチガードされて撥水効果のあるレペッロ(Repello)というスエードを使用しています。ダイナイトソール仕様。
短靴のKeswick、……
短靴のカントリーシリーズもありまして、Keswick(ケズィック、ケズウィック、M7292)はフルブローグ。これなら夏にも履きやすいでしょう。皮革や靴底の種類は各種あります。
M7306は、パーフォレーションが後ろまでつながっているアメトラ(アメリカン・トラッド)っぽいロングウイング仕様のフルブローグ。アメトラとブリティッシュカントリーの中間的な、興味深い靴といえます。こちらは革底仕様のM7306で、色展開にも注目してください。
M5164もロングウイングチップ。こちらはダイナイトソール仕様のM5164で、型押しのスコッチグレインの皮革がすこぶる渋い仕上がりです。
M3616(3616)のRobert(ロバート)は、何も飾りがない外羽根式プレーントウ(プレーントゥ)。ストームウェルト付きでかなりアメトラっぽい仕上がりといえます。ダイナイトソール仕様。
マッドガード
こちらは、いわゆるマッドガード仕様の靴。クレープソールの周囲にゴムを貼り付けた独特のつくりの靴です(グッドイヤーウェルト製法ではありません)。甲革(アッパー)はスエード。
マッドガードはスティーブ・マックィーン(スティーヴ・マックィーン)が愛用したことでも知られていましていろいろなブランドがつくっていますが、トリッカーズのものは爪先が広めでポッコリ愛嬌があり、3アイレット仕様であることが特徴です。
他の記事も……
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追記
- (2007年11月6日)商品を追加、入れ替え。
- (2008年8月9日)商品を追加、入れ替え。
- (2008年9月19日)商品を追加、入れ替え。
- (2009年5月17日)商品を追加、入れ替え。
- (2009年10月9日)商品を追加、入れ替え。
- (2010年7月31日)2010年春夏最初の更新。
- (2011年7月31日)2011年春夏最初の更新。
- (2012年2月3日)2011年度秋冬最初の更新。
- (2012年5月19日)2011年春夏最初の更新。
- (2013年1月19日)2012年度秋冬最初の更新。
- (2013年7月30日)2013年春夏最初の更新。
- (2014年1月29日)2013年度秋冬最初の更新。
- (2014年5月2日)2014年春夏最初の更新。
この記事へのコメント
チョメス
blackwatch
ご質問の文章が短すぎて、どういう観点でお答えすればよいかイマイチ分かりませんでした……。
革底(か何か)のトリッカーズの靴底をラグソール(コマンドーソール?)に交換したいということであれば、ユニオンワークスさんなどの信頼できそうな修理屋さんにご相談してみてはいかがでしょうか。
http://www.union-works.co.jp/
きっとオールソールすることになりますので、費用はそれなりにかかります。単に滑り止めをしたいということであれば、薄いゴムを貼るという手もあります。
えぬ
都内で品数豊富でしたり、売っている店舗を知っていましたら教えてください。
blackwatch
今はジャケットリクワイヤードさんのところにスエード地のものがありますが、ほかではあまり扱っていませんね。
そもそも、ロングウイングチップという靴をイギリスの靴ブランドは本来はあまりつくらないのですよ。ロングウイングチップといえば、やはり「本場」はアメリカ。アメリカの老舗靴ブランドでは定番的につくっています。