
今日は、雑誌Begin(ビギン)の2024年6月号を読んでみます。久しぶりに取り上げるBegin。
フレンチスタイルって、ナニ?
大特集ではないのですが、フレンチスタイルについて取り上げた特集がありましたので、今日はそのご紹介。オーベルジュ(Auberge)などのデザイナーとしておなじみの小林学氏が監修を担当。小さな特集にはもったいないと思える中身の濃い内容かなと。

フランスの「スタイルアイコン」として、以下の3名が取り上げられています。
- ポール・ウェラー(Paul Weller)……フレンチ・アイビー
-
イギリス人の音楽家なのですけど、フレンチ・アイビーのアイコンとしては彼が代表格とのこと。特にスタイル・カウンシル(The Style Council)時代の彼が相当。
- ピエール・フルニエ(Pierre Fournier)……ピエール・フレンチ
-
パリの名店であるグローブ(Globe)、エミスフェール(Hemisphere)、そしてアナトミカ(Anatomica)を創設した重要人物。
ミリタリー服やオルテガ(Ortega)のベストなどをお洒落着として導入。オールデン(Alden)のモディファイド・ラストの矯正靴にファッションとして最初に注目したのもこの人らしい。
フレンチスタイルにアメリカ物が意外に多いのは、この人の影響が大きいとのこと。
- セルジュ・ゲンスブール(Serge Gainsbourg)……ゲンズブール・フレンチ
フランスの大物作曲家・歌手。ジェーン・バーキンとの関係でも知られる。
いわゆる「ちょいワル」な雰囲気で、ラテン寄りのフランスの代表選手といえそう。とりあえず胸元は開ける。レペット(Repetto)のダンスシューズを愛用。

フレンチスタイルについて、まとめのような文章を抜粋してみます。日本人が勝手に憧れた「ファンタジーを含む解釈が多分にある」スタイルとのこと。
「ファンタジー」という点では日本人が憧れたアイビーに似ている部分もあるでしょうが、下記のとおりフレンチのほうがより「あいまい」なのでしょうね。
- 80年代(1980年代)、バブル期の日本で服好き業界人が “パリへの憧れ” を持って描いた、お洒落の方程式
- 米アイビー、英トラ、伊カジと違い、具体性がない。その曖昧さが転じて、「遊び」として滲むスタイル
- (フレンチ・アイビーとは)フランス的MIXをした80年代版トラッド。日本の服好きたちがフレンチを読み解いた、いわば “憧れ” のフィルターを通して描いたお洒落の模範
動画もあります
この特集の補足編として、動画もあります。
最も言ってはいけないワード、それは日本におけるフレンチスタイルとはセレショが作った幻想なのだと……。
この動画に出てくる平凡パンチの別冊である1966年のHeibonパンチDeluxeが、こちらの記事でそれなりに読めます。伊丹十三が若いのだ。
動画の最後のほうでは、日本的(?)なフレンチスタイルを提案しているというパリの注目の店、ベージュ(Beige Habilleur)を取り上げています。
総評

今回の特集の内容がどれくらい的確なのかは私にはよく分かりませんが、少なくとも新鮮な切り口だとは思いましたよ。
アメリカの服の中には、ヨーロッパで再解釈されて定着しているものが意外に少なくないと思います。例えば、ウエスタンなアイテムやジージャンあたりを都会的に着る着こなし方には、フランス人あるいはイタリア人が大きく貢献していそう。ジージャンにネクタイのような着こなしは、アメリカ人の発想ではないと思うなぁ。
過去のフレンチな記事はこちら。

前回のビギンの記事はこちら。
それでは。
人気Blogランキングなるものに参加することにしました。ご協力よろしくお願いいたします……。

この記事へのコメント