個人的には、亡くなった落合正勝氏にはそれほど強い影響を受けていないと思います。クラシコ・イタリアにはあまり興味がありませんし。
とはいっても、やっぱり雑誌のコラムにはよく目を通していましたし、2,3冊は落合氏の本を読んでいますね(汗)。
というわけで、今日は印象に残っている落合氏の記述を取り上げます。『男の服装術 スーツの着こなしから靴の手入れまで』という本から、「クラシックなスーツの系譜」について。
落合氏は(デザイナーズスーツではない)いわゆる「クラシックなスーツ」を、「ゲルマン系スーツ」「ラテン系スーツ」「アメリカ系スーツ」の3種類に分類されています。
「落合氏は」というか、一般的な分類の仕方なのかな? とにかく、以下にそれぞれのスーツの特徴を示します。
- ゲルマン系スーツ
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要するに、ブリティッシュスーツのこと。Amazonの「なか見!検索」で、少し内容を読めます。
英国を中心とするゲルマン系スーツは、人体のラインを忠実になぞり、ウェストを絞りこみ、直線的な肩の傾斜と、やや角ばった肩、広めの衿、美しいドレープが大きな特徴で、これはロンドンのサヴィル・ロウのテーラーの注文服をベースにしている。
イギリスのチャールズ皇太子のスーツが(お立場的にも)ゲルマン系スーツの代表といえるのでしょうが、皇太子のスーツはゲルマン系スーツにしては柔らかめの雰囲気のスーツといえるでしょう。
- ラテン系スーツ
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要するに、フランス風のスーツのこと。
ラテン系のスーツは、フランスのクラシックなスタイルが基本で、丸みをもたせた肩幅を広くとり、ウェストは英国スタイルほどきつくない程度に絞りこみ、裾が腰に密着する(英国のスーツの裾は、やや開き加減になる)。
ラテンと言っても、イタリアのいわゆるクラシコ・イタリアとはちょっと違います。
同じラテン系でも、フランスとイタリアではやや異なる。イタリアの場合は、テーラーの時代が長かったため、中心思想は英国にあり、かつ英国スタイルに加えてフランススタイルの華やかさもとり入れている。その意味でイタリアの既製服は、ラテン系とゲルマン系の中間の中間に位置する新しい服であり、歴史的な流れから考えるなら、三つの服のスタイルからやや距離を置いている。
フランスのド・ビルパン首相やシラク大統領が着ているスーツが、その典型だと思います。
80年代のバブルのころに流行ったスーツは、これが一番近いですね。
- アメリカ系スーツ
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ウチのブログでよく取り上げているI型スーツのことだといっていいでしょう。肩幅は狭めでパッドもほとんど入ってなく、ウェストもほとんど絞っていない、いわゆる「ズン胴」スーツ。
よくいえば「清貧」のスーツ、悪くいえば貧乏臭いスーツです(汗)。でもね、そこが魅力なのよ。
以上の記述は、引用部分以外はかなり私の意見が入っていますので、ご注意ください。詳細な内容は忘れちゃいました(汗)。草葉の陰から、落合氏に怒られそう…。
なお、昨今一世を風靡しているクラシコ・イタリアスーツは、これらの特徴を混ぜたスーツのように思います。いいトコ取りというか。
それでは。
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