今日は、M65(M-65、M-1965)型フィールドジャケットを取り上げます。《最終更新日: 2019年3月22日》
M65(M-65)型フィールドジャケットとは
M65フィールドジャケットは、アメリカ軍(米軍)の野戦用ジャケットの中で最も人気のあるモデルのひとつといえるでしょう。1965年に採用されたから、M65という名前なのです。
主な特徴は、前面にポケットが4つあってスタンドカラー(中にフードが入っている)、そして肩章が付いていること(初期のモデルは肩章なし)。
生地はコットン(綿)とナイロンの混紡で単体ではそれほど温かくはありませんが、専用のライナーをつけると真冬にも対応します。
デザインが完成されていますので、街着用の「M65風」ジャケットも数多くつくられていますね。
ちなみに、シャツ襟が特徴のM51(M-1951)型フィールドジャケットはM65型の先祖のひとつ(M51はパーカーだけではないのです)。ステンカラーコートのような襟がクラシックなM43(M-1943)型フィールドジャケットはさらに古い先祖です。
着こなしいろいろ
M65ジャケットの着こなしにルールはありません。実際の着こなしをご覧になって、参考にしてください。
サイズ感次第ですが、M65ジャケットはテーラードジャケットやスーツの上からも羽織れます。こんな感じ。
- modafotografia: Riccardo Pozzoli - Los malditos mocasines
- On the Street……Couple of Cool, Milano - The Sartorialist
- On the Street….Corso Como, Milan - The Sartorialist
こちらはラギッド寄りですが、きちんとネクタイを合わせているのが素晴らしい。ラルフ・ローレン風ですな。
こちらは、ダブルブレストのネイビージャケットとホワイトパンツに合わせた着こなし。うーん、これは見事、脱帽です……。
こちらは、オッドベストを合わせたカジュアルな着こなし。
映画『タクシードライバー』、『クレイマー、クレイマー』
M65ジャケットといえば、映画『タクシードライバー』に触れないわけにはいかないでしょう。名優ロバート・デ・ニーロが、映画の後半にM65ジャケットを着て狂気の演技を見せてくれています(タンカースジャケットも着ています)。
ただし、モヒカン刈りはカタギの人はマネしないほうがいいですよ(汗)。
また、映画『クレイマー、クレイマー』においては、ダスティン・ホフマンのM65ジャケット姿が見られます。
Alpha Industries(アルファ・インダストリーズ、アルファー)
アルファ・インダストリーズ(アルファー・インダストリーズ、Alpha Industries)は、1959年創業のアメリカのミリタリーウェアブランド。いまもアメリカ軍へミリタリーウェアを納入している会社の中では最大手のひとつです。
M-65 Field Coat(M-65フィールドコート)といえば、MA-1と並ぶアルファの代表作。基本のコットンナイロン(NYCO)地のほかにもいろいろあります。
日本企画の大定番は2050で、全体的にゆったりしています。別売りのライナー(裏地)の2065もあります。
Buzz Rickson's(バズ・リクソンズ、バズ・リクソン)
バズ・リクソンズ(バズ・リクソン、Buzz Rickson's)は、東洋エンタープライズの1ブランド。本物志向のミリタリーウェアを得意としています。
BR11702は、まさに本物志向のM-65型フィールドコート。といっても「本物」ほど荒っぽいつくりではなく、そして少し細めにつくられています。街着として着やすい仕上がりといえます。別売りでライナーのBR13582もあります。
Aspesi(アスペジ)
アスペジ(Aspesi)は、1969年創業のイタリアはミラノのカジュアルウェアブランド。もともとはシャツをつくっていたそう。アスペジはM65ジャケットには定評がありまして、各種モデルがあります。
Minifield Ventoは、コンパクトなサイズ感のM65型ジャケット。薄手のものや着脱可能なThermore(サーモア)社の中綿入りなど、各種あります。サイズ感はそれぞれ微妙に異なりますので、実寸表を確認してください。
CF-1 Bastogneは、ベルギー軍の戦闘服を基にデザインされたとのこと。シャツ襟が特徴。裏地の背中側にもポケットがあるなど、なかなか仕様も凝っています。
Brooks Brothers(ブルックス・ブラザーズ)
ブルックス・ブラザーズ(Brooks Brothers)を別記事で大きく取り上げていますが、アメトラ(アメリカン・トラッド)の雄のブルックス・ブラザーズにはアウター類も充実しています。
「コットン/ナイロン フィールドジャケット」は、その名のとおりコットンナイロン地のフィールドジャケット。襟裏や前立て裏などに別布を配しているのが特徴で、デザインのアクセントとしてとても効いていると思います。襟にフードを内蔵。
「ストレッチナイロン フィールドコート」は、ストレッチの効いたナイロン地を使用したフィールドジャケット。裏地は付いていますが薄手で軽い仕上がりです。襟にフードを内蔵。
「コットン/ポリエステル フィールドジャケット」は、コットンポリエステル地のM65型ジャケット。サーモア(Thermore)社のハイテク中綿であるEcodown(エコダウン)を内蔵していまして、これはボリュームを感じる暖かそうな仕上がりです。
レッド・フリース(Red Fleece)は、カジュアル寄りのライン。「コットン/ナイロン フィールドコート」は、コットンナイロンのオックスフォード地を使用したフィールドジャケット。ミリタリー色を感じる仕上がりです。
「コットン/ナイロン フィールドジャケット」は、コットンナイロン地のM65型ジャケット。Ecodownを内蔵していますが、すっきりした仕上がりといえます。着丈は少し短め。
「ウール/ナイロンブレンド メルトン フィールドジャケット」は、イタリアはBellandi社の温かみのあるメルトンウール(羊毛)地を使用したフィールドジャケット。前面の4つのポケットと裏地のタータンチェック柄が特徴です。着丈は少し短め。
そうそう、セール(クリアランス、Clearance)になっている商品があるかもしれませんので、そちらも見てみてください(別ページにあります)。なおブルックス・ブラザーズ・オンラインショップでは、商品到着後8日以内なら未着用の場合に限り返品・交換が可能です。
Lands' End(ランズエンド)
アメリカのカジュアルウェア通販の雄ランズエンド(Lands' End)は、このブログの常連です。
アウターの種類も多く、真っ当なデザインのM65型ジャケットもつくっていました。
Canada Goose(カナダグース)のKamloops(カムループス)
本格派ダウンウェアブランドのカナダグース(Canada Goose)は、1957年創業のカナダのアウトドアウェアブランド。無骨なデザインのようでいて、キレイめな着こなしにもうまく対応してくれます。
Kamloops(カムループス)やBancroft(バンクロフト)など、M65型のジャケットは多く取りそろえています。近年日本人向けにシルエットが調整された新モデルが登場しました。
Barbour(バブアー、バーブァー)のCowen Command Jacket(コーウェン・コマンド・ジャケット)
ワックスコットンジャケットでおなじみのバブアー(バーブァー、Barbour)は、1894年創業のイギリスのアウトドアウェアブランド。
Cowen Command Jacket(コーウェン・コマンド・ジャケット)は、M65型ジャケット。こういうのもつくっているのです。
ハンティングジャケット、サファリジャケット(ブッシュジャケット)、
ハンティングジャケットやフィールドジャケットは、M65ジャケットの親戚といってよいでしょう。というか、M65ジャケットがフィールドジャケットの一種です。
サファリジャケット(ブッシュジャケット)も同じフィールドジャケットですから、やはりM65ジャケットの仲間といってよいでしょうね。
他の記事も……
「タグ / アウター: M-65」をご覧になると、当ブログのM-65型ジャケットに関する全記事を網羅できます。また、「カテゴリ / ブルゾン、コート」をご覧になると、当ブログのアウターについての記事を網羅できます。
なお当ブログについては、当ブログの目次も参考にしてください。
人気Blogランキングなるものに参加することにしました。ご協力よろしくお願いいたします……。
←この記事が面白かった方は、ランキングのバナーをクリック!関連記事
- ハンティングベスト、ワークベストを集めてみました
- フィールドコート、ハンティングジャケットを集めてみました
- マウンテンパーカー、アウトドアジャケットを集めてみました
- A-1型フライトジャケット、バルスター型ブルゾンを集めてみました
- M-51ミリタリーパーカー、モッズコートを集めてみました
- MA-1型フライトジャケットを集めてみました
追記
- (2006年11月1日)商品を追加、入れ替え。
- (2006年12月21日)商品を追加。
- (2007年3月8日)商品を追加、入れ替え。
- (2007年3月30日)商品を追加、入れ替え。
- (2007年4月19日)商品を追加。
- (2007年10月10日)2007年度秋冬最初の更新。
- (2007年12月1日)商品を追加、入れ替え。
- (2008年3月26日)2007年春夏最初の更新。
- (2008年12月5日)2008年度秋冬最初の更新。
- (2009年4月3日)2009年春夏最初の更新。
- (2009年9月30日)2009年度秋冬最初の更新。
- (2010年3月3日)2010年春夏最初の更新。
- (2010年10月29日)2010年度秋冬最初の更新。
- (2011年4月9日)2011年春夏最初の更新。
- (2011年10月26日)2011年度秋冬最初の更新。
- (2012年4月4日)2012年春夏最初の更新。
- (2012年12月17日)2012年度秋冬最初の更新。
- (2013年3月18日)2013年春夏最初の更新。
- (2014年1月4日)2013年度秋冬最初の更新。
- (2014年3月26日)2014年春夏最初の更新。
- (2014年12月13日)2014年度秋冬最初の更新。
- (2015年3月25日)2015年春夏最初の更新。
- (2015年10月17日)2015年度秋冬最初の更新。
- (2016年3月26日)2016年春夏最初の更新。
- (2016年10月28日)2016年度秋冬最初の更新。
- (2018年11月9日)2018年度秋冬最初の更新。
- (2019年3月22日)2019年春夏最初の更新。
この記事へのコメント
yamatoshi-1
ナイロンやイタリーメイドの洒落たのもいんですが、昔ダスティンホフマンが着ていたような感じのコットンのものが欲しいんですよね。
blackwatch
『クレイマー、クレイマー』におけるダスティン・ホフマンのM65ジャケットの着こなしについては、今月号のMen's EXにちょっと載っていましたね。
映像を観た感じ、まあたぶん普通の軍モノだと思われます。AlphaやレプリカのM65ジャケットが大きいようであれば、モダナイズしたものを選ぶか、思い切って身幅等をお直ししてみる手もあるかも。
cyunen
日本ではスーツの上のコートは考えてもいませんでした。でも「踊る大捜査線」はたしか、、外国人男性はスーツと上手く合わせますね、、外国中年男性がとても勉強になりました。
blackwatch
『俺たちの旅』にも登場していたのですね。『踊る大捜査線』のほうに登場するのは、たぶんM-51パーカーのほうです。
http://blackwatch.seesaa.net/article/27771257.html
M-65にしてもM-51にしても(良くも悪くも)着こなし方のルールはないはずなので、自由に着こなしてよいと思いますよ。