今日は、おなじみユナイテッドアローズ(United Arrows、UA)の栗野宏文さんによるこの記事。
ご存知のように、近年、男性の服のサイズ、そしてフィッティングはどんどん細くなり、タイトになり、特に上着は過去より1サイズくらい小ぶりになりました。また、着方やサイズ選びも、小さめ、タイトフィット方向にエスカレートしてきました。
このへんの状況についてもう説明は要りませんね。皆さんもいまは細めの服を愛用されている人が多いかと思います。
しかし、業務上、ファッション史を見返し、エレメントをリファレンスする中、また80年代というものを再解釈する機会が増えるに連れ、僕のサイズ感が再び変化し始めています。
要するに、80年代(1980年代)的な余裕のあるサイズ感の服がしっくり来るようになってきているそう。
80年代は私にとっては10代を過ごした時期であり、それなりに当時の状況を覚えているつもりです。いまとは逆に服はなんでも大きめが格好良いとされていた時代でして、「1サイズ上を買うのがコツ」なんてことが言われていたりしました。そういう時代が再び来るのでしょうか?
まあ、今回はあそこまで極端なルーズフィット全盛時代にはならないとは思いますが、いまのタイトフィット全盛時代が未来永劫続くわけがないのも事実。遅かれ早かれある程度のゆり戻しは必ずあるでしょうね。
大人気によって、従来の僕のサイズを買い逃していたscye別注のシャンブレー・シャツはワンサイズ大きいものにトライしてみたところ、これまた全く問題なくOK。
栗野さんが2つのサイズのボタンダウンシャツを試着なさっているのですが、写真で見る限り大きいサイズのほうがお似合いのように見えます。一般的にピチピチのサイズ感は、ある程度の年齢以上の人には難しくなるもの。特にピチピチのパンツはつらい。
さて、ちょっと関連する記事として、こんなものがありました。
やはり80年代の象徴である広い肩幅、いわゆるビッグショルダーも注目されつつあるようです。ただ、このラルフ・ローレンのジャケットは私には「普通」に見えるなぁ。「往年」のビッグショルダーはもっとビッグでした。
いまはほとんど肩パッドが入っていないようなジャケットが人気ですが、実は頭が大きめの人には似合いにくい欠点もあります。まあ「ビッグ」とまで行かなくても、ある程度パッドや芯の入ったジャケットのほうが体型補整効果が大きいのは確かでしょう。
80年代ブームといわれて久しいですけど、ルーズフィットやビッグショルダーといった「大物」がまだ控えているということです(あとは2プリーツパンツとか)。
いずれにせよ、これらの変化が来年あたりすぐ顕著に目に付くようになるとは思いません。一般層に広がるのはまだまだ先でしょう。ただ、「心の準備」はしておいたほうがよいのでは。ファッションの世界も諸行無常なのです……。
それでは。
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この記事へのコメント
クイックパンチLEE
ユスラウメ
このサイトに3年前くらいに触れ、ROMっていろんな服(貧乏であまり手が伸びてませんが)を試していくうちに、自分に合ったサイズ、というのはわかってきたつもりですが、
自分が表現したい、というサイズに未だ巡り会いません。
ここ最近の雑誌や日本人のスーツの画像、自分を含めてあまりに頭でかく
それに対して、肩幅が小さく寸胴に感じます…。
タイトフィットの昨今、身体のラインが逆三角形のダビデ像のような体型なら
美しい姿になるのでしょうが、そうでないと
ちょっと私には子供っぽく見えるんですよね…。
この記事のように、ルーズフィット、とまではいかないまでも
せめて皺が窮屈に見えず、美しい胸元と肩の厚みがある服が
世に回ってくれることを願って。
(でもやっぱりトラウザーズの幅は今くらいのフィッティングが美しいかな、と)
blackwatch
なんだかんだ言ってある程度は流行を意識したほうが着こなしはやりやすいのですけど、コンサバスタイルはやりすぎてはダメなのですよね。流行を意識した服を着ること自体は悪いこととは思わないのですが、「中庸」がどのくらいのものかを知識として知っておくべきだと思います。
ユスラウメさん、こんにちは。
流行のシルエットと自分の体型が合わない場合にどうするか、これは永遠の課題(?)なんですよ。結局は適当なところで折り合いを付けるしかないのですけど、自分の体型の欠点を強調するような服はいくら流行していてもできるだけ避けるべきでしょうね。
ちなみにルーズフィットやビッグショルダーが流行すると、私のようなやせっぽちにはちょっと厳しい時代になってしまいます(やせていることが強調されてしまう)。
ぶたゴリラ
いつも楽しく拝見させていただいています。
私も昨今のタイトフィットブームに疑問をもっています。そこで、コメントさせていただきます。セレクトショップ等で試着をするのですが、着れません。私は身長182cm体重85kgまぁ若干メタボです。シャツからジャケット、コートに至るまでXLサイズでも小さい場合が多くて、着れません!袖が通っても、腕が上がりません。
ようやく着れたコート。鏡に映るピチピチフィットの自分。はち切れそうなボタン。そしてそれをすすめる店員。これほんとにカッコいいっていえるのか?と最近よく思います。
そして登板機会の訪れる昔(といっても7~10年ぐらい前)の服。似合わないものは処分してしまいましたが、今でも手元に残っているものはやはりよくできたモノであると思っています。
昨今のタイトフィット、昔のルーズフィット。時代の空気を取り入れることも重要だとおもいますが、自分に似合うものを見つける感性を磨くのがファッションの本質ですよね!
blackwatch
タイトフィットの服は、おっしゃるとおり体格が良い人にはタイトになりすぎます。逆に私みたいにやせっぽちの人には、そういう服がちょうど良いジャストフィットになったりします。つまり、万人に合う既製服はないということです。
Brooks Brothersみたいに細身のものもつくりつつ昔ながらのものもつくってくれると良いのでしょうけど、特に「セレクトショップ」あたりだとなかなかそういうわけにもいかないのでしょうね。
しんいちろう
10年以上前に買った肩パット入りのジャケットを最近着たら意外にしっくりきました。
ジーンズも505より501が今の気分です。
流行っていうのは面白いですね。最初に粟野さんのような方が身につけて、そのあと感度の良いお洒落なひとたちが身につけて、最後に地方のサラリーマンが身につけるような量販店も全部それ一色になって、極端化したファッションで町中が一色になって、栗野さんのような方が戻して、終わって行くのがパターンですかね。
blackwatch
どんなに「良い服」「正しい服」でも、全国津々浦々の人々にまで浸透したら陳腐化してしまうんですよね。理不尽と思わなくもないですが、過去の流行の変遷にかんがみると避けられないことなのでしょう。
ちなみに80年代は股上の深いテーパードパンツが人気でしたので、505より501のほうが80年代的とはいえないと思います(でもいまの505はシルエットがちょっと変わっているようですが)。80年代は意外に606のようなスリムジーンズも人気だったんですよ。パンツの流行がテーパードからストレートに移行したのは、90年代ですね。