今日は、おなじみビームス(Beams)の中村達也氏によるこの記事。90年代(1990年代)のロンドンについてです。
今回は、90年代にロンドンのショップディスプレイを撮った写真をお見せしたいと思います。
90年代はブリトラ(ブリティッシュ・トラッド)が流行していまして、当時新入社員だった私もブリトラ的なスーツ姿をしていたように記憶しています。特にスーツ用のシャツはイギリス製、もしくはそれっぽいものを好んで着ていましたね。
当時私が買った最もブリティッシュっぽいアイテムは、たぶん(移転前の)ビームスFで買ったコーデュロイジャケット。角ばった肩、かなり絞り込まれたウエスト、そして裾が広がったX型のシルエットで、着丈は長め。かなり濃厚なブリティッシュなデザインでしたが、残念ながら当時の私にはうまく着こなせませんでした。いまの私にも体型的に難しいかな。
ちなみに、いまのビームスFはイタリア物が中心ですが、当時(90年代初旬から中旬くらい)のビームスFはイギリス物がかなり多かったはずです。
1996年、ロンドンのスローン ストリートにあるHACKETTのディスプレイです。当時、サビルローやジャーミンストリートの老舗ショップばかり見ていた私にとって、英国のクラシックスタイルを継承しつつ、若い感覚の色柄やアイテムを展開していたハケットは非常に新鮮でした。
ハケット(Hackett)は90年代に日本にも進出していまして、私はスーツは買いませんでしたけどチェスターフィールドコートやネクタイ(当時にしては細かった)を買いました。ライセンス商品でした。
そして90年代のロンドンと言えば、NEW TAILORと呼ばれた新世代のテーラーの出現でした。RICHARD JAMES、OZWALD BOATENG、MARK POWELL、TIMOTHY EVERESTといった、新しい世代のテーラー達が、伝統に縛られない新しい感覚のビスポークテーラーを開き、レディーメイドも展開したことで、当時話題でした。
これらのニュー・ビスポークと呼ばれた面々のスーツは、派手でいまいちコンサバっぽくなくて、私はあまり好きではなかったですねぇ。この中ではティモシー・エベレスト(Timothy Everest)が一番無難で好きだったかな。
さて、今季はいちおうブリティッシュがブームと言われています。確かにバブアー(バーブァー、Barbour)やトリッカーズ(Tricker's)などのブランド、それにツイードなどの生地、つまりブリティッシュカントリー寄りのアイテムは人気が高いと思います。
でももうちょっと都会的なスーツやブレザーなどのアイテムは、まだまだだなと。生地や柄はそれっぽいのですけど、全体のデザインはイタリアもしくはアメリカ風なんですよ。シャツもワイドスプレッドカラーのものはたいてい裏前立て(前立てなし)のイタリア風ですし。
ただ、来年くらいから徐々に「ちゃんとした」ブリティッシュなアイテムが増えてくるような気がしています。当ブログでも紹介できるといいなぁ。
そうそう、中村達也氏は学研のムック『Gakken Mook Fashion Text Series』、別名『メンズファッションの教科書シリーズ』の監修もなさっていますよ。
それでは。
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