
雑誌mono(モノ)マガジンの別冊でmono(モノ)スペシャル Workwear(ワークウェア)No.7というムックが発売されていましたので、今日はそのご紹介。相変わらず分厚く重い本です……。
今号の第1特集は、パンツ。文章の長さには定評のある(?)服飾評論家の出石尚三氏のパンツの歴史についての文章は、やはり今回もすこぶる長いのです。パンツやトラウザーズといった言葉の考察から始まる今回の特集は、たぶん普段の私たちの着こなしにはほとんど役に立ちません(汗)。でも、ウンチクってヤツはたいていそういうもので、役に立つとか立たないとか考えちゃダメですよね。

今回の特集では、ファッションデザイナーの菊池武夫氏にパンツについてインタビューした記事が掲載されています。内容を乱暴にまとめると、次のような感じ。
- パンツはシルエットが一番大事。
- パンツは流行のサイクルが早い。
- 白パンツはトラッド臭さを薄めてくれるので良い。
- スリムパンツやバギーパンツは体型に恵まれている人向き。万人向きではない。
- いまオススメのパンツは、ドレスであれカジュアルであれ、腰周りに余裕があって裾幅が狭いテーパードシルエットのもの。いわゆるペグトップ。
ペグトップのパンツについては当ブログでもしばしば言及してきましたが、どうやらこれからちょっとした流行になりそうです。極端なものはまだ少ないようですが、若い人向けのブランドではすでにちらほら登場しています。今後はコンサバ層にも広まりそう。
実は、ペグトップパンツはチビデブ(汗)体型や短足体型の人にも似合う数少ないパンツなのです。ストレートシルエットのパンツが一番無難なのでしょうが、足が短い人にとってはメリハリが付きにくい(バギーパンツはなおさら)。一方スリムパンツは物理的にデブには難しい。
対してペグトップパンツは、どの体型でもそこそこサマになるんです(強いて言えばやせている人には難しいか)。体型的に日本人(の特にオジサン)に似合いやすいパンツといえます。

ちなみに、80年代(1980年代)のコム・デ・ギャルソンやワイズなどのDCブランドのパンツは、多くがこのペグトップ系のシルエットだったはずです。さすが日本ブランド。ペグトップパンツは80年代を代表するアイテムのひとつでしょう。
ただ、特に極端なシルエットのペグトップパンツは、クラシックなアイテムとは言いがたいのが弱点(近いのはニッカボッカーズぐらいかな)。無難にしたければ極端なシルエットにはしないほうがよいでしょう。あるいは、極端なペグトップパンツを「ジャパニーズ・クラシック」として確立してもよいのかも。
ペグトップパンツが復活すると、プリーツ入りのパンツの復活も近いのではないでしょうか。腰周りに余裕を持たせると、プリーツを入れたくなってくるはず。
ところで、菊池武夫氏は近年は自身の名前のブランドであるタケオキクチ(Takeo Kikuchi)を離れていましたが、このたび復帰することが発表されました。1939年生まれで私の親よりも年上なのに、お元気ですねぇ。
前回のWorkwearのムックは、こちら。
それでは。
人気Blogランキングなるものに参加することにしました。ご協力よろしくお願いいたします……。

この記事へのコメント