
今日は、ニットベスト(ヴェスト)を取り上げます。秋冬は、ウォーム・ビズ(Warm Biz)対策としても注目を集めています。《最終更新日: 2020年4月19日》
ニットベスト(ヴェスト)とは
文字どおり、ニット(セーター)のベストがニットベストです。素材は大きく、コットン(綿)のものとウールのものに分けられます。
コットンのものは、基本的に通年着られます。ただし、薄手ものは秋冬はしんどいかな。対してウールのものは、基本的には秋冬用です。薄手のものなら春もOK。質感や暖かさでは、コットンのものよりもウールのものが勝るでしょう。もちろん、肌触りの良さと高級感が魅力のカシミア(カシミヤ)もお忘れなく。
デザインは、頭からかぶるプルオーバーのスリップオーバー型と、前開きのウエストコート(ジレ)型があります。襟型は、Vネックとクルーネックが代表格。ショールカラー(ヘチマ襟)もあります。
着こなし

着こなしとしては、(布帛の)ドレスシャツを中に着るのが基本ですが、タートルネックカットソーやTシャツを合わせる手もあります。
役割がカーディガンとちょっと被りますが、ベストは袖がないぶんテーラードジャケットの中に着るには適しています。ジャストサイズのジャケットの場合、袖があるセーターだと腕や肩が窮屈になるときがありますよね。
また、夏にシャツやポロシャツ、Tシャツだけでは着こなしが寂しいとき、ニットベストを活用する手もあります。まあ、ちょっと暑くはなるのですけど。
チルデンベスト(クリケットヴェスト)

最もプレッピーなセーターといえば、チルデンセーター(クリケットセーター、テニスセーター)に止めを刺します(?)。
そのチルデンセーターのベスト版が、チルデンベスト(クリケットヴェスト)。上品に着こなしてください。ちょいワル風はやめてね(汗)。
カウチンセーター

目が詰んでいて風を通しにくいカウチンセーターは、カナダの先住民カウチン族の伝統工芸ともいえる厚手のローゲージセーター。
袖のないいわゆるカウチンベストもありまして、アメカジファンなら見逃せません。
Brooks Brothers(ブルックス・ブラザーズ)

ブルックス・ブラザーズ(Brooks Brothers)を別記事で大きく取り上げていますが、アメトラ(アメリカン・トラッド)の雄のブルックス・ブラザーズにはコンサバなセーターが大充実しています。
ブルックス・ブラザーズには、春夏には高級コットンの一種であるスーピマコットン(スーピマ綿)、秋冬には薄手でドレッシーなメリノウール、中庸な厚さのラムズウール(ラムウール)、カシミアに匹敵する極細の高級ウールでやはり薄手のサクソンウール(Saxxon)、そしてニット素材の最高峰であるカシミア、などの素材を使ったニットベストがあります。
スリップオーバー型もウエストコート型もあります。完全にウエストコート(ジレ)型のニットべストにも注目してください。お洒落っぽい一着。















存在感のあるベストとしては、細かなジャカード模様、ネップが特徴のドネガル系ウール、そして背中にチェック柄をあしらったものなどが挙げられます。
あとですね、ボーイズのセーターも大きなサイズのものなら大人でも十分着られます。特にベストなら袖の長さを気にする必要がありませんので、サイズを「攻め」られます(?)。ひそかにオススメしておきます。LやXLサイズが無難ですが、細身で小柄の人ならMサイズでも着られるでしょう。
そうそう、セール(クリアランス、Clearance)になっている商品があるかもしれませんので、そちらも見てみてください(別ページにあります)。なおブルックス・ブラザーズ・オンラインショップでは、商品到着後8日以内なら未着用の場合に限り返品・交換が可能です。
J. Press(J・プレス)

J・プレス(J. Press)は、1902年創業のアメリカはコネチカット州のアメトラブランド。ブルックス・ブラザーズは良くも悪くも国際的なブランドといえますが、J・プレスはアメトラどっぷり(?)という印象があります。
ウエストコート型のベストには力を入れているようで、コットン、ウール、そして肌触りの良いコットンカシミアなどの素材がそろっています。特徴は、ボタン数が多くてクラシックな雰囲気があるところでしょうか。重ね着しやすいよう厚みのない仕上がり。












千鳥格子(ハウンドトゥース)柄のウエストコートは、着こなしを渋くまとめてくれるでしょう。
Soglia(ソリア)
ソリア(Soglia)は、大阪のエースナイン(Ace Nine)社のニットブランド。比較的お手頃価格のブランドといえます。
クルーネックのニットベストをトラッドブランドは意外につくってくれません。厚みのあるミドルゲージはさらに少ない。というわけで、こちらのニットベストは狙い目でしょう。アーガイル柄もよい雰囲気です。日本製。






John Smedley(ジョン・スメドレー、ジョンスメ)

現在最も人気のあるニットブランドのひとつといっていいジョン・スメドレー(ジョンスメ、John Smedley)は、1784年創業のイギリスの超老舗ニットブランド。
メリノウールのセーターは秋冬に、シーアイランドコットン(海島綿)のセーターは春夏にどうぞ。ビジネスにもカジュアルにも……。
Drumohr(ドルモア)

世界最古(!)のニットブランドであるドルモア(Drumohr)は、1770年創業のスコットランドとイタリアのニットブランド。
キレイめのセーターをお探しなら、ここもぜひ候補に入れてください。サイズ感も日本人向けになっています。
Jamieson's(ジャミーソンズ、ジェミーソンズ)のフェアアイルセーター

シェットランド(シェトランド)ウールのセーターが得意なジャミーソンズ(ジェミーソンズ、ジャミーソン、ジェミーソン、Jamieson's of Shetland、Jamiesons)は、1893年創業のイギリスはスコットランドのニットブランド。
ジャミーソンズは、なんといっても鮮やかなフェアアイル柄のセーターに定評があります。フェアアイルセーターを代表するブランドです。
Letroyes(Le Troyes、ルトロワ)

丸編みのシームレス(縫い目のない)なつくりのカットソーを得意としているルトロワ(Letroyes、Le Troyes)は、2008年に誕生したフランスはシャンパーニュ地方製のニットブランド。
ニットベストも各種つくっています。おなじみの身体にフィットする美しいシルエット。ウール製のほか、コットンのニットベストもありますよ。
Lands' End(ランズエンド)

アメリカのカジュアルウェア通販の雄であるランズエンド(Lands' End)は、当然のことながらセーターも得意としています。
ニットベストは、スーピマコットン素材のものやカシミア素材のもの、それにシェットランドウール素材のものなどがありますよ。
アウターのベスト、オッドベスト(ウエストコート)


ベストといえばニット以外にも、ハンティング(ベスト)やワークベストのようなベスト、それにドレッシーなオッドベストのようなウエストコートもあります。
これはこれで、なかなか使い勝手の良いヤツです。近年は安定した人気があります。
他の記事も……


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追記
- (2005年10月12日)商品を大幅に追加。
- (2005年12月3日)商品を追加、入れ替え。
- (2006年3月5日)商品を追加、入れ替え。
- (2006年5月4日)商品を追加、入れ替え。
- (2006年11月13日)2006年度秋冬最初の更新。
- (2007年3月27日)2007年春夏最初の更新。
- (2007年10月29日)2007年度秋冬最初の更新。
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- (2019年5月6日)2019年春夏最初の更新。
- (2019年11月14日)2019年度秋冬最初の更新。
- (2020年4月19日)2020年春夏最初の更新。
この記事へのコメント
近藤 宣幸
去年同僚が、丸首タイプで前の部分だけ約3センチくらいのスリットが入った少し厚めのニットベストを着ていて、暖かそうだしかっこよかったので、自分も欲しいと思いいろいろな店を探しましたが全く見つかりません。ネットでもふつうのV字のものはあるのですが、私が求めているのはそれではないのです。
同僚のニットベストは、ブランド名まで判りませんが、見た感じで高価そうなしっかりと編み込んであるニットベストでした。多少値段が高くても、一着欲しいと思っています。そういうニットベストを取り扱っていたら教えてください
blackwatch
そういうニットベストは確かにたまに見るような気がするのですが、定番的につくっているところは思いつかないですねぇ。
試みに「キーネック ニットベスト」で検索してみると、薄手っぽいですがいちおうそれっぽいものが少しはありました。「キーネック」以外のうまいキーワードがあればよいのですが。
http://bit.ly/suYUAd
改めてみるとネクタイとの相性も良さそうですので、もっとつくられてもよさそうに思いました。ボタンの付いたヘンリーネックのほうが多くつくられていそうな気がします。