今日は、アランセーター(アランニット)、フィッシャーマンセーター(フィッシャーマンズセーター)を取り上げます。《最終更新日: 2018年12月13日》
アランセーターとは
まずフィッシャーマンセーターとは、その名のとおり漁師(Fisherman)さんの着ていたセーターのこと。有名なものとしては、ガーンジーセーター(ガンジーセーター)があります。
そしてアランセーターは、フィッシャーマンセーターの中でも特にアイルランドのアラン諸島でつくられるものとされていますが、実はアランセーターは近代以降に開発された服のようで、漁師さん用の伝統的な服というわけではなさそうです。
独特の縄状のケーブル編み(アラン編み)が施され、厚手なのが特徴。素材はやはりウールが基本です。ケーブル編みは家紋を表していて万が一遭難したとき遺体の着ていたセーターの柄から身元が分かるという話を聞いたことがありますが、これもどうやらガセっぽいですね。
デザインとしてはクルーネックが基本で、カーディガンもよくつくられています。タートルネック(タートル)もあります。
- Vol.04 FISHERMAN SWEATER|ICON OF TRAD|NEWYORKER|ニューヨーカーマガジン
- A Gentleman's Wisdom | A story of Aran sweater アランセーターの伝説
アランセーターは、大きく分類して手編みと機械編みのものがあります。手編みのものは編みに立体感があって迫力がありますが、そのぶん高価に。機械編みのものはまず廉価で、比較的薄手のため重ね着はしやすいでしょう。
着こなし
こちらは、スティーブ・マックイーンのアランセーター姿です。
そうそう、アランセーターとタータンチェック柄のシャツは相性が良いですよ。
Inverallan(インバーアラン、インヴァーアラン、インバーラン)
インバーアラン(インヴァーアラン、インバーラン、Inverallan)は、イギリスはスコットランドのニットブランド。アイルランドのブランドではありませんが、国内で最も入手しやすく品質も安定している手編みのアランセーターブランドはここでしょう。高価ですが、この立体感のある手編みの迫力は廉価なものでは期待できません。
襟付きカーディガンの3A、クルーネックカーディガンの4A、ショールカラー(ヘチマ襟)の6A、プルオーバーの1A(1H)、等々があります。マフラーの12Aや、ニットキャップの12Fも。
インバーアランのニットは基本的にはユニセックスですので(全部左前)、身体が小さい人なら女性用とされているものでも着られるのでは?
Athena Designs(アテナ・デザイン)
アテナ・デザイン(Athena Designs)は、19世紀に創業したアイルランドの老舗ニットブランド。アイルランドですからアランセーターの本場に近いといえます。
こちらは、クルーネックのアランセーター。手編みのアイルランド製で雰囲気も良いこのセーターがこの値段なのは、なかなか狙い目なのではないでしょうか。身幅は比較的細めでしょう。
Kerry Woollen Mills(ケリー・ウーレン・ミルズ)
ケリー・ウーレン・ミルズ(Kerry Woollen Mills)は、1904年創業のアイルランドのニットブランド。近年は日本での取り扱いも増えてきました。
こちらは、アランセーター各種。機械編みでそれほど立体感はありませんが、そのぶん重ね着はしやすく、またお手頃価格になります。イギリス製なのですね。
Hand Room(ハンド・ルーム)
ハンド・ルーム(Hand Room)は、2016年に誕生した日本のカジュアルウェアブランド。当ブログでも以前取り上げていた往年の名ブランドであるタブロイド・ニュース(Tabloid News)の元デザイナーが立ち上げたブランドなのです。
Fisherman Sweater(フィッシャーマン・セーター)は、アラン編みのクルーネックセーター。ホールガーメント編機でつくられた無縫製のセーターです。裾や手首にかけてだんだんと柄が薄くなっているのが特徴。素材はウールで、日本製です。
Brooks Brothers(ブルックス・ブラザーズ)
ブルックス・ブラザーズ(Brooks Brothers)を別記事で大きく取り上げていますが、アメトラ(アメリカン・トラッド)の雄のブルックス・ブラザーズにはコンサバなセーターが大充実しています。
こちらは、滑らかな感触のアルパカウール製のアラン編みクルーネックとタートルネック。アルパカの名産地であるペルー製です。クルーネックは杢調の糸にも注目してください。
一方こちらは、ウール100%のアラン編みモックネックとショールカラーカーディガン。特にショールカラーは遊び心のある色遣いに注目してください。
「スーピマコットン ケーブル クルーネックセーター」は、アラン編み風に碇(アンカー)柄を加えたセーター。マリン気分をさらに盛り上げてくれます。高級コットンであるスーピマコットン(スーピマ綿)製で厚みがあり、季節の変わり目に重宝するでしょう。ロールネックは育ちの良さを感じさせてくれる襟。
「スーピマコットン ケーブル ショールカラーセーター」は、同傾向のショールカラー(ヘチマ襟)仕様です。
そうそう、セール(クリアランス、Clearance)になっている商品があるかもしれませんので、そちらも見てみてください(別ページにあります)。なおブルックス・ブラザーズ・オンラインショップでは、商品到着後8日以内なら未着用の場合に限り返品・交換が可能です。
Lands' End(ランズエンド)
アメリカのカジュアルウェア通販の雄であるランズエンド(Lands' End)は、当然のことながらセーターも得意としています。
「楽替」システムで、自宅に居ながら無料でサイズ・色交換などができます。アラン編みのセーターもあります。
他の記事も……
ハンドニットといえば、カウチンセーターの記事も併せてどうぞ。よりアメカジ寄りの着こなし向きのセーターです。
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追記
- (2008年1月1日)2007年度秋冬最初の更新。
- (2008年12月11日)2008年度秋冬最初の更新。
- (2009年12月4日)2009年度秋冬最初の更新。
- (2010年12月19日)2010年度秋冬最初の更新。
- (2012年1月3日)2011年度秋冬最初の更新。
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- (2017年12月23日)2017年度秋冬最初の更新。
- (2018年12月13日)2018年度秋冬最初の更新。
この記事へのコメント
murayasu428
(ネイビーとグリーン)900円で購入しました。宝物がまた増えました。品番はHSPW-64002でした、HSはブランド名(VANはVA KENTならKT)Pはアイテム名でセーター(スーツはA ブレザーはB)Wは素材名でウール(綿ならC)数字の最初はまたアイテムで6はセーター(スーツは1 ブレザーは3)そのつぎの4は年度1974年
あとは企画順に001から連番。こんな感じがVANの品番の表記内容です。
blackwatch
900円ですか。リサイクルショップを有効活用されていますね。
大学生
ちょうどこの記事で紹介されてるような、アランニットのカーディガンを買ったのですが
この上にもう一つコートを羽織るならどのようなものが良いでしょうか?
カーディガンでなく、クルーネックのセーターならピーコートなんかが似合いそうですが
カーディガンだといまいちイメージがわきません…
blackwatch
カーディガンの襟型によりますね。以下は、アウターの身幅に十分な余裕があることが前提です。
シャツのような襟付き、もしくはショールカラーならば、ステンカラーコートあたりが一番合いそうかなと。ダッフルコート、マウンテンパーカーなども合いそうです。ピーコートは難しいですね。
クルーネックカーディガンならば、比較的どのようなアウターにも合わせやすいでしょう。
Vネックカーディガンもアウターを選ばないかもしれませんが、ピーコート(などのダブルブレスト仕様のコート)の前ボタンを留めると隠れてしまうことが多いので、そういう場合はちょっとつまらないかも。前ボタンを留めなければいいですけど。