今日は、ブリーフケース、ビジネスバッグ(仕事鞄、カバン、かばん)を取り上げます。《最終更新日: 2016年2月11日》
マジメ男の仕事鞄(ブリーフケース、ビジネスバッグ)
スーツやジャケットスタイルの仕事鞄としては、やはりブリーフケースのような鞄が最適でしょう。書類などが折り曲がらないという機能面はもちろん、「仕事ができそうな人に見える」という見た目の効用もビジネスの場では無視できません。
ひと昔前まではブリーフケースといえばレザー(皮革)製と決まっていましたが、近年ではナイロン製やコットンキャンバス製のものも多く見られるようになりました。私自身、ナイロンのものを使うことが多いです。
どういう鞄を選ぶかですが、例えば新入社員が重厚なダレスバッグのようなものを持つと鞄負け(?)しそうですし、逆に会社の重役が安っぽい鞄を持つのもどうかと。自分の「格」に合ったものを選ぶべきと考えます。
私の好み
私は、ジャケット+パンツ(ジャケパン)に合わせる鞄については少々カジュアルでも構わないと思っていますが、ビジネススーツに合わせる鞄についてはちょっと保守的(?)に考えています。
ビジネススーツに合わせるなら、素材はレザーなら当然問題なし、他では意外にナイロンが良いと思います。コットンキャンバスは、雰囲気次第ですがちょっとカジュアル感が強いと感じることがありますね(黒ならまあよいかな)。あと、デザインはおとなしめが良いかと。
このへんは、人によって考え方はさまざまでしょう。
Grosvenor(グローブナー)
グローブナー(Grosvenor)というブランドについてはよく分からないのですが、堅牢なブライドルレザーを使用したクラシックな意匠の皮革製品を得意としているようです。イギリス製。
こちらは、もともとは楽譜を持ち歩くために使われたというブライドルレザー製の鞄。真鍮(ブラス)の棒を使って開閉するちょっと変わった仕組みです。これがですね、ブリーフケースにしては堅苦しくない雰囲気で、ジャケパン(ジャケット+パンツ)やクール・ビズあたりにも合わせやすいと思うのですよ。意外に、今の時代に使いやすい鞄だと思います。
Felisi(フェリージ)の8637/2/DS
フェリージ(Felisi)は、1973年創業のイタリアはフェラーラの鞄ブランド。1992年よりつくっているナイロンとナチュラルレザーを組み合わせた鞄は高く評価されています。
8637/2/DSは、フェリージの代表作のブリーフケース。フェリージらしい基本的なブリーフケースで、フェリージ入門ということならまずはこれでしょう。
1845/DSも同傾向のブリーフケースですが、デザインはもちろんポケットの仕様もけっこう異なっています。
1731/DSは、大型のアウトポケットが2つ付いているのが特徴。タブレット端末や雑誌などをサッと取り出せます。
1729/DS+DSは薄マチのブリーフケースで、ジッパーを開くとマチが広くなります。
12/39/DSは中央に仕切りを入れたブリーフケース、味のあるシュリンクレザーを使用したカジュアル寄りの12/39/NKもあります。1993/DSは完全に2室に分かれた出張等に便利そうなブリーフケースです。
1724/DSと1725/DSは着脱可能なショルダーストラップ付きで、1725/DSのほうが少し薄マチです。
Galleriant(ガレリアント)
ガレリアント(Galleriant)は、2011年に誕生した日本の鞄ブランド。どうやらコペルト(Coperto)という鞄ブランドのデザイナーが独立してできたブランドのようです。
Distintoコレクションは、表面をコーティング加工したスプリットレザーという牛革を使用しています。雨に強いのがウリ。表面の細かなシボも格好良いですね。
GAF-3560と、より大き目のGAF-3561があります。
Cinturaコレクションは、シボがあってキズが付きにくいゴートスキン(山羊革)を全面に使い、ハンドル部分などにはイタリア産の丈夫なレザーを使用しています。極力金具を廃したつくりにしているとのこと。コットンの裏地もきれいですね。
GAI-3151はA4大の一般的なブリーフケース、GAI-3152はB4大の少し大きめのブリーフケース。GAI-3152には荷物の上げ下ろしなどの利便のために、側面にもハンドルが付いています。
Boldrini Selleria(ボルドリーニ・セレリア)
ボルドリーニ・セレリア(Boldrini Selleria)は、1955年創業のイタリアはトスカーナの皮革製品ブランド。コンサバな商品を得意としているようです。
ベジタブルタンニンなめしの皮革の質も良さそうで、味が出ることも期待できます。老舗ブランドのイタリア製レザーブリーフケースにしてはお値段もまあまあかと。こちらのビデオで、工場の様子などを見られます。
こちらは、まさにクラシックな面持ちのブリーフケース。渋い金具と色展開にも注目してください。
一方こちらは、堅すぎない雰囲気のブリーフケース。スーツはもちろん、ジャケパン(ジャケット+パンツ)やクール・ビズのような恰好にも対応してくれるでしょう。裏地にも注目してください。
Brooks Brothers(ブルックス・ブラザーズ)とJ.W. Hulme(J・W・ホルム)のコラボ
ブルックス・ブラザーズ(Brooks Brothers)を別記事で大きく取り上げていますが、アメトラ(アメリカン・トラッド)の雄のブルックス・ブラザーズは鞄もつくっています。
J・W・ホルム(J・W・ハルム、J.W. Hulme Company、J.W. Hulme Co.)は、1905年創業のアメリカはミネソタ州の鞄ブランド。現在はOrvis(オービス、オーヴィス)という会社の一ブランドになっているようです。ブルックス・ブラザーズが、そのJ・W・ホルムとコラボしました。
こちらは、着脱可能なショルダーストラップの付いたブリーフケース各種。J・W・ホルムらしくいかにも味の出そうな皮革を使っています。真鍮(ブラス)の金具もトラッドで良いですね。さりげなくブルックス・ブラザーズの証であるゴールデン・フリースが刻印されています。アメリカ製。
2室に分かれたブリーフケースは出張などにどうぞ。フラップ付きのブリーフケースはよりカジュアルで、ショルダーバッグのような雰囲気といえます。
Simpson London(シンプソン・ロンドン)
シンプソン・ロンドン(Simpson London)は、1997年に誕生したイギリスの皮革製品ブランド。老舗名門ブランドのタナー・クロール(Tanner Krolle)の職人を引き連れて創業されたとのこと。
イギリスの名門J&Eセドウィック(J&E Sedgwick)社のブライドルレザーの商品が主力で、素材も文句ありません。イギリス製。
F030Cは、クラシックなデザインのブリーフケース。比較的カジュアルなつくりなので、堅苦しすぎないところが良いところ。持ち手を平らにするとクラッチバック風にもなります。
F030Lも似たような鞄ですが、実はより薄マチで仰々しくない仕上がり。持ち手を平らにすればさらにクラッチバッグ風に使えます。これならスーツだけでなく少しカジュアル寄りの格好にも合わせられそうです。
D48Cは、極めて簡潔な意匠のブリーフケース。スーツはもちろん、ジャケパン(ジャケット+パンツ)やクール・ビズといった服にも合わせやすい、今の時代に使いやすいブリーフケースといえます。ジッパーなどの金具の雰囲気も良いですね。
D58Sは、ハンドルを収納するとクラッチバッグになる薄マチのブリーフケース。これは昔からあるデザインですが(私もこういうのを昔使っていました)、今の時代はこういう仰々しくない鞄が使いやすいでしょう。
堅苦しいブリーフケースは今は使いにくいけど、軟派な鞄も使いたくないという人には、これらの鞄はかなりオススメできます。
Mystery Ranch(ミステリー・ランチ)
ミステリー・ランチ(Mystery Ranch)は、2000年に誕生したアメリカの鞄ブランド。アメリカ軍の特殊部隊に採用されるなど、機能重視の鞄が好評です。
3 Way Briefcase(3ウェイ・ブリーフケース)は、ショルダーバッグにもバックパックにも対応するブリーフケース。パッド入りでPCの携帯にも対応します。生地は丈夫なコーデュラナイロン。黒を選べばスーツにも合いますよ。
3 Way Expandable(3ウェイ・エクスパンダブル)は、ジッパーでマチを広げられる3ウェイブリーフケース。やはりパッド入りで、出張に対応する心強い鞄といえるでしょう。
Tumi(トゥミ)
バリスティックナイロンを使ったビジネスバッグの先駆者といえるトゥミ(Tumi)は、1975年創業のアメリカはニュージャージー州の鞄ブランド。いまでは当たり前のようにスーツにナイロン鞄を合わせていますが、もしトゥミがなかったら状況が違っていたかもしれませんね。現代の「基本」のブリーフケースブランドのひとつといえます。
Filson(フィルソン)
もともとはゴールドラッシュ時に集まった労働者のための服をつくっていたというフィルソン(Filson)は、1897年創業のアメリカのアウトドアウェアブランド。鞄にもすこぶる定評がありまして、ブリーフケースはこのブランドらしくラギッドな仕上がり。
Glenroyal(グレンロイヤル)、Whitehouse Cox(ホワイトハウス・コックス)
ブライドルレザーを適度に現代的にアレンジして商品化してくれるグレンロイヤル(Glenroyal)は、1979年創業のイギリスの皮革製品ブランド。ブリーフケースの品ぞろえは充実していまして、シンプルなもの、薄マチのダレス、ナイロンのもの、いずれも完成度は高いです。
Begin(ビギン)などの雑誌でもおなじみホワイトハウス・コックス(Whitehouse Cox)は、1860年創業のイギリスの皮革製品ブランド。鞄も注目でして、薄マチのブリーフケースはクセのない使いやすい仕上がり。
Daniel & Bob(ダニエル&ボブ)、Orobianco(オロビアンコ)
現在最も人気の高い鞄ブランドのひとつであろうダニエル&ボブ(ダニエル・アンド・ボブ、Daniel & Bob、Daniel and Bob)は、1976年創業のイタリアはフェラーラの皮革製品ブランド。高級感のあるイタリア風のブリーフケースが欲しい人は、まずはこのブランドを狙いましょう。
比較的お手頃価格のイタリア鞄ながら部品を全部自社製作しているというオロビアンコ(Orobianco)は、1996年創業のイタリアの鞄ブランド。私も、トートやらショルダーやらいろいろ愛用しております。ここのビジネスバッグも非常に豊富で、定番的なデザインのものをいくつも取りそろえています。
Briefing(ブリーフィング)、Arts & Crafts(アーツ&クラフツ)
ミルスペック(米国軍用規格)に準拠した素材や部品で製作される硬派中の硬派の鞄ブランドといえば、日本企画でアメリカ製の鞄ブランドであるブリーフィング(Briefing)。ハードに仕事をしまくる忙しいビジネスマンの人は、これしかない? スーツとの相性も良いです。
都会的で現代的な、ブリーフィング・ブラックライン(Briefing Blackline、Briefing Black Line)のブリーフケースもありますよ。
イギリス人ウィリアム・モリスが19世紀に提唱したアーツ・アンド・クラフツ運動からブランド名を採ったアーツ&クラフツ(Arts & Crafts)は、2006年に創業した日本のエバーグリーン・ワークス(Evergreen Works)社の1ブランド。手づくり感のある鞄を得意としていて、ブリーフケースも素朴な仕上がりです。
他の記事も……
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追記
- (2005年10月9日)商品を大幅に入れ替え。
- (2006年1月19日)商品を大幅に入れ替え。
- (2006年2月26日)商品を追加、入れ替え。
- (2006年7月26日)商品を追加、入れ替え。
- (2007年3月20日)全体的に大幅に商品を入れ替え。
- (2008年7月26日)商品を追加、入れ替え。
- (2009年6月28日)商品を追加、入れ替え。
- (2010年2月28日)2010年春夏最初の更新。
- (2010年8月26日)商品を追加、入れ替え。
- (2011年9月17日)2011年度秋冬最初の更新。
- (2012年9月15日)2012年春夏最初の更新。
- (2014年7月19日)2014年春夏最初の更新。
- (2015年7月23日)2015年春夏最初の更新。
- (2016年2月11日)2015年度秋冬最初の更新。
この記事へのコメント
ヤマ
いつも楽しく拝見しております。
私事ですが、今年から就職活動が始まります。
そこで使える鞄を探しています。
この先も何年も使えるような本革でトラッドな鞄が本来はいいのですが、実際にはハタチそこそこの若造がそんな鞄を持っていても格好いいとは到底思えません。
就職活動オンリー(プラス1,2年ほど)使えるような鞄はどういったものがよろしいのでしょうか。
ご意見をお伺いしたいと思います。
blackwatch
実は同じハンドルネームでコメントする方が他にもいらっしゃいまして、もし可能であればハンドルネームを替えていただくとありがたいです。私の都合による勝手なお願いですので、こだわりがおありであれば無理にとは申しません……。
さて、実は似たようなことがこちら財布の記事のコメント欄でも話題になっていまして、まずはそちらをご覧になってください。特にNowhereManさんとのやり取りです。
http://blackwatch.seesaa.net/article/3121731.html
ヤマさんに特に「これだ」という希望がおありでないのであれば、無印良品とかユニクロとかの安いブリーフケースでぜんぜん構わないと思います。そんなブランドだと相手に失礼だ、みたいな話はありません。実際、私も新人の頃は無印良品のブリーフケースを使っていましたし。
特にヤマさんはこれから就職活動ということで、まだ入社する会社も決まっていないのですよね? もしかするとスーツを着ない会社に入社するかもしれませんよ。真剣にブリーフケースを選ぶのであれば、入社後に会社の雰囲気を理解してからでも遅くないと思います。
コーサク
今年もひとつ宜しくお願いします。
さて質問なのですが、上のFelisi(フェリージ)8637/2/DSが気になっています。
一番人気と言われる"ネイビー&ベージュ"のコンビカラーもいいのですが
個人的には主張が強い気がするので控えめなブラックかダークブラウンで迷っているのですが、
その場合は靴の色と合わせたほうが無難でしょうか?(というのも、なんとなく『ブリーフケースは黒が基本』のようなイメージがあるもので・・・)ちなみに靴はダークブラウン系の靴を履く事が
多いです。
blackwatch
とりあえず、こちらの記事をごらんください。コメント欄も含め。
http://blackwatch.seesaa.net/article/109771432.html
結局は、どれだけこだわるかです。初心者の方なら、あまり鞄の色合わせまでは神経質にならなくてよいような気もします。
はっせ
学生の頃からキレイめのファッションが好きということもあり、しばしば拝見させていただいておりました。
今後もよろしくお願いします。
社会人になり金銭的にも多少余裕ができてきたということで、本格的にジャケパンやコンサバなアイテムを揃えていこうかと思っております。そこで質問なのですが、ジャケパンにはどのような鞄が合うと思いますか?私はレザーのトートバッグや、クラッチバッグなどが合わせやすいのかな?と感じています。
blackwatch
実は当ブログではしばしば言及していることなのですが、カジュアルスタイルに合わせる鞄は意外に難しくて、絶対安心の定番という鞄はあまり思いつきません。流行に合わせて適当にやりくりするしかないと考えています。
その中でも皮革製のトートバッグは、ジャケパンに合わせる鞄としては比較的無難なものでしょう(といってもデザインはいろいろありますが)。そしてクラッチバッグは今ならとても合わせやすいでしょうし、アウトドアっぽくないリュックサックも近年注目されています。