今日は、ダナー(Danner)の革靴(靴、シューズ)、マウンテンブーツ、トレッキングブーツ、ハイキングブーツ、クライミングブーツを取り上げます。《最終更新日: 2014年9月24日》
Danner(ダナー)
ダナーは、1932年創業のアメリカはオレゴン州ポートランドのアウトドアシューズ、ワークシューズのブランド。
ダナーが最初に作った靴は森林伐採用の靴だそうですが、その後以下のように画期的な靴を生み出してきました。
- 1952年、アメリカで初めてビブラム(ヴィブラム、Vibram)ソールを用いて、クライミングシューズを製作
- 1980年、世界初のゴアテックス(Gore-Tex)使用ブーツであるダナーライト(Danner Light)を発表
ダナーの靴の製法・仕様
ダナーの靴の多くは、ダナー式ステッチダウン製法でつくられています。ダナーの専門店などに持っていけば靴底(ソール)の交換が可能で、末永く愛用できます。
また、靴底の種類もいろいろありますが、一番多く使われているのがビブラム社のクレッターリフトソール(Kletterlift outsole)です。
アメリカのAmazon.comなら、width(足囲、ウィズ、ワイズ)を選べます。Danner Light IIあたりならB、D、2Eといったところ。
Danner Light(ダナーライト)
ダナーライトは、ダナーの代表作と言えるでしょう。フルグレイン防水レザーと1000デニールのコーデュラナイロンをアッパーに、優れた透湿防水性を誇るゴアテックスをライナーに使用した、機能的なブーツです。
日本では、新作のダナーライトIII(Danner Light 3)が出ました。ダナーライトIIで狭くなったナイロン部分が元に戻り、その代わり爪先が補強されたのが主な変更点。まあ雰囲気はあまり変わってないです。
- ダナーのダナーライト|PRODUCT|PICK UP|NEWYORKER|ニューヨーカーマガジン
- DANNER (ダナー) - この履き心地の快適さを体感すれば、病み付きになること間違いありません! - BOQ
- 梅雨に備えてダナー・ライトのお手入れ&雑談 (2010.06.24) - NORTHERN ISLAND
Mountain Light(マウンテンライト)
マウンテンライト(Mountain Light)も、ダナーライトと並ぶダナーの代表作。甲革がすべてレザーで、丸く可愛らしい雰囲気なのが特徴。ライナーには、もちろんゴアテックスを使用しています。
復刻ワークシューズ、ワークブーツ、Danner Classics(ダナー・クラシックス)
戦前のダナー創業当時の、ワークシューズ、ワークブーツが復刻されました。名付けて、ダナー・クラシックス(Danner Classics)。アメカジファン、ミリタリーファンなら垂涎の仕上がりになっております。
それぞれ、マナワ(Manawa)はプレーントウ、アンティゴ(Antigo)はチャッカブーツ、オカント(Ocont)は編み上げブーツ(レースアップブーツ)、ウエスト・サム(West Thumb)はサイドゴアブーツです。
クラシックなラウンドトウと、靴底の薄いビブラムソール(タイガムソール)がいいですねぇ。
Postman Shoes(ポストマンシューズ)
ダナーの靴の中でも特にアメトラ(アメリカン・トラッド)派が注目したいのが、ポストマンシューズ(Postman Shoes)。名前の通り、郵便配達員が履いていた靴が由来とのこと。デザインは、いわゆるプレーントウ(プレーントゥ)ですね。
ポストマンブーツ(Postman Boots)は、チャッカブーツ(チャッカーブーツ)版です。
ダンキャットソールという、アメリカの医療機関などで使用されている滑りにくい靴底を使用しています。堅牢なグッドイヤーウェルト製法。ブラックは、ビジネススーツに合わせてもよさそうな端正な雰囲気。一方のレッドブラウンは、打って変わって完全にカジュアルな雰囲気です。
モカシン靴
川で履くキャンプモカシン(キャンプモック)も、ダナーの得意な靴です。
ウォーキングシューズ(Walking Shoes)は、定番的につくられているモカシンシューズ。ハイキングモカシンと呼んでもいいのかな。さすがに雰囲気ありますね。マッケイ系の製法でつくられています。
ダンキャット・モカシン(Dancat Moccasin)の靴底は、名前のとおり「ダンキャットソール」です。上のポストマンと同じ。また、この手のモカシン靴には珍しいグッドイヤーウェルト製法でつくられていることにも注目してください。
私のダナーです
これが私のダナーです。オークションで落としたものなのでモデル名は分からないのですが、ダナーライトII系なのは確か。
シボの入った革が最大の特徴です。現行では(日本にもアメリカにも)同じモデルはなさそうですが、この革いいですよ。この革が気に入って、中古なのをガマンして落としました。
サイズにも特徴がありまして、日本のダナーはほとんどが足囲(ウィズ、ワイズ、width)が “2E” なんですが、これは “B” です。日本でも足幅の種類をそろえてほしいなぁ。
履き心地ですが、足を包み込む感じはスニーカーに近いですね。とにかく、これで豪雨でも豪雪でも安心(?)。
その他
その他のダナーの靴は、こちら。
また、ダナーはナチュラム(Naturum)さんのところにも充実しています。ちょっと商品を探しづらいですけど(汗)、画面左上などにある商品検索欄にて「ダナー」「マウンテンライト」などで検索してみてください。
他の記事も……
マウンテンブーツを集めた記事がありますので、まずはそちらをご覧ください。その他、各種ブーツやプレーントウ、キャンプモカシン等を集めた記事もあります。
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追記
- (2005年6月13日)商品を大幅追加。記述もかなり追加。
- (2005年7月17日)商品の写真等の変更。
- (2005年8月11日)商品を追加。
- (2005年9月8日)商品を追加、入れ替え。
- (2005年11月10日)主にアウトドア系のブーツを追加。
- (2005年11月19日)リンク先をちょっと修正。
- (2006年1月7日)商品と「私のダナー」を追加。
- (2006年3月14日)商品を追加、入れ替え。
- (2006年7月1日)商品を追加、入れ替え。
- (2007年1月21日)商品を追加、入れ替え。
- (2007年6月21日)商品を追加、入れ替え。
- (2007年11月3日)商品を追加、入れ替え。
- (2008年10月29日)商品を追加、入れ替え。
- (2009年9月11日)商品を追加、入れ替え。
- (2014年9月24日)2014年度秋冬最初の更新。
この記事へのコメント
サガ
貴殿のダナーですが今ダナーオンリーショップで半額でセールされている
アケーディアじゃない8インチでグロースというモデルとレザー似ていますね。
アケーディアが好きでポチっとしかけましたがソールがダナーオリジナルの
ツボ押し?(のような)不気味なソールでしたので修理もできなさそうだっただけに
購入は止めましたがダナー(日本国内流通モデル)でスタンプレザーは
本当に無いですよね。海外だと見ますが・・・
最近のダナーは米軍のイラク派兵で海外流通モデル制限したり
アケーディア系統を減らしたり限定も今風?のカジュアル寄り重視に
なったり見ないうちにチョコチョコ変わってきていますね。
まあアメリカ製を意地で維持しているので粗悪な造りにはならないのは
嬉しいですが。
blackwatch
見てみましたけど、グロースとはだいぶ違うなぁ(笑)。ナイロン部分が、もっと黒っぽいですし。私のは、基本的にはダナーライトIIなんだと思います。
それにしても、アメリカと日本のダナーは随分展開モデルが違いますよね。日本のもののほうが圧倒的にお洒落っぽいですが、実用的なのはアメリカのものが多いです。
サガ
今はヌバック増えましたが型押しは今時?珍しくないんですよね。
本当に展開モデルが違いますよね。日本側が古い資料を探して本国に復刻を要求しているせいでしょうかね?
blackwatch
あ、レザー部分のみのことなんですね。
写真を見る限り、私の持っているダナーのほうがシボが深いように見えます。色も濃いです。ただ、グロースの写真写りが悪い(?)だけかもしれません。
型押しレザーは傷や汚れが目立ちにくいので、私は好きです。財布も型押し使っていますし。
日本のダナーは、日本でしか手に入らないのかな? ふと思いましたが、ヨーロッパでダナーは売っているのでしょうか?(人気あるのかな?)
サガ
ダナー自体は大体何処の国でもナイキみたいに売っている所は見たり聞いたりしますよ。
ファッションに使われているというのはあんまり聞きませんが。
ただやはり日本のラインナップのみが世界から孤立している状態に思えます。
特に海外でダナーライトは見ないような気が・・・
ダナーライト2が既にあるので少なからずとも2よりも劣るダナーライトの
必要性が無いのと効率化でしょうか。殆どのモデルがナイロンサイド部に
レザーを増やした日本で言うダナーライト2タイプかアケーディアタイプ
が殆どに思えます。あとそれ以外は確かに実用的本位と言うか見るからに
耐久度バツグンそうなパターンしてますよね。
ダナーで長々とお付き合いくださって有難うございました(^^;)
blackwatch
軟派な日本と硬派なアメリカ。どっちの製品群が魅力かというと、私にとっては日本ですねぇ(汗)。バリバリの本格志向の人にとっては、当然アメリカなのでしょうけど。
アイビーボーイ
ダナー、フェザーライトの購入を考えているのですが、ダナーライトなどと比べてコーディネートの幅が限られるように思うのですがいかがですか?
アメトラ的な提案も含めアドバイス頂けると嬉しいです。
blackwatch
フェザーライトとダナーライトは、着こなしという意味では特に大きな違いはないのでは。どちらもレザーとナイロンのコンビ仕様ですし、同系統の色遣いのものならほぼ取り替え可能だと考えます。そんなに雰囲気が違うでしょうか?
この手のマウンテンブーツは(50年代から60年代にかけての)伝統的なアメトラアイテムとはいえないと思いますので、70年代のヘヴィーデューティーや80年代のプレッピーの感覚を取り入れて着こなす必要があるでしょう。
アイビーボーイ
やはり年代別で使い分けるのがイージーですよね。
参考になりました!
フェザーライト購入のうえ、上手く遊んでみたいと思います。
これからも楽しい記事期待しています。
blackwatch
アメトラとひと言にいってもかなり着こなしの幅が広いので、なかなか着こなしのアドバイスも難しかったりします。人によってはアメリカ西海岸っぽい格好もアメトラと呼んだりしますし。
それはともかく、着こなしを頑張ってみてください。
nayotake
先日ダナーライトの7Hを試し履きしたのですが、
大きい足のほうだけがやや窮屈に感じられ、
小指の上あたりが赤くなりそうで少し気になりました。
サイズ選びに関して、ドレスブーツとアウトドアブーツは同じサイズを
選んでも間違いはないのでしょうか?
また、英国(ヨーロッパ)靴とアメリカ靴に関しても同じサイズ選びでも良いのでしょうか?
blackwatch
同じアメリカ靴でもブランドによって合うサイズは変わりますし、同じブランドでも木型(ラスト)によって合うサイズは変わりますし、さらに同じ木型でもwidth(足囲)によって合うサイズは変わります。
また、これはとても重要なことなのですが、イギリス靴とアメリカ靴ではサイズの考え方が異なります。だいたい0.5くらいずれています。widthの考え方も異なります。
http://allabout.co.jp/gm/gc/196776/
http://blackwatch.seesaa.net/article/4451329.html
ちなみに、Crockett & Jonesにも木型がいろいろありますし、widthも複数用意されています。日本で扱っているDannerはたいていwidthが緩めです。
というわけでして、仮にCrockett & JonesとDannerで合う靴のサイズが同じだったとしても、それは単なる「偶然」だと思います。靴のサイズはベテランでも悩むものでして、そう単純なものではないのです。
とはいえある程度の予想はできまして、イギリス靴でサイズが7.5ならアメリカ靴は8の可能性が高いのでしょう。ただ、日本のDannerはwidthが緩いので、7.5でもそこそこ足が入ったのではないかと想像します。Danner Lightは履き馴らしてもあまり伸びないような気がしますので、痛いサイズはやめたほうがよいと考えます。