そろそろブリティッシュにも注目したいと思っても、ビシッとネクタイをしたスーツ姿か、郊外向きのブリティッシュカントリーか、もしくはストリート寄りで若者向きのモッズか、そういうものしか思いつかなかったりします。普通に都会的なカジュアルスタイルはどうしよう……。
そこで思い出したのが、1966年の映画『欲望(Blowup)』。監督のミケランジェロ・アントニオーニはイタリア人ですが、舞台はロンドンで登場人物もイギリス人の映画です。この映画に注目した記事がありました。
- Dissecting Blowup - Winter Whites and Forest Corduroy | Wax Wane (Wayback Machine)
- David Hemmings in Blowup » BAMF Style
- YouTube - Blowup (1966)
なんと言っても、主人公を演じているデヴィッド・ヘミングスの着こなしが格好良いのです。職業がファッション写真家の役なので当時の基準ではコンサバな着こなしとは言い切れないでしょうが、いま見るとかなりコンサバだと思います。こんな着こなし。
a pair of Beatle boots, stark white denim, a button down shirt with the collars undone, and a forest green jacket
- フォレストグリーンのテーラードジャケット
3つボタン中1つ掛け、サイドベンツ、チェンジポケット付きという仕様。肩がしっかりしたブリティッシュらしい意匠です。生地はコーデュロイなのかな。
- 襟のボタンを外したボタンダウンシャツ
ネクタイをしないブリティッシュスタイルだとシャツで悩むのですが、ここではちょっと変化球勝負(?)。背中がサイドプリーツで、よく見えないのですが前立てはないように見えます(裏前立て)。アメリカっぽくはないボタンダウンです。ブルー系の細かなチェック柄。
- ホワイトジーンズ
当時はおそらくホワイトジーンズが登場して間もない頃だったと思います。スリムな彼によく似合っていますね。今回の着こなしのキモでしょう。
- 黒いビートルブーツ
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ビートルブーツ(Beatle boot)とはその名のとおりビートルズ(The Beatles)が履いていたようなブーツのことでして、個人的にはサイドゴアブーツを一番に思い出します。60年代らしい靴です。
この映画では靴が大写しになる場面があまりないのですけど、丈が短めのセンターエラスティックブーツのように見えるなぁ。
- ベルト、腕時計
ベルトはかなり幅広で、バックルは縦長の四角。こういうベルトも60年代っぽいのですが、もう少し細いほうがコンサバに見えるでしょうね。腕時計はレクタングルのゴールドケースで革ベルト、こちらはかなりクラシックです。
- 髪型
いかにも「ビートルズ以降」という感じでちょっと長め。60年代のロンドンの若者の雰囲気を出したかったら、やはり髪型はちょっと長めのほうが気分でしょう。
こういうアメリカでもイタリアでもない着こなしは、いまはけっこう新鮮に見えるのでは。先入観なしでこの着こなしを見ると、意外にブリティッシュというよりむしろフレンチっぽさを感じる着こなしともいえそう。パンツとかシャツとか靴とか。当時はイギリスでもピエール・カルダン(Pierre Cardin)などのフランス人デザイナーの人気が高かったと思います。
どこかの仕立て屋さんあたりで、『欲望』型のコーデュロイジャケットのパターンオーダーを始めると面白いかもしれません。ただ、私がマネするとしたら少なくともベルトは別のものにするでしょう……。
仮に今回の着こなしの上にコートを合わせるとしたら、デヴィッド・ヘミングスなら何を選んだだろうか、なんてことも夢想してしまいます。意外に難問。
この映画は、60年代(1960年代)のいわゆるスウィンギング・ロンドン時代のファッションや文化がよく分かる映画のひとつともいえます。私が若い頃はオシャレ映画として有名でした。いまの若い人に受けるかどうかはよく分かりませんが、一回くらい観てみても損はしない映画だと思いますよ。
オマケ
この映画は、クラシックロックファンにも有名なのです。なぜなら、イギリスの往年の名ロックバンドであるヤードバーズ(The Yardbirds)が登場するから。ジェフ・ベック(Jeff Beck)がステージ上でギター破壊を敢行しています。
さらに、このあとレッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)を結成するジミー・ペイジ(Jimmy Page)もリズムギタリストとして登場。ちなみにこの2人はいわゆる3大ギタリストのうちの2人でして、もうひとりがエリック・クラプトン(Eric Clapton)。3人ともヤードバーズに在籍しました。
それでは。
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