突然ですが、今日は私のファッション遍歴を書いてみます。いままでこういうことをあまり書いたことがありませんでしたよね。ちなみに私はいわゆる団塊ジュニアで、現在いわゆるアラフォーです。
80年代(1980年代)後半
私は西日本の地方の田舎の出身で(郊外でも地方都市でもない、ただし山村でも離島でもない)、地元にいる頃は服を買うのに苦労しました。現在のようなネット通販もない時代ですし。
80年代後半は私が高校生の頃でして、ファッションを初めて本格的に意識したのもこの頃です。この頃はDCブランドのブームがまだ続いていまして、私もそういう服を好んでいたように記憶しています。といってもおカネもないですし、あまり服は買いませんでしたけど。当時よく読んでいた雑誌は、いまは亡きチェックメイト(Checkmate)。
ちなみに大学の入学式に着たスーツは、いわゆるバブルスーツ(汗)でした。
90年代(1990年代)前半
大阪の大学に通い始めました。初めて都会らしい都会に出てきましたよ。

1990年前後は渋カジが大流行していまして、私も強く影響を受けました。ケント(Kent)のダブルブレストの紺ブレにビューグル・ボーイUSA(Bugle Boy USA)というブランドのマドラスチェック柄のボタンダウンシャツ、古着のリーバイス(Levi's)501という格好をよくしていました。
ただ、当時の私にアメトラ(アメリカン・トラッド)をやっていたという意識はなく、単に流行だったからこういう格好をしていたのでしょう。紺ブレのブランドがケントなのも、たまたま目に付いた店がケントだっただけ。
その後はフレンチ・カジュアルが人気になりまして、私はアニエス・ベー(agnes b.)などのモノトーンの服を好んできていました。ホワイトジーンズに黒いサイドゴアブーツという格好が多かったかな。
次は、ロメオ・ジリ(Romeo Gigli)のシブハデ(?)な色遣いにも影響を受けまして、マリンブルーのフレンチカバーオールにワイン色のタートルネック、マスタード色のシャツみたいな格好もやっていました。
さらに当時メンズを発表したばかりドルチェ&ガッバーナ(Dolce & Gabbana)にも影響を受けまして、ダークブラウンのアンコンジャケットにタートルネックセーター、編み上げブーツという格好が当時のお気に入り。都会的に着こなすダークブラウンが当時流行っていたのですよ。

ちなみに90年代前半によく着ていたアウターはPコート(ピーコート)。よく読んでいた雑誌はポパイ(Popeye)でした。
90年代(1990年代後半)
就職してついに首都圏に引っ越し。社会人になってからメンズクラブ(Men's Club)を読み始めました。
社会人になるとスーツが必要になりますが、最初は当時人気の3つボタン上2つ掛けのスーツをよく着ていましたね。ブリティッシュもしくはフレンチ風の着こなしで、靴は茶系でシャツはブルー系を好んでいました。スーツはほとんど「セレクトショップ」のもの。
この頃、ころころ変わる流行に合わせてスーツを買い換えるのが馬鹿馬鹿しくなってきまして、そこで注目したのがいわゆるI型のスーツ。ただ、ブルックス・ブラザーズ(Brooks Brothers)などは当時の私には保守的すぎるように思えて、エヴィス・ジーンズ(Evisu Jeans)系のブランドであるアレン&ハンソン(Allen & Hanson)のスーツを入手しました。アメトラを初めて意識したのはこの頃です。
ただ、あまりこの傾向は長続きせず、90年代末には当時盛り上がっていたクラシコ・イタリアっぽいスーツをよく着ていました。

カジュアルについては、中途半端な年齢を迎えたということもあり、何を着るべきかけっこう悩んでいましたね。いま思うと、当時は私があまり得意でないラテン系やモード系の服が席巻し始めていまして、それの影響もあったのかも。当時アウターでよく着ていたのが、ダッフルコート。
この頃は本格靴にも興味を持ち始めましたが、私の細い足に対応してくれる靴はなかなかありません。まずはwidthの豊富なJ・M・ウエストン(J.M. Weston)の靴を何足か集めました。でも残念ながら私の足にはしっくり来ず、アレン・エドモンズ(Allen Edmonds)に移行しました。アレンを履くようになったきっかけはアメトラ云々は関係なく、単に私の足に合うという理由からなのです。
00年代(2000年代)前半
2001年頃だったでしょうか、運命の出会い(?)がありました。私が東京日本橋の丸善2階にて本を立ち読みしているときに、「彼」はいたのです。

その彼は、ネイビーブレザーにボタンダウンシャツ、チノパンツ、ビーフロールペニーローファー、ウエリントン型のセルフレーム眼鏡という出で立ち。そう、アメトラスタイルだったのです、それもとても完成度の高い。
彼を見て、「ああ、これからはアメトラだな」とピンと来ました。それから一生懸命アメトラを勉強し、I型のスーツやジャケットを入手したりして、このブログを開設するに至る、という感じです。
もっとも、丸善の彼は実際には2つボタンブレザーで、パンツはプリーツ入りだったような気もします。いずれにせよ彼が相当な「実力者」だったことは間違いないところ。いったい何者だったのでしょうか……。
さいごに
なんだかんだ言って、私も流行を意識して着る服をころころ変えてきたことがお分かりいただけたと思います。私はひとつのスタイルをずっと貫き通す種類の人間ではないのでしょう。とはいっても、年齢を考えると今後はそれほど大きく変えないとは思いますけど。
いろいろ考え方はあるでしょうが、ある程度は流行に流されていろいろな服を着たほうが、着こなしの「引き出し」は増えるとは思いますよ。
それでは。
人気Blogランキングなるものに参加することにしました。ご協力よろしくお願いいたします……。

この記事へのコメント
マッキィ
羨ましく思います。
ちなみに私もアラフォーですが中学時代から鬱状態になり墜落の一途を辿っております。
団塊ジュニア世代の受験戦争に敗北し精神に異常をきたした為結局都心進出への夢は絶たれました。
未だ鬱と戦いながらこのブログを楽しく拝見させて頂いてます。
これからも色々と参考にさせて頂きます。
KONA
blackwatchさんがどんな方なのか、いつもこっそりと想像しながら記事に目を通しておりました・・・(笑
控えめな文章ながら、それとなく強い主張が込められている日々の更新を楽しみにしております。
これだけのものを継続していくのはホント、大変なことと思いますがどうぞこれからもよろしくお願いします、期待しています。
ちなみに、この場を借りてお聞きしてみたいのですがメガネについての記事の予定などはあるのでしょうか・・・?
blackwatch
上の記事を読むと私の人生は順風満帆にみえますが、実際はいろいろあったりします。ここ数年は特に健康問題で悩んでおります……。もっとも、ファッションブログで私生活の暗い事柄を書いても詮無いので、そういうことは書きませんけど。
KONAさん、こんにちは。
私はド近眼でやはり眼鏡にはお世話になっているのですが、ド近眼すぎて度を緩くしても「普通でない」眼鏡になってしまうため、お洒落をするときはもっぱらコンタクトレンズを愛用しております。なので、眼鏡については詳しくないのですよ。
書くとしたら「いまならボストン型やウエリントン型、もしくは丸眼鏡がいいよね、以上」くらいの記事しか書けそうにありません……。面白いネタを思いついたら何か書くかもしれませんが、残念ながら当面は予定がないですねぇ。
takki
私は地方から上京してきた大学生です。上京以前から服に興味があったものの、いまいち自分にあったスタイルを見つける事ができず、キレイ目、ストリート系をいったりきたり・・・。そんなモヤモヤしていた2年ほど前に、このブログに出会いました。その時の事は今でも覚えています。当時、LLBeanの「ビーンブーツ」が気になっていた私は、インターネットで検索していました。すると、検索上位にでてきたのが、LLBeanの公式サイトとこちらのブログだったのです。何気なくクリックしてみると、その情報量に驚かされました。ビーンブーツに限らず、様々なブランドの成り立ちや、アイテムの由来などが事細かに記されており、私は当初の「ビーンブーツ」という目的を忘れるほど記事を読み漁りました。この事がきっかけとなり、私はすっかりトラディッショナルなスタイルの魅力に引き込まれてしまい、今に至ります。このブログに出会えて本当によかったです。この場を借りて、お礼申し上げます。これからも陰ながら応援させていただきます!
blackwatch
なるほど、L.L.Beanがきっかけだったのですね。このブログはけっこうSEO(検索エンジン最適化)されているようで、検索結果からこのブログを知る人も少なくないようです。
それはともかく、takkiさんはまだお若い(うらやましい)。これからいろいろな知識を得ていろいろな服を着て、小さくまとまらずに着こなし上手になってください。
yamatoshi-1
私のファッション遍歴は中学2年生の時に担任の女の先生がよく着ていたラルフローレンのポロシャツがとても素敵に見えてそれから服に興味を抱くようになりました。大学生の頃には、バイトで貯めた小遣いでポールスミスやAPCなどを渋谷のマルイで買ったのを懐かしく思い出します。
私もいろいろな着こなしをして来ました。モード系やクラシコイタリアなどはあまり似合わないということに気づき、トラッド系のファッションに落ち着くようになりました。
ベーシックなスーツ、紺ブレ、ツイードジャケット、ボタンダウン、ポロシャツ、ジーンズ、チノーズ、グレーのウールパンツなどいつでも着られるものに少しだけ今の流行を取り入れるスタイルが三十路半ばになった自分にとっては心地よいです。
着こなしで重要だなと思うのは、「人からどう見られているか」は結構重要な要素だと思います。自分
よがりになってしまいがちなので、色遣い等は女性の意見がかなり参考になりまね。自分で思い描いているコーディネートがあったとしても、あえて女性の店員さんに違う色を聞いてみて似合うか、似合わないかを聞いたりします。そこで駄目出しをしてくれる店員さんは信用のおける人ですね。(因みに新宿伊勢丹メンズ館の店員さん)
ブラックウォッチさんの博識ぶりには頭が下がります。今後もお体を御自愛のうえ頑張ってください。
blackwatch
往年のアイビー世代の人には「若い頃からアイビー一筋」という人がけっこういるようですが、それ以降の世代だとそういう「××一筋」みたいな人は少ないでしょうね。流行に合わせていろいろな服を着て、いまに至っている人が多いことでしょう。
若い頃にいろいろな服を着て、しかるべき年齢になるまでに自分に合うスタイルを見つけたいものです。
mipon
昔はブログでお話しているのとは全く違う方向性だったのですね。
私も20代前半はモード系などに憧れましたが、20代中盤になってこちらのブログを読むようになってからはアメリカンドラッドに方向性が変化していきました。
そして20代後半になった今は夏はアメリカントラッド、冬はブリティッシュトラッドとアメリカントラッドが混在しているようなファッションになりました。
これから先についてはわかりませんが、現在のスタイルが性に合っていると思っていますし、今後もこのまま行くのではないかな?と思っています。
何よりON/OFF兼用できるのでコストパフォーマンスが優れているのも魅力かと思います。
blackwatch
私は学生時代はいろいろな服を着ましたけど、社会人になってからは一貫してコンサバ路線なのは変わっていないと思います。学生時代も比較的コンサバ寄りだったといえます。
今後については、流行に合わせて微調整していくのかなと。
haruta
私は服に興味のある大学生です。
いつも楽しく拝見させていただいております。
これからの更新もがんばってください。
私は、トラディショナルな着こなしにあこがれています。
ボタンダウンををチノパンにタックインなんてとてもかっこよく思えるのですが、私がやるとどうも野暮ったくなってしまいます…
かといってガチガチのトラディショナルでは服に着られているように見えてしまいます。
私のような比較的若い人が上手にトラッドを取り入れれていくにはどうしたらよいでしょうか。
突然の質問で恐縮ですがお教え下さい。
blackwatch
月並みな意見ですが、まずはサイズ感が大事です。特に若い人なら、その時代の流行に合ったシルエットを心がけるべきでしょう。特にパンツは重要。
またやはり特に若い人なら、着こなしに遊び心を入れないと退屈になってしまうかも。例えば、ベルトや靴に多色遣いのものを使うとか。渋い格好はオジサンになったときにいくらでもやれますしね。もっとも、遊び心の入れ方にはセンスを問われますが。
ちなみに、シャツ一枚で格好良く着こなすのは、ベテランでもけっこう難しいものなのです。クール・ビズが難しいことにも通じます。
kyomom
いつも知識に富んだ内容で楽しく読ませていただいてます。
こんなによくご存知だから洋服関係のお仕事をされているのかな~どんな方かな~と思っておりましたが、
やはりすばらしいファッション遍歴をお持ちの方だったのですね。ずいぶん謎が解けました。(笑)
アラフォーということで同年代です。
わたしはブルックスブラザーズが大好きで、A-styleというブルックスブラザーズ通販専門店をやってます。
本当にブルックスブラザーズは品質がちゃんと伴っている正統派のブランドだと思います。
blackwatchさんもブルックスブラザーズに好意的なご意見をお持ちのようで、嬉しくなってしまいます。
実はわたしもアメブロで『kyomomのブルックスな日々』というブログを書かせていただいております。
http://ameblo.jp/kyomom/ です。
わたしのは、blackwatchさんと違って、筋金入りのキャリアもなくゆる~い感じなのですが、お役に立つ情報を発信していきたいなと思っています。こちらのブログはいつも大変参考にさせていただいておりますよ。
よろしかったら、おヒマな時にでも、のぞいてみてください。
日本は今とても暑いみたいですね。お体にご自愛してください。
これからもブログ楽しみにしています。
blackwatch
今後ともよろしくお願いいたします。