今日は、ジョセフ・チーニー(Joseph Cheaney and Sons)の革靴(靴、シューズ)、ブーツを取り上げます。《最終更新日: 2017年5月30日》
Joseph Cheaney and Sons(ジョセフ・チーニー)
チーニーは、1886年創業のイギリスの靴ブランド。靴で有名なノーザンプトンに今でも残る名門ブランドのひとつです。別記事で紹介しているチャーチ(Church's)と長らく同じグループに属していまして、チャーチの弟的ブランドでした。
グッドイヤーウェルト製法を使用した名門本格靴ブランドのわりには値段はソコソコで、近年は「セレクトショップ」でも本当にたくさん見かけるようになりました。別注商品も多いのです。
- 純英国製を貫きトレンドにも対応「ジョセフ チーニー」の靴 - 男のブランド館 - 朝日新聞デジタル&M
- 日本で愛される英国靴、チーニー 前編 - [メンズファッション]All About
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チーニーの靴が工場でどのようにつくられているかは、こちらのレポートが充実していますよ。「接着剤で適当に貼り付けて終わり」みたいなその辺の靴とは、根本からしてぜんぜん違います。
- 旅日記 part.111 in Cheaney Factory ~ 目次編 ~|W-コラム -旅日記 「グレートブリテン島便り」 -
- 朝日新聞デジタル:英国の男たちが選ぶ靴、グッドイヤーウェルト製法のファクトリーを訪ねる - 男の服飾モノ語り 山本晃弘
- Cheaney & Sons Shoes - YouTube
- Cheaney Shoes - YouTube
で、そのチーニーが2009年にチャーチから独立したそうです。なんでも、チャーチの創業家(今はチャーチから離れている)の人が買い取ったのだそうな。ややこしいですね(汗)。今後はチャーチに遠慮することなく高級靴の分野にも進出していくと思われます。期待しましょう。
なお、日本で扱っているチーニーの靴は、基本的に足囲(足幅、ウィズ、ワイズ、width、fitting)は "F" のようです。英国靴の標準幅くらい。
アメリカのAmazon.comでも扱っています。
ストレートチップ、キャップトウ(キャップトゥ)
まずは、ドレスシューズの基本のストレートチップ(キャップトウ、キャップトゥ)からご紹介。冠婚葬祭(フォーマル)にも使える、社会人必携の靴です。
Rushton(ラッシュトン)は、爪先のみに装飾が施されたセミブローグ。木型はチーニーの創業130周年を記念してつくられた “130” で、非常にオーソドックスなラウンドトウが好印象。革底仕様です。
Astwell(アストウェル)は、外羽根式のいわゆるパンチトキャップトウ(パンチドキャップトゥ)。外羽根式のカジュアル感が魅力です。比較的丸みのあるラウンドトウである木型 “1886” を採用している1886コレクションの靴で、革底仕様。
Cairngorm IIR(ケンゴン2R)は、カントリーコレクションの中の一足。キャップトウですが外羽根式で、木型もイギリス軍靴に使われていたというボリュームのある “4436”、そして堅牢なコマンドーソール。まあ要するに、ラギッドな着こなしに合うキャップトウといえます。
甲革をウェルトの上側に縫い付けるヴェルトショーン(Veldtschoen)という雨に強い仕様のグッドイヤーウェルト製法でつくられています。シボのあるグレインレザーも雰囲気を盛り上げます。側面の羽根の切り替えも面白いなと。
- ジョセフ チーニーの老舗なのにイマドキな英国靴 3賢人が語る魅力とは|メンズファッションニュース|GQ JAPAN
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ウイングチップ(フルブローグ)
次は、少しカントリー寄りの雰囲気が魅力のウイングチップ(フルブローグ)。
Yelvertoft(イェルバートフト)は、アメリカ靴に多いいわゆるロングウイング。でもイギリス製だと何か雰囲気が変わるような気がします。型押しのグレインカーフは迫力があります。1886コレクションの一足で木型は1886、ダイナイトソール仕様。
スリッポン、ローファー
Harry(ハリー)は、タッセルローファー。かかとのステッチがブルックス・ブラザーズ(Brooks Brothers)別注のオールデン(Alden)っぽくて面白いなと。アメリカっぽい靴を英国靴でお楽しみください。木型はローファー用の “214” で、革底仕様。
6184コレクション
6184は、1974年に開発された木型。アメリカ市場向けのロイヤル・ツイード(Royal Tweed)というラインに採用されていたそうな。ノーズの長くない自然なセミスクエアトウで、チャーチの名作73っぽい木型だと思いましたよ。あらゆるスタイルのスーツに合いそうな万能な木型なのでは。
キャップトウのGeoffrey(ジェフリー)、セミブローグのFrancis(フランシス)、クォーターブローグのRoger(ロジャー)などがあります。革底仕様。
その他
その他のチーニーの靴やブーツは、こちら。
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追記
- (2007年8月1日)商品を追加。
- (2007年8月24日)商品を追加。
- (2008年7月25日)商品を追加、入れ替え。
- (2009年4月25日)商品を追加、入れ替え。
- (2009年9月25日)商品を追加、入れ替え。
- (2011年2月10日)2010年度秋冬最初の更新。
- (2011年8月10日)2011年春夏最初の更新。
- (2012年1月20日)2011年度秋冬最初の更新。
- (2012年8月1日)2012年春夏最初の更新。
- (2013年2月27日)2012年度秋冬最初の更新。
- (2014年5月23日)2014年春夏最初の更新。
- (2016年12月27日)2016年度秋冬最初の更新。
- (2017年5月30日)2017年春夏最初の更新。
この記事へのコメント
navy
ダイナイトソール、いいですね。今の私の気分にぴったりです。
でも、実は気になっていた靴というのがチーニーのJoseph IIでして、革底なんですよね・・・お薦めハーフラバー試してみようかな。
私的にタイムリーだったので、ついついコメント入れてしまいました
blackwatch
私も若い頃は革底の靴を敬遠していたのですが、そうすると格好良い靴の選択肢がグッと狭まってしまうんですよね。格好悪い靴ならいくらでもあるのですけど。
そんなこんなで、革底の靴を積極的に履くようになりました。実際に履いてみたら、特に大きな問題もないなと。もっとも、ある程度革靴の数がそろってきたこともありますけど。
kassi
cheany、最近いいなあと思って先日、Blisworthを購入したのですが、非常にいいですね。
ダブルソールとストームウエルト仕様なので確かにボリューム出るのですが、パラブーツのウィリアム程カジュアルにならないので、合わせられる幅がスーツ、ジャケパン、カジュアルとかなり幅広いです。
ダブルモンクの新しい傑作になり得ると思いました。
blackwatch
Blisworthは、ParabootのWilliamのイギリス版といえそうな靴ですよね。より端正な雰囲気かなと。
ダブルモンクはドレスっぽい靴が多いのですが、個人的にはBlisworthやWilliamのようなカジュアル寄りのもののほうが好みかも。