今日は、Elasticさんのこの記事。力の入った渾身の記事で、かつアメトラ(アメリカン・トラッド)についてですので、当ブログが取り上げないわけにはいかないでしょう(?)。
そうアメトラですよ、これからは(!)。(実践するかどうかはともかく)アメトラを理解できない人は、今後きっと時代に取り残されますよ、たぶん。
せっかくなんで、今後の流行について私の思うところを書いてみます。もっとも私は専門家ではありませんので、話半分かつ眉唾で読んでくださいね。
さようなら70年代
1990年代後半から2000年代前半にかけての服の流行を回顧すると、70年代風のデザインが底辺に流れていたように思います。
最も70年代を象徴するアイテムと言えばフレアパンツなのでしょうが、近年はオジサンでも「美脚パンツ」と称してフレア気味のパンツを穿いていたみたい。スーツについても、近年人気のスーツはジョン・トラボルタが「土曜の夜にフィーバー」していたころのスーツに似ていますね。
でも、こういうのはそろそろ終わりかな、と。
「じゃあ次は何なのよ?」ですが、80年代が来ると言われています。一方で、最近話題のトム・ブラウン(Thom Browne)は明らかに50~60年代風。いずれにせよ、「70年代以外」なのは間違いないところ。
思えば、70年代はアメトラにとって不遇の時代でした。あのヴァン・ヂャケット(VAN Jacket)が倒産したのが、1978年。当時ヘビー・デューティー(Heavy Duty)と呼ばれたアメカジ的着こなしは、人気があったのですけどね。
「ギトギト」から「サワヤカ」へ
ここ数年は、ちょい不良(ちょいワル)風の(悪く言えば)脂ぎった「ギトギト」の服が人気でした。でも、今後は上品で「サワヤカ」な服へと人気が移行するでしょう。
別の表現をしますと、(イタリアを代表とする)ラテン系の服の人気が後退し、アメリカ系の服の人気が上昇するということ。
とは言っても、イタリアの服がダメになるということはなく、今後もファッションにとって重要な国であり続けると思います。イタリア人は、アメリカ風の着こなしも得意なんですよ(マカロニウエスタンの国ですし(?))。
ただ、(ナポリを代表とする)イタリア南部色の濃い着こなしは、今後キビしくなるでしょう。襟の大きなシャツとか。
ちなみに、「ギトギト」ってのも、70年代風の服の特徴だと思います。
緩いシルエットも台頭
80年代と言えば、ルーズな緩いシルエットが特徴。現在はタイトシルエット全盛時代ですが、今後80年代が流行するとすれば、シルエットが緩くなってくることは必然。
ただ、50~60年代風のトム・ブラウンの服のシルエットは、細いですね。
というわけで、緩いシルエットと細いシルエットはしばらく共存共栄すると思われます。最終的にどちらが勝つ(?)のかは、分かりません…。
ちょっと脱線、髪型
たまには、髪型についても。
ここ数年は横や襟足が長めのスタイルが人気ですが、今後は横や襟足をスッキリさせたスタイルが主流になるのでは? 80年代風で行くなら、刈り上げとかツーブロックとか。
そう言えば、ウルフカットってのは70年代っぽいスタイルですな。毛先を軽くして遊ばせているのが、当時との違い。
というわけで、アメトラ(アメリカン・トラッド)?
というわけで、今後はアメトラというわけです(笑)。80年代風ならプレッピー、50~60年代風ならアイビーという具合に、どちらにも問題なく対応できます。
もっとも、世界中の人がアメトラを着るとはとても思えません(汗)。ここ数年あまりにも不遇だったこともあり、その反動で目立つかなって感じ。
あと、デザイン性の強い服も人気が出ると思いますよ。緩い服の復活に伴い、ヨウジ・ヤマモト(山本耀司、Yohji Yamamoto)みたいな服が着やすくなりそうな気がする。80年代みたく。
Pコートの記事を更新しました
本日の更新は、以下の記事でございます。
TOKITOのコットンPジャケットは、テーラードジャケット感覚で着られる逸品。TOKITOの定番的なデザインです。
それでは。
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この記事へのコメント
ヤマ
実は今季あちこちの、メンズコレクションでこのレジャースーツの再解釈的なスーツが打ち出されてました。スーツスタイルのカジュアル化はまだまだすすめる方向ですね。
トムブラウンもブルックスブラザーズでのコラボで、女性服のほうはややレジャースーツ的なものを出しています。それは今ひとつでしたが発表されてないものでいいものあるかもしれません。
kazu
アメトラ&80年代復活ですか ! ?
当時20代だった私は正にファッションに対して思い入れも浪費も最も激しかた時代です。
ルーズで緩いシルエット・・・ついでにあの大きめ肩パッドとダブルブレストの再来は如何なものでしょうか? 実は今だに処分出来ない紺ブレがあって(汗)
髪型は刈り上げにツーブロック・・・クラシカルな雰囲気で良いっすね。
今や逆ツーブロック状態になったオッさん(私)は全面的に剃り上げてしまったもんで、爽やかショートのアメトラ・イメージにはファンキーすぎかなぁ(泣)
k-d-hide
何というか、極端すぎるというか、移り気すぎるというか・・・。
多分今年の秋冬か来年の春夏にはメンズでもバギーブームが来たりして。
となると、近いうちにゆったりシルエットのツータックパンツも復活するんですかね。
ドラマ『のだめカンタービレ』でも「ヘンなツータックのズボン」何て揶揄されて、ダサアイテムの代名詞っぽい扱いになっちゃってましたが・・・。
自分たちの世代では「ダサイテム」だったポロシャツやらマウンテンパーカーやらチノパンやらが続々復活してるっぽいですし、80年代的ファッションの再評価が始まってるんですかね。
blackwatch
レジャースーツ、ウィキペディアの英語版にも載っていました。なるほど、まさしくこれですね。日本では、こういうシルエットのスーツは「コンチ」と呼んでいたように記憶しています。
http://en.wikipedia.org/wiki/Leisure_suit
で、復活(再解釈)したレジャースーツですが、トラボルタ的なシルエットなのでしょうか? 私が2007年秋冬のコレクションをザッと見た感じでは、フレアパンツはあまり見なかったような…(2007春夏のBottega Venetaはちょっとレジャースーツっぽいと思いました)。
ただ、80年代的なレジャースーツ(カジュアルな雰囲気の素材のスーツ)は、今後流行りそうな気がしています。あと、上ではイタリアの服をちょっと悪く書いていますけど、「イタカジ」的な服は引き続き人気が継続しそう。ラテン系の人は、今後こういう系統に流れるのでしょう。
トム・ブラウンのブルックスですが、ここのサイトに載っているレディースの写真は、個人的には結構好みです。レジャースーツ的な服の写真は、見つけられませんでした。
http://thesartorialist.blogspot.com/2007_03_01_archive.html#955162176542224383
kazuさん、こんにちは。
流行は繰り返すと言っても、同じところには戻ってこないんですよね。当時の紺ブレ、使えますかねぇ(笑)。私は10代だったこともあり、残念ながら当時の服は残ってないです…。
剃り上げたということは、ピカピカということですか? まあ、個性的なアメトラということで、それはそれでいいんじゃないかと思いますよ(たぶん)。
blackwatch
ゆったりパンツも、今後流行るんだと思われます。というか、フレア系以外は全部アリ?
流行はいろいろ移り変わりますが、常に流行を客観的に捕らえるようにすると、流行に流されないと思います。言うは易しですけど(汗)。
ヤマ
近年のレジャースーツの再解釈はデザイナーさまざまだと思いますが、
フォルム自体は当時とは異なるもので、カジュアルスーツとしての
性格を濃くしたものになるでしょう。
その意味で今季のジュンヤワタナベマンなどは
ジャージ素材でスーツを作っていましたが、ニューレジャースーツとよんで
も差し支えないかと思います。カンゴールは納得いく出来では
ありませんでした。アレクサンダーマックイーンが00年代トラボルタ的かな
と思います。
当時、サファリスーツやデニムスーツもレジャースーツと呼んでいてようで、
70年代バナナリパブリックのように、そのブームに乗りサファリスーツを売りそのブームの終焉とともにギャップに買収された例もあります。
フレアのように女性的なラインを取り入れたヒッピータイプのパンツは
基本的に直線的なカットの多い男性服には向かないと思います。
立体裁断のように新しい曲線を用いた男性服も出ていますが、まだまだ
直線的なラインがメンズ服といえるでしょう。
メンズ服のパンツのラインでもすその広がりはやはりブーツカットまでですね。
ヤマ
http://men.style.com/fashion/collections/S2007MEN/review/JWMEN
00年代トラボルタ的なアレクサンダーマックイーン
http://men.style.com/fashion/collections/S2007MEN/review/AMCMEN
コレクション画像です。
blackwatch
「コンチ」は、和製英語ですね。今では死語といっていいでしょう(笑)。
で、レジャースーツですが、(あまりシルエットは関係なく)要するにカジュアルなスーツということなのですね。思えば70年代も80年代も、シルエットは変われどカジュアルなスーツが着られた時代だと思います。それの復活ですかね。
私もジーンズのブーツカットは嫌いではないのですが、フレア気味のドレスパンツは苦手です。特に、アメトラとは水と油ですし(汗)。
ジュンヤは、とっても着やすそうな服ですね。特に若い人だったら、欲しくなりそうな服だと思います。
マックィーンは、実はブルゾンに2プリーツパンツという80年代的着こなしのほうが印象に残りました。いろいろな要素が混じったコレクションですね。
それにしても、最近はネットで自由にコレクションを見られるいい時代になりました…。
90年代はレディース流行→メンズの流行
という流れがありましたが、
ディオールオムの影響で00年代はメンズの流行→レディースの流行
という流れですね。
http://www.vogue.co.jp/fashion/shows/07awrtw/paris/balenciaga/runway_01.html
メンズ服がカジュアル化する一方これは面白いですね、バッグが女性に大人気なバレンシアガ、服はバシッとダブルの紺ブレにチノパンなどメンズ要素満載です。
blackwatch
バレンシアガ、滅茶苦茶格好いいですね。シビれました。パンツのシルエットが堪らんです。目の保養になるなぁ。サムネイルの写真だと、一瞬メンズに見えました(笑)。
dale
blackwatch
そう、アメトラ! 私も、少しは本気です(?)。
ただ、アメトラが現代の若者にどういう風に見えるのか、イマイチ想像がつかないかも。トム・ブラウンあたり、どう見えているのでしょう? いきなりグレースーツにネクタイでは、敷居が高いかな? アメカジは分かりやすいんですけどねぇ。
アメトラの対抗としては、とりあえず80年代的な「イタトラ」「イタカジ」あたりもアリかなと予想しています。これらも、今となっては死語ですけど。あと、デザイナーズ系。