前立て付きのシャツが増えている、とな?

ボタンダウンシャツを集めてみました

今日は、ビームスBeams中村達也氏のこの記事。シャツの前立てについて。

90年代前半の頃は、ドレスシャツもカジュアルシャツも前立ての付いたシャツの方がポピュラーでした。

その後、いわゆるクラシコイタリアブームが起き、イタリア的なテイストのドレススタイルが流行する中で、エレガントな雰囲気を強く演出することが求めら、ドレスシャツの前立てが無い仕様が一般的になりました。

前立てとはシャツの前ボタン部分の仕様のことでして、縦に帯状の細長い生地が表面から見えるものが前立て付き表前立て)仕様。アメリカのドレスシャツはたいていこの仕様ですね。ボタンダウンシャツに限らず、レギュラーカラー(ストレートカラー)のシャツも前立て付きが基本。

Individualized Shirts E16BOO: Blue
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Blue
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イギリスのドレスシャツも、基本的には前立て付きのはずです。ジェームズ・ボンドが着ているシャツも前立て付きが主。老舗シャツブランドのターンブル&アッサーTurnbull & Asserのシャツもたいてい前立てが付いています。ただし、前立てのステッチがアメリカよりも中央寄りだなと。

イタリアのシャツは、前立てなし裏前立て)仕様のものが多いですね。ご覧のとおりボタン部分周囲がすっきりしています。

Luigi Borrelli NA35: Saxe
NA35: Saxe
Luigi Borrelli NA35: Saxe
Saxe
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前立てなし仕様を英語ではフレンチ・フロントと呼ぶようで、となるとフランスのシャツは前立てなしが多そうですが、意外に前立て付きのシャツも少なくない印象があります。ちなみに、前ボタンが隠れるように仕立てられた仕様もありまして、比翼フライ・フロント)と呼びます。

前立ては基本的には補強のために付けられているようで、前立て付きのほうが実用的・機能的、そして「お堅い」印象の仕様といえます。反対に前立てなしのほうは開放的、そして「華やかな」印象の仕様といえるでしょう。アメリカのシャツでも、アロハシャツのような開襟シャツは前立てなしが基本です。

ここで元の記事に戻りますと――。

BEAMSの今年の春夏のカジュアルシャツは、前立ての付いたシャツのバリエーションが増えています。

Brooks Brothers(ブルックス・ブラザーズ)のボタンダウンシャツ(ポロカラーシャツ)

要するにこの前立ての変化も、ラテン系(イタリア)が後退しアングロ・サクソン系(アメリカ・イギリス)が伸長した流行の影響のひとつでしょう。ただし、もちろん前立てのあるなしのどちらかが「正しい」という問題ではなく、自分の狙う着こなしに合わせて選ぶべき問題です。

ちなみに、前立ての幅は太いほどトラッド寄りに見えると思います(まああまり太くてもアレですが)。トラッド色を薄めたいときは細い前立てのシャツを選ぶとよいでしょう。

――と、エラそうなことを書いている私ですが、若い頃は前立ての仕様なんてぜんぜん気にしていませんでしたね。でも、今ではシャツを見たときに一番最初に確認している仕様かも。そのくらいシャツの性格を決める重要な仕様だと考えています。

それでは。

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