リーバイス(Levi's)を別記事で大きく取り上げていますが、今日は代表作の “501” を取り上げます。《最終更新日: 2017年11月7日》
Levi's(リーバイス)の501
“501” という品番は1890年に登場したそうな。以後シルエットは少しずつ変化していますが、とにかく基本中の基本モデルで、そして「普通」のモデル。とにかく一度は穿いてみて、「基本」そして「普通」のジーンズとは何かということを理解しておくことをおススメします。特徴を挙げてみましょう。
- シルエット
ストレートジーンズなのですが、少しテーパードしています。裾までまっすぐないわゆるパイプトステム(パイプドステム)ではありません(実は現行の505のほうがパイプトステムっぽく見える)。
- 股上
2000年代のジーンズに慣れた人には深く感じるかもしれませんが、実はこれくらいの股上が普通なのです。
- ボタンフライ
股間の開閉がボタン留め。開閉が面倒くさいかもしれませんが、まあ慣れれば大きな問題はありません(たぶん)。ジッパーフライよりも壊れにくいので安心感はあるかも。
ちなみに後述の未防縮デニムですと、ジッパーフライだと生地が縮んだときに壊れやすくなってしまいます。
あえて大きめまたは小さめを穿いたり、そして丈を長くしたり短くしたりすることによって、幅広い着こなしに対応が可能です。ただ、特に背が高くない人がテーラードジャケットに合わせる場合は、もうちょっとテーパードしたジーンズのほうが合わせやすいかもしれません。まあこの辺は流行にも影響を受けます。
こちらは、40年代(1940年代)から50年代(1950年代)にかけてのリーバイス501の広告。ベルトなしでシャツをタックインしていて、そして裾をロールアップしていることが多いですね。
Shrink to Fit(シュリンク・トゥ・フィット、未防縮、STF)デニム
まずは最も501らしいデニムから。未防縮(シュリンク・トゥ・フィット、Shrink to Fit、STF)のデニムは、縮み防止加工を施していないのが特徴。デニムは一般に縮みやすい生地ですが、未洗い(リジッド)のShrink to Fitデニムは水洗いするとそれどころではなくかなりガッツリ縮みます。
ただし、現在リーバイス・ジャパンさんのところでは、Shrink to Fitの普通の501を扱っていないようにみえます。直輸入(並行輸入)のお店で買うしかないですね。幸い、通販ではよく扱われています。ブラックジーンズもあります。
Length(レングス、股下)を選べるのも特徴で、(うまく行けば)裾上げは不要です。前述のとおり501はテーパードしていますので、できれば裾上げせずに穿いたほうがシルエットがキレイに出るはず。
というわけで未洗いのShrink to Fitデニムは、縮む分量を考慮して購入する必要があるのです。501のヒップポケットに付いている紙のフラッシャーには、以下の3とおりの洗い方の場合のサイズの選び方が掲載されていました(ただし、こういうことが掲載されていないフラッシャーもあります)。
- Machine Wash and Dry
普通に洗濯機洗いする方法。Waist(ウエスト、腰周り)が27から36インチの場合は1インチ大きめを、38から48インチの場合は2インチ大きめを、50インチ以上の場合は3インチ大きめを。
そしてLengthが27から34インチの場合は3インチ長めを、36インチ以上の場合は4インチ長めを。
手っ取り早く縮めたければ、乾燥機を使うことになるのでしょう。ちなみに、1インチは約2.54センチです。
- Sit and Soak
“Buy your size in the waist, two sizes up in length. Wear them in the tub, keep them on to dry.”
噂では聞く「ジーンズを穿いたままバスタブに浸かる」方法。Waistは自分のサイズそのまま(つまり大きくしない)、そしてLengthは2インチ長めにする、ということでしょうか。
おそらく、これが最も身体にピッタリくる方法と思われます。まさに “Shrink to Fit”。ただ、バスタブに浸かるのはまだいいのですが、穿いたまま乾かすのが面倒くさそう。しかも、洗うときは毎回この方法にしないと必要以上に縮んでしまうでしょうし。
ちなみに、Shrink to Fitデニムは普通のデニムよりも穿いていて伸びやすいように感じます。多少小さめのサイズでもなんとかなりそうな感じ。
- Skip the Wash
“For purists who like their denim unwashed, no need to size up. Buy them true to size.”
洗わない方法(?)。サイズは縮みを考慮せずそのままでいいよ、とのこと。
未洗いデニムの洗い方については百家争鳴ですので、適当に検索して調べてみてください。私も大して詳しくありません。最初に1時間ほどお湯に浸けて糊を落とすのが一般的のようです。
Shrink to Fitデニムはねじれ防止加工もされていないので、水洗いを繰り返すとサイドシーム(側面の縫い目)がねじれてきます。古着の501はそうなっているものが多いですよね。
そうそう、近年のShrink to Fitの501は裾がシングルステッチで縫製されているのです。こだわる人は、結局チェーンステッチで裾をお直ししたくなるかも。
デニムいろいろ
501といえば昔はShrink to Fitデニムのみだったのですが、近年は普通のデニムのものが充実しています。面倒くさい考慮は不要で、サイズも普通どおり選べばよいはずです。色落ち加工されたものやホワイトジーンズもあります。
日本企画の501は、2013年にシルエットが一新されました。アメリカ企画のものよりも細身なのが特徴。ウエスト周りには余裕があります。紙パッチではなく革パッチ仕様になっています。501にはいろいろな規格があるのが分かりずらいのですよねぇ。
Levi's Vintage Clothing(リーバイス・ビンテージ・クロージング)
リーバイス・ビンテージ・クロージング(Levi's Vintage Clothing)は、過去の名作の復刻商品を中心に扱うライン。こだわる人は、これです。
当然のことながら501には力を入れていまして、過去の有名な年代の501を復刻しています。コンサバな人に人気なのが1966年モデルである通称「66モデル」。最も細めなのが1947年モデルのようです。特に未洗いデニムのものはガッツリ縮みますのでご注意ください。
この手のヴィンテージモデルの分かりやすい特徴は、ヒップポケットのレッドタブが大文字の “LEVI'S” となっている通称 “Big E”、セルビッジ(通称「赤耳」)付きのデニム(裾をロールアップすると分かる)、などなど。でも最も重要なのは、デニム地に味があることだと思います。現行501のデニムは良くも悪くも普通で、それほどお洒落っぽい感じはしないのですよ。
501 T(501 Tapered)
501 T(501 Tapered、旧名501CT)は501の派生モデルで、その名のとおり大胆にテーパードしているのが特徴。特に裾幅がかなり細くなっています。
この手のスリムテーパードジーンズは近年多いのですが、これは501と同様にしっかり股上があるのが特徴。股上の深さは特にタックインしたときに印象を少なからず左右しますので、おろそかにはできませんよ。
その他
その他のリーバイス501は、こちら。
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追記
- (2005年7月5日)商品を一部追加。
- (2006年1月5日)全面的に記述や商品を入れ替え。
- (2017年11月7日)2017年度秋冬最初の更新。
この記事へのコメント
kerorin2
今年もヨロシクお願いします。
無事501ゲットしました。昔のサイズ規格と違うようで、レングス選びが難しいようです。
ちなみに、けろりん2は、しばらく洗わないで取っとこうかと思ってます。
501は、複数あるので←こういうとこで、怒られんですよね。でも欲しいんですもの。分かってもらえますか????
冬にPコートのネイビーとホワイト501の組み合わせ、賛成です。
去年ネイビーのダッフルとホワイト501の組み合わせをしましたが、靴がイマイチでした。黒か茶のローファーしか浮かびませんでした。
なにかアイディアはありませんか??
blackwatch
501の件、お気持ちはもちろんよく分かります。でも、女性には分かんないかも…(?)。
さて靴の件ですが、ダッフルにローファーだとちょっと足元が軽すぎるのかもしれませんね。
私がまず思い付くのは、クラークス等のサンドベージュのデザートブーツ。トラッド寄りならダーティーバックス。冬にホワイトバックスも粋です。さらにトラッド寄りならコンビのサドルシューズも(ジョージコックス等)。
要するに、プレーントウやチャッカブーツあたり無難かと。外羽根式のウイングチップでもいいかな。色は薄茶系がホワイトジーンズとの相性がよさそう。リーガルのプレーントウなら2236の茶とか。
以上、参考になりましたでしょうか? いちおう、すべて当ブログにて紹介している靴です(ウイングチップはあまり紹介していませんが)。