今日は、ホワイトバックスとダーティーバックスの革靴(靴、シューズ)を取り上げます。トラッドファンは感涙? 《最終更新日: 2015年5月20日》
ホワイトバックスとは……、ブリックソールがキモ
ホワイトバックス("white bucks")とは、甲革(アッパー)が白いヌバックまたはスエード(スウェード)素材で、靴底が赤いゴム(ブリックソール、レッドラバーソール)の靴のこと。甲革は、本来は雄鹿("buck")の革だったそうです。一番のキモは、やはりブリックソールでしょう。
デザインは、外羽根式のプレーントウ(プレーントゥ)型が多いですね。その次に多いのが、サドルシューズ(サドルオックスフォード)型、チャッカブーツ(チャッカーブーツ)型も基本です。とにかく、アメトラ(アメリカン・トラッド)な着こなしとの相性が抜群の靴といえます。
ダーティーバックスとは(ダーティバックスとは)
ダーティーバックス("dirty bucks")は、ホワイトバックスが(名前のとおり)「汚れた」靴を想定して商品化したものだそうで、色はサンドベージュです。上品な薄茶のスエードの靴として履けます。
ダーティーバックス以外の色もありまして、ネイビーバックス、グレーバックスなんてものもあります。
着こなしを考えてみた
まずはホワイトバックス。お手軽に考えるなら、白いスニーカーを履く感覚で合わせてみてはいかが? つまり、ジーンズやチノパンツなどで全然イケる、ということです。スニーカーよりもグッと大人っぽくなりますよ。
- Bergdorfs Dude - MISTER MORT
- White Chinos, White Bucks, Striped Bateau & Navy Blazer Holding A LL Bean (?) Tote ~ Walking By NYFW - MISTER
- On the Street…..Via Montenapoleone, Milano - The Sartorialist
上級者なら、春夏ならコードレーンみたいなスーツに合わせると最高ですね。究極のクール・ビズ(Cool Biz)? 秋冬ならホワイトフランネルのパンツに合わせると、もっともドレス度の高い着こなしになるでしょう。
一方のダーティーバックスは、普通の薄茶の靴を履く感覚でOK。この靴、見た目よりカジュアルな靴ですよ。
- On the Street……Fifth Ave., NYC - The Sartorialist
- On the Street…. Vintage Shirt, Florence - The Sartorialist
ただし、ブリックソールの靴は不良(ワル)っぽい着こなしには合わないでしょうから、お気をつけください。そうそう、ホワイトバックスは春夏の靴だと思われる人も多いようですが、秋冬に白い靴を履くのも粋なものです。
汚れが気になる? ホワイトバックスの手入れ方法
ホワイトバックスは、汚れそうなのが気になる人も多いのでは?
汚れが落ちなくなったら、白いチョークでゴシゴシすればごまかせるみたいです。もっとも、起毛革の手入れの基本はブラッシングと防水スプレーでしょうが。
その他、ホワイトバックスの手入れ方法について、いろいろ記事がありました。皆さん悩んでいるんです。
- 材質で両極端。白い革靴をケアする! - [靴]All About
- ◆ホワイト・バックス 私のお手入れ方法。1965年製ヴィンテージ・ホワイトバックス - ★昭和とVANと橘浩介
- A Suitable Wardrobe: Cleaning White Bucks
- 実はあった。レンガスポンジ | UNION WORKS BLOG [ユニオンワークスブログ]
Brooks Brothers(ブルックス・ブラザーズ)
ブルックス・ブラザーズ(Brooks Brothers)を別記事で大きく取り上げていますが、アメトラ(アメリカン・トラッド)の雄のブルックス・ブラザーズでは靴も扱っています。
こちらは、ヌバック地にブリックソールというまさに典型的なバックス。基本の堅牢なグッドイヤーウェルト製法です。この色展開も典型的ですね。
そうそう、セール(クリアランス、Clearance)になっている靴があるかもしれませんので、そちらも見てみてください(別ページにあります)。
Walk-Over(ウォークオーバー)
ホワイトバックスやダーティーバックスの代名詞的なブランドであるウォークオーバー(Walk-Over)は、1758年創業のアメリカの靴ブランド。一時期はブランドが消滅状態にありましたが、このたび見事復活を果たしました。
バックスシューズが欲しいなら、何はともあれまずはこのブランドを候補に入れるべきでしょうね。復活後は木型(ラスト)が少し丸くなりました。
G.H. Bass Weejuns(バス・ウィージャンズ)
ペニーローファーの元祖的ブランドであるG・H・バス(G.H. Bass)は、1876年創業のアメリカの靴ブランド。
基本的にはスリッポン系の靴を得意としているブランドですが、ホワイトバックスのような靴もつくっています。特につくりが良い靴とも思わないのですけど、お手頃価格という意味では頼りになるブランドでしょう。
Church's(チャーチ)
英国、いや世界を代表する既製靴ブランドといっても過言ではないチャーチ(Church's)は、1873年創業のイギリスの老舗靴ブランド。
Downton(ダウントン)は、フルブローグ型のブリックソールシューズ。文句なくクラシックな雰囲気です。
Hiroshi Tsubouchi(ヒロシ・ツボウチ)
坪内浩氏がデザインするヒロシ・ツボウチ(Hiroshi Tsubouchi)は、2008年に誕生した靴ブランド。流行をセンス良く料理した靴をつくっています。
ブリックソールの靴もありまして、カジュアル感のあるいまっぽい仕上がり。
サドルシューズ(サドルオックスフォード)
アメトラな靴としてバックスと並び称されるのが、サドルシューズ(サドルオックスフォード)です。
特に2色遣いのコンビ仕様のものは、アメトラ気分をよりいっそう盛り上げてくれるでしょう。
他の記事も……
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- 足幅の細い靴を入手するには?
追記
- (2005年9月15日)商品を追加、入れ替え。
- (2007年4月30日)商品を追加、入れ替え。
- (2008年6月25日)商品を追加、入れ替え。
- (2009年7月13日)商品を追加、入れ替え。
- (2011年3月9日)2011年春夏最初の更新。
- (2012年6月24日)2012年春夏最初の更新。
- (2015年5月20日)2015年春夏最初の更新。
この記事へのコメント
links_77
こんにちは。
アルフレッドサージェントのホワイトバックスエレガントでいいですねぇ。惹かれます(^^
blackwatch
そうですね。ちょいスクエアトウ気味(に見える)なのも、それはそれでクラシックでいいですね。
k-d-hide
値段もそこまで滅茶苦茶高いわけでもないですし。
デザートブーツの代わりにカジュアルに履くのがカッコイイかも。
blackwatch
ダーティーバックスは、デザートブーツよりもちょいドレス寄りくらいなのが魅力ですね。
そう言えば、昔のウォークオーバーのものは1万円台だったかな(定価で2万円前後?)。私はアレン・エドモンズのダーティーバックスを持っていますが、これは結構高かった。
kazu
正にウォークオーバーもバスも昔は1万円台で買えたので、
履き潰しに惜しまず世話になりました。
”欧米のトラッドなシューメーカーはなくならない” なんて、
なんの根拠もなく思い込んでいたので、
ウォークオーバーの消滅はかなりショックでした。
この赤茶のソールがなんとも良い存在感・・・
今でもこの季節になると一番履きたくなる靴ですなぁ。
blackwatch
ウォークオーバーに限らず、残念ながらアメリカ靴はどんどん消滅、あるいは「名前だけ」みたいになって来てますね。せっかくアメトラが復活しつつあるのに。
ウォークオーバーについてはオークションでデッドストックを密かに狙っているのですが、なかなかマイサイズは出ません…。
ドバンチャン
質問があるのですが、スウェードの靴は夏にも履けるものでしょうか?
見た目も含めて暑そうだなぁと思ってしまいます。
先日、良さそうなネイビーのスウェードシューズ(ストレートチップ?)を見つけました。
しかし、金銭面から、できればオールシーズンいけるものが良いかなとも思い、買うのを躊躇しています。
blackwatch
スエードは濃茶でブーツだと確かに秋冬っぽくなるのですが、淡色でスリッポンだとむしろ春夏っぽい雰囲気も感じます。あと、毛足の長さも関係しますね。ヌバックのような素材だと暑苦しさは感じません。
ネイビーのプレーントウなら、寒色ですし夏でもいけるのではないでしょうか。合わせるパンツは淡い色のほうが涼しく見えるでしょう。白いパンツなら文句なしです。
ドバンチャン
色や素材によっては夏もいけるわけですね。
勉強になります。
またお尋ねして申し訳ないのですが、実際にスエードの靴を履いたときの暑さや蒸れは普通の革靴に比べどうなんでしょうか?
恥ずかしながら、まだスエードの靴を履いたことがないのです。
blackwatch
スエードの暑さや蒸れについてですか……。実はそういうことをいままで考えたことがなかったので軽くネットを検索してみましたが、うーん、なんとも言えません。特に有意な差はないのではないでしょうか。
スエード云々よりも、革の厚さとかそういう個体差のほうが影響が大きいのかもしれません。もしくは、靴で使っている裏地(ライニング)の種類とか。
ドバンチャン
何事も一概には言えませんよね。
面倒な質問をして、すいません。
勉強になりました。ありがとうございました!!
blackwatch
いずれにせよ、スエードシューズは1足そろえておいて損はしないと思いますよ。検討してみてください。