プリーツ入りパンツが戻ってきた、とな?

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ビームスBeamsのおなじみ中村達也氏が、ブログにてプリーツ入りのパンツを取り上げられています。

もともと、現在のイタリアのクラシックなスタイルが日本で知られるようになった90年代の頃は、スーツのパンツも単品パンツもプリーツ入りが一般的でした。

その後、イタリアのあるブランドが、“モッズスーツ” という細身の3ボタンにスリムなノープリーツのパンツのスーツを発表し話題になりました。

このパンツの「ヒダ」のことは日本ではタックとも呼ばれますが、英語の “tuck” はパンツに対しては用いないようで、正しくは “pleat” なのです。近年の日本のファッション雑誌でも「プリーツ」と表記していることが多いと思われます。

クラシックテイストの人の中でトレンドに敏感な人達は、ノープリーツのスーツを着る人が徐々に増えていくのですが、今考えるとその流れは非常に緩やかだったと思います。

その理由は、スーツのパンツはプリーツが入った方がエレガントに見えるので、ジャケットのパンツにはノープリーツを合わせても、スーツのパンツはプリーツ入りを穿くという人の方が多かった事によります。

エレガントなスーツスタイルよりもリラックスしたジャケットスタイルに流れが変わるのと並行して、パンツ単品がノープリーツ全盛となり、モード的なトレンドも、よりタイトにという流れが続いたことによって、スーツのパンツも細身のノープリーツというのが一般的になり、現在に至っています。

BEAMSでも2000年代初頭はパンツ単品はノープリーツでしたが、スーツはまだプリーツ入りのパンツが付いたモノが大半でした。

元々、ノープリーツのパンツが流行る前は、カジュアルパンツであってもプリーツ入りが主流でした。

私がBEAMSに入社した当時も、パンツはプリーツ入りがほとんどで、ノープリーツのパンツと言えば、アメリカブランドの太くて野暮ったいシルエットのものくらいしかありませんでした。

私がこれまで体験したことをまとめますと、80年代(1980年代)(の特に後半)はプリーツ入りパンツが大流行中で、私もプリーツ入りカジュアルパンツを穿いていました。当時私は高校生でしたが。

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90年代(1990年代)に入ると、プリーツ入りのカジュアルパンツは穿かなくなりました。ただ、スーツには依然としてプリーツ入りパンツが基本です。90年代に私は初めていわゆるI型のスーツを買ったのですが、プレーンフロント(ノープリーツ)だったことには当時ちょっと抵抗がありました。そんな時代だったのです。

結局I型以外のスーツの場合では、私はこれまでプリーツ入りのパンツしか穿いたことはありません。

そして、トレンドは廻ります。

今の流れは、ノープリーツのパンツが流行り始めたころとは逆の流れです。

永くノープリーツのパンツが続いたので、まだプリーツ入りのパンツの流れに懐疑的な人も多いと思いますが、以前プリーツ入りのパンツが主流だった時代を知る私にとっては、プリーツ入りのパンツがトレンド的なものだと言う印象もありません。

言い換えれば、ベーシックなパンツのディティールが今の時代性を取り入れて戻ってきたと言うのが正直な印象です。

(中略)

一過性のトレンドでないことは間違いないので、ご安心ください。

プリーツ入りのパンツは、私もこれからかなり盛り上がるのではないかと予想しています。少なくともスーツのパンツについては、プリーツ入りのパンツが主流になるのでは(I型は例外として)。スーツ用のパンツであれば、プリーツ入りでも着こなしは大して難しくないですし。

いきなりノープリーツから2プリーツに変えるのは、難易度が高いと感じる方も多いと思いますので、1プリーツのパンツが付いたスーツを選ぶと良いと思います。

シルエットは、今までのノープリーツのシルエットにプリーツを入れたようなモデルが多いと思いますので、丈の長さや裾の処理などは、今までとそれほど変わらないと思っていただいて良いと思います。

要するにスーツにおいては、それほど腿周りや腰回りが太くないプリーツ入りパンツを選ぶのが今のところはまずは無難ということです。「それではプリーツ入りにする意味がないのでは」という声も出そうですが、プリーツでクラシックさを主張できることに意味があります。見た目の問題。

2プリーツと1プリーツを比較すると、クラシックさや面白さでは2プリーツが上、プレーンフロントと比較したときの違いの少なさ(違和感の少なさ)では1プリーツが上、といえそうです。

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カジュアルスタイル時においては、もっと自由に考えやすいでしょう。8年前のこの記事でも書いていますが、丈の短いGジャン(ジージャン)やブルゾン系のアウターウェアが特に相性が良いと思いますよ。意外にいわゆるバスクシャツあたりに合わせても面白いのです。

腰・腿周辺にボリュームが出るパンツですから、着こなしの注意点はワイドパンツと共通することが多いはずです。

ところでプリーツにも大きく分けて2種類ありまして、ひとつがプリーツが前を向いたインプリーツ(英語ではフォワードプリーツ)、もうひとつが外を向いたアウトプリーツ(英語ではリバースプリーツ)。イギリスではインプリーツ、イギリス以外のヨーロッパやアメリカではアウトプリーツのパンツが主だと思います。

スーツ用ならともかくカジュアル用のパンツなら、インプリーツかアウトプリーツかを厳密に気にしすぎる必要はないと考えます。インプリーツでなければ成り立たない、あるいはアウトプリーツでなければ成り立たない、そういう着こなしは多くないでしょう。

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そうそう、プリーツ入りパンツの裾をダブル仕上げにする場合、ダブル幅はプレーンフロントのものよりも狭めにする、という考え方もあるようです。特にテーパードが強めのパンツですと、ダブルの幅は狭めが似合うと思います。

さて、若い人だと、生まれてこの方一度もプリーツ入りのパンツを穿いたことがない人が少なくないのではないでしょうか。怖いものではないので(?)、臆せず挑戦してみてください。

それでは。

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