
今日は、デッキシューズ(デッキモカシン、ボートモカシン、ボートシューズ、ボートモック)と呼ばれる靴を集めてみました。《最終更新日: 2020年5月7日》
デッキシューズとは(ボートシューズ、デッキモカシン、ボートモカシン)
デッキシューズは、もともとはヨットの甲板(デッキ)上で履く靴です。靴底(ソール)が白いのは、デッキを汚さないため(たぶん)。もっとも、最近は白くないのも多いですけど。

濡れた甲板の上で滑らないよう、特殊な加工を施したゴム底(ラバーソール)であるボートソールを採用しています。特に有名なのは、スペリー・トップサイダー(Sperry Top-Sider)のスペリー・ソール(Sperry Sole)ですね。
たいていデッキシューズは履き口をグルッと靴ヒモ(シューレース)が囲むつくりになっているので、ヒモをキチンと結べばかかとが浮きにくくなるのも特徴です(側面のヒモと前のヒモがつながっていないものもありますが)。
モカシン型? スニーカー型? お手入れ方法

デッキシューズには、主にレザー製のモカシン型のものと、主にコットンキャンバス製のスニーカー型のものがあります。
まあ要するにボートソールさえ採用していればどんな靴でもデッキシューズなわけですが、この記事では前者のモカシン型を中心にご紹介します。
モカシン型のデッキシューズは、軽い履き心地のマッケイ製法(ブレイク製法)でつくられていることが多いですね。
なお、お手入れ方法ですが、基本的には革靴なので甲革の種類に応じて手入れをしてあげればよいはず。ただ、神経質に手入れをする必要はないでしょう。つくりが柔らかい靴なので、バネが強いシューツリー(シューキーパー)は避けたほうが無難かも(というかシューツリー自体が要らない気がします)。
デッキシューズの着こなし(履きこなし)

デッキシューズはマリンスタイルと関連付けで話題になることが多いですが、私はそんなにマリンを意識する必要はないと思うなぁ。春夏のカジュアル寄りのアメトラ(アメリカン・トラッド)スタイルなら、かなり万能に使えるはず。紺ブレ(ネイビー・ブレザー)、ポロシャツ、Tシャツ、……。
合わせるパンツは、丈が短めのもの(ロールアップを含む)や裾幅が狭めのものがオススメ。ドレッシーなウールパンツや裾幅の広いブーツカットジーンズなどとは、あまり相性は良くないと思います。
あと、いろいろ考え方はあるでしょうが、基本的にはデッキシューズは素足(裸足)で履きたいところ。靴擦れや臭いが気になるなら、フットカバー(シューズ・イン・ソックス、ゴーストソックス)を使ってみてください。
こちらは、ネイビージャケットとチノパンツに合わせた大人っぽい着こなし。
こちらは、ショーツに合わせたアイビーのお手本のような着こなし。ベルトやメガネにも注目です。
- On the Street……American Classics, Paris - The Sartorialist (Wayback Machine)
- My Favorite Off-Runway Look, Paris - The Sartorialist (Wayback Machine)

こちらは、チェックシャツに合わせた基本的な着こなし。デッキシューズはリボンベルトと相性が抜群ですね。
一方こちらは、よりカジュアル寄りの着こなしです。
Sperry Top-Sider(スペリー・トップサイダー)

デッキシューズの代名詞といってもよいであろうスペリー・トップサイダー(Sperry Top-Sider)は、1935年創業のアメリカのカジュアルシューズブランド。

濡れたデッキの上で滑りにくいよう切り込みを入れたスペリー・ソールを考案したこのブランドは、デッキシューズの歴史上最も重要なブランドでしょう。モカシン型もスニーカー型もあります。
Sebago(セバゴ)

ローファーやデッキシューズを得意としているセバゴ(Sebago)は、1946年創業のアメリカの老舗の靴ブランド。
セバゴのデッキシューズは昔から世界的に知られていまして、創業当時くらいはあのスペリー・トップサイダーにデッキシューズを納入していたらしい……、です。私も愛用していますよ。
Timberland(ティンバーランド)のClassic 2-Eye Boat Shoe(クラシック2アイ・ボートシュー)

完全防水ブーツで有名なティンバーランド(Timberland)は、1918年創業のアメリカのアウトドアシューズブランド。現在の社名になったのは、1973年です。
完全防水のイエローブーツで知られているブランドですが、デッキシューズのClassic 2-Eye Boat Shoe(クラシック2アイ・ボートシュー)も定番中の定番です。シンプルなデザインが、まさにクラシック。
Paraboot(パラブーツ)のBarth(バース)

質実剛健ながら上品な顔立ちの靴で定評あるパラブーツ(Paraboot)は、1919年創業のフランスの靴ブランド。
こちらは、パラブーツの定番デッキシューズであるBarth(バース)。フランス海軍の公式デッキシューズでもある本格派。もしかして、近年一番人気のデッキシューズかもね。
Brooks Brothers(ブルックス・ブラザーズ)

ブルックス・ブラザーズ(Brooks Brothers)を別記事で大きく取り上げていますが、アメトラ(アメリカン・トラッド)の雄のブルックス・ブラザーズには靴もあります。
こちらは、基本的な皮革製デッキシューズ。つくりも基本的で、まさにコンサバなデッキシューズといえます。レザーの色や素材は各種あり。製法はマッケイ系でしょう。










そうそう、セール(クリアランス、Clearance)になっているコートがあるかもしれませんので、そちらも見てみてください(別ページにあります)。なおブルックス・ブラザーズ・オンラインショップでは、商品到着後8日以内なら未着用の場合に限り返品・交換が可能です。
Regal(リーガル)

リーガル(Regal)の定番靴を別記事で大きく取り上げていますが、今となっては日本を代表する靴ブランドといえるでしょう。デッキシューズもつくっています。
55TRは、基本的な仕様のデッキシューズ。シボの入った皮革を使用しています。昔ながらのデッキシューズと比べると、甲が深めで履き口が狭めでしょうか。マッケイ製法。








61VRは、デッキシューズにしてはちょっと珍しい柔らかなゴートスキン(山羊革)を使用したデッキシューズ。マットな風合いと併せ、渋く大人っぽいデッキシューズに仕上がっています。マッケイ製法。
G.H. Bass Weejuns(バス・ウィージャンズ)

ペニーローファーの元祖的ブランドであるG・H・バス(G.H. Bass)は、1876年創業のアメリカの靴ブランド。
基本的にはマッケイ製法の靴を得意としているブランドでして、デッキシューズもつくっていますよ。
キャンプモカシン(キャンプモック)

デッキシューズが「海」用なら、キャンプモカシン(キャンプモック)は「川」もしくは「山」用のモカシンシューズといえるでしょう。
デザインはよく似ていますが、靴底(ソール)が違います。よりラギッドな雰囲気があるのは、キャンプモカシンのほうかな。
他の記事も……


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追記
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- (2006年5月31日)商品を追加、入れ替え。
- (2006年8月1日)商品を追加、入れ替え。
- (2007年6月11日)2007年春夏最初の更新。
- (2008年3月15日)2008年春夏最初の更新。
- (2008年7月12日)商品を追加、入れ替え。
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- (2010年6月12日)2010年春夏最初の更新。
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- (2012年6月9日)2012年春夏最初の更新。
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- (2020年5月7日)2020年春夏最初の更新。
この記事へのコメント
増田晃宏
blackwatch
まあ、本来の使い方ではないのでしょうね。マウンテンブーツやらワークブーツやらを街で使うのと同様です。
ちなみに、私はSperry Top-Siderのデッキシューズをよく履いていますが、大きな問題を感じたことはありません。そのへんのスニーカーと比べて特別に靴底の減りが早いとも思いません。危険という観点では、ツルツルの床だと革底の靴のほうがよほど滑りそうで危険です。
強いて言えば、これは靴底の薄い靴一般にいえることですが、長い距離を歩く用途には向いていないと感じます。
もう何十年も街履き用の靴として使われてきた実績がありますし、目くじらを立てるような靴ではないと思いますよ。街履き向けの機能を最優先に考えた靴ではないですし。