Men's EXによる「トラッド50年史」、とな?

Beams F(ビームス・エフ)

雑誌Men's EXメンズ・エグゼクティブSummer 2022号にて、「トラッド50年史」という特集がありましたので、今日はそのご紹介。ありがたいことにウェブでも読めます。

ビームスBeamsのおなじみ中村達也さんがまとめられています。70年代より前の時代も取り上げてもよさそうな気がしましたが、誌面のページ数の都合、そして中村さんが実体験している期間を考えてこうなったのかなと。

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1970s アイビーの興亡とその分化

70年代(1970年代)には、アメリカンにブリティッシュを組み合わせたブリティッシュ・アメリカンなるスタイルが隆盛したとのこと。ジャケットは2つボタンの時代。代表格として挙げられているのが、ポール・スチュワートPaul Stuartラルフ・ローレンRalph Laurenです。

70年代のラルフ・ローレンについては資料が意外に少ないのですけど、当時のメンズクラブ(Men's Club)の記事がありました。

ヘビーデューティーとアイビーを組み合わせたヘビアイも取り上げられていまして、ヴァン・ヂャケットVAN Jacketが1976年に発表したNiblickニブリック)あたりはそういう路線かなと(ちなみにVANはこの2年後に経営破綻)。

プレッピーもここで取り上げられていますが、全盛期は次の80年代前半のような気がします。

1980s フレンチとブリティッシュの時代

80年代(1980年代)としては、まずはフレンチとアイビーを組み合わせたフレンチ・アイビーが取り上げられています。これについては、過去の私の記事も参考になるでしょう。

The Style Council: Cafe Bleu(ザ・スタイル・カウンシル: カフェ・ブリュ)

イギリス人のポール・ウェラーPaul Wellerも取り上げられていまして、例えばこちらの着こなしはいかにもフレンチ・アイビーですね。

さて、80年代の後半になると、トラッド系の人にはブリティッシュが注目されるようになったとのこと。3つボタンサイドベンツのジャケットが復活します。ただ、一般的にはアルマーニ系のソフトスーツ(バブルスーツ?)の人気が高まった時代ですが。

1990s ブリティッシュ vs イタリアン

90年代(1990年代)は、ブリティッシュが中心の時代。90年代中頃には、リチャード・ジェームスRichard Jamesなどの先鋭的なニューテーラーニュービスポーク)のスーツも登場します。

私は当時のビームスによく通いましたが、いまでは信じられないほどイギリス製のドレスシャツが数多く並んでいましたね。ただ、ニュービスポークのスーツには結局手を出さなかったなぁ(どちらかというと芸能人向けの服という印象。ネットに情報はあまりないなぁ)。

さて、90年代後半になると、イタリアンな服がだんだんと注目されるようになります。私も店頭でその流れはよく感じました。

クラシコ・イタリア礼讃
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2000s クラシコイタリアはトラッドMIXだった!?

00年代(2000年代)に入ると、クラシコ・イタリアが大ブームに。

私も当時はそれっぽいスーツを着ていまして、確かに着心地が柔らかくて着やすいのです。体型的にもブリティシュよりも合いやすかった。初期のクラシコ・イタリアブーム時代のスーツは、いま着ても十分格好良いはずです。パンツもそれほど細くはありませんでしたし。

ただ、イタリア服もだんだんとカジュアル化し、極端にスリムな服も増えてきました。そういえば、ちょいワルブームもこのころ。

2010s クラシック回帰英国調の復権、2020s 時代は “リバイバル” へ

10年代(2010年代)に入るとイタリアブームは一服し、クラシック回帰したとのこと。トラッドが帰ってきました。で、いまに至ると。

最後に

Ametora(アメトラ) 日本がアメリカンスタイルを救った物語 日本人はどのようにメンズファッション文化を創造したのか?

「トラッド」の歴史ですので、モードやストリートの系統の歴史は含まれていません。日本の若者のファッションの歴史については、“Ametora” という本が参考になります。

そういえば、00年代後半のアメトラアメリカン・トラッドブームにも少しは言及してもよかったように思うなぁ。

なお、今回の記事については、用語集も用意されていました。

それでは。

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