トム・ブラウン(Thom Browne)やバンド・オブ・アウトサイダーズ(Band of Outsiders)等の知名度も上がってきて、アメトラ(アメリカン・トラッド)人気もボチボチ上昇してきたように思います。
ただ、トム・ブラウン等の値段がメチャメチャ高いこともあり、アメトラやるにはカネがかかると思っている方が少なくないみたい。
…それ、誤解ですから。
そもそもアメトラはアメリカの清貧なプロテスタントの影響を受けたファッションなので、本質的には「質素」なファッションなんですよ。例えば、ブルックス・ブラザーズ(Brooks Brothers)なんて最近の日本では大したことないと思われているような気がしますけど、アメトラの世界では十分高級ブランド。そんな感じ。
我々オヤジならある程度カネをかけたほうがいいと思いますが、特に若い人なら安くあげられるのでは?
極端な話、古着のブルックスのシャツやブレザーの身幅や着丈を細く短くお直ししちゃえば、それなりに今っぽくなりそう(アームホールは直せないか)。最近は「セレクトショップ」でもそれっぽいのが出てるので、そういうのでもいいんじゃない。
ディオール・オム(Dior Homme)みたいなデザイナーズブランドだと「もどき」の服を着るのは格好悪いですが、アメトラみたいなトラッドな服なら「仕様」さえ抑えておけば問題ないのです。
そうそう、そういった意味だと、アメトラらしい「仕様」を勉強しておく必要はあるでしょうね。例えば、ボタンダウンシャツは表前立て仕様とか。ジャケットだと、襟にクラシコイタリアみたいなAMFステッチは入れないとか。
どうやって勉強するかですって? 『絵本アイビーボーイ図鑑』でもいいですが、細かい仕様みたいなものはあまり載っていないかな。アイビー好きの服屋のオジサンに訊いたら、ウンザリするくらい教えてくれそう(汗)。
Orobiancoの記事を更新しました
本日の更新は、以下の記事でございます。
比較的お手頃価格のイタリア鞄と言えば、オロビアンコ。商品の種類もメチャメチャ豊富です。
それでは。
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この記事へのコメント
ディナ
僕は十代ですがここの記事を毎回毎回楽しみに見ています。以前モヒカンにアメトラ風な格好というアンバランスさに目覚め、以来チェックシャツ、BDシャツが増える一方になりました。
バンド・オブ・アウトサイダーズはデザイナーの人のインタヴューが載ったりと知名度が上がってますね。
『若い人なら安くあげられるのでは?』これはまさにその通りだと思います。実際よく原宿の古着屋でブルックス・ブラザーズやVANのシャツを買ったりしますし。しかもVANの長袖シャツは500円ですよ!
VANの長袖シャツはアームホールの細さは現代に通用するし、今のタイトな流れに合うシルエットを持っています。
雑誌に載って価値が上がらないことを祈るばかりです。
ブラッスーツ
アメトラの普及と言っても、結局は服好き・服にお金掛けられる人向けで終わっちゃうんだね。
blackwatch
まさに理想的(?)なお金の使い方をされていますね。そう、そんな感じでアメトラを楽しんでいただきたいです。
VAN Jacket(ヴァン・ヂャケット)の昔の服は、分かりやすくて着こなしやすいですよね。サイズも、結構小さめみたいですし(昔の日本人は身体が小さかった)。ただ、袖が短いものが多いかも(昔の日本人は腕が短かった)。
ブラッスーツさん、こんにちは。
まず、何を基準にカネが掛かるか掛からないかをはっきりさせないと、議論が噛み合いませんな。あまり議論をするつもりはないのですけど。
アメトラはどうしても「ジャケット」中心のファッションになってしまうので、もっとカジュアルなファッションよりもカネが掛かるのは事実でしょう。ただ、ジャケット中心のコンサバファッションの中では、安上がりだと思いますけどねぇ。私は、普通のサラリーマンならまずはコンサバファッションを目指すのが「無難」だと思っています(もちろんコンサバ以外がダメというわけではない)。
あと、服を「生活必需品」と考えればこのブログの服は高いでしょうが、何だかんだ言ってこのブログは「趣味」のブログですよ。「趣味」なら、懐の許す範囲で自分なりに楽しむ他ない。骨董品のよさがいくら分かったって、おカネがなければ高いものの入手は諦めるしかないでしょう?
このブログでは、高いものから安いもの(無印とかクリアランスのランズエンドとか)までソコソコ揃えているつもりです。もちろん、それでもまだまだ高いと感じる人が少なくないことは知っています。そもそもパソコンを買えなくて、このブログを見られない人もいるでしょう。このブログはそういう人を切り捨てているのかと問われると、そうだと答えるしかありません…。
こういう問題は、服に限らずグルメとかインテリアとか、趣味サイト全般に言えるでしょう。すべての生活レベルの人を対象にはできませんから(今後収入が増えるであろう学生さんはともかく)。しまむらを基準にすると他のすべての服を「高い」と表現しなければならないですが、その基準がこのブログに相応しいかどうか。まあレオン等に比べると、ウチはずっとお手頃価格だと思いますけどね。
もっと言うと、大雑把に言って服におカネを掛けたほうが格好よく見える傾向にあるのも、残念ながら事実でしょう。そうじゃないと、資本主義が上手く回らない(?)。上質の素材を使い、熟練者によって丹精込めて作られ、なおかつデザインが優れた服は、価値があると思うし、価値があるということは値段は高くあるべきなのです(生産者の立場に立てば自明)。私としては、やっぱりある程度の基準を満足した商品を紹介したい。
で、実は上の記事を書こうと思った直接のきっかけは、このElasticさんの記事のコメント欄で、「アメトラが高い」という声が目立ったことなのです。
http://taf5686.269g.net/article/4861626.html
デザイナーズブランドに大金を費やしていそうな若者が「アメトラが高い」と言っていることに、妙に違和感を感じたのですねぇ。私の記事にはこの辺の説明がなかったので、ブラッスーツさんにはちょっと唐突に感じられたかもしれません。
ブラックスーツ
閲覧者を切り捨てているってのは別に良いんですよ。
(万人に向けた内容なんてロクなもんにならない)
価値あるものが高価ってのも分かってるんだってば。
(服に限った話じゃないからね)
このブログの趣旨も、今までの氏のコメントで分かっているつもりですから。
(だからこのブログは絵本代わりとしてしか見てない)
そんな趣味のブログの中で、カネが掛かる掛からないって発言しているのが
気になっただけです。
でも、服にカネ掛けてる人が「アメトラが高い」って言ったらアメトラは
大金不要って言っちゃいますな(笑)。
(いつもみたいに、この記事を先に提示してコメントしてくれれば良かったのに)
k-d-hide
モード系ブランドだとどうしても毎年デザインが変わっちゃいますし、それに合わせて流行も変わりますから。
ジャケット1着にしても、モードだと「今年は短丈で」とか「今年はベロアで」とか「今年はグレーで」とか、毎年毎年コロコロ入れ替わってその度に買わなきゃいけないでしょうか、トラッドだとある程度の仕様のものを1着持っていれば(ブルックスとかJプレスとか。大体6~7万前後でしょうか)数年単位で着続けられそう。
オールデンの靴も、1足10万円出して買えば10年以上は持ちますからね。
一回大枚はたいて買えば、数年は着続けられるのがトラッドの良さの一つなのではないでしょうか。
トラッド系衣料ならモデルチェンジも頻繁じゃないですし(あるいは、ほとんどモデルチェンジしない物も)ね。
着てる本人がトラッドに”飽きなければ”の話ですが・・・。
そうそう、古着屋でオールデンのタッセルローファー(ブラウンのカーフ素材のやつ)を手に入れました。
お値段は・・・ニューバランスM576の定価よりちょっと安いくらい。
いい買い物だったと思います。
あとはコイツをどう履き倒すか・・・。
とりあえず「マドラスチェックのシャツ+太目のチノをロールアップ+素足にオールデン」という感じに合わせて、ラルフローレンを気取ってみるのがいいかも。
blackwatch
元ネタ記事を示さなかった理由は、他所のブログにコメントしている人をここでどうこう言及するのが憚られたからです。でも、かえって誤解を生んじゃいましたね。失敗失敗。
というわけで、「アメトラやるにはディオール・オムほどにはおカネは掛かりませんが、しまむらよりはおカネが掛かります」ということで勘弁してください(汗)。
k-d-hideさん、こんにちは。
トラッド系が長持ちするのは確かですが、サイズとか自分の好みを把握するのが難しいんですよね。未だに私は失敗しちゃいます…。
モード系の服は、まあ道楽ですな。貧乏人が手を出しちゃいけません(笑)。フェラーリみたいなもの。
オールデンのタッセルとは、また渋いものを入手されましたね。あちらのブログで取り上げられることを、期待しております…。
ヤマ
トムブラウン×ブラックフリースでもボタンダウンは25000円ほど、ディオールオムでもハットなどの服飾小物も2万円前後と・・・一般的なプライスと同じか、ややお値打ちなものもったまにあります。
なぜこういったアイテムは値段抑えめなのか10代20代前半くらいのファッションに興味をもちはじめた人たちには考えてほしいものです。
blackwatch
そういうのは、「ちょっと頑張れば手が届く」的なアイテムを用意して、ブランドへの興味を持ってもらおうという作戦なんでしょうかね。単にカネが掛かっていないというのもあるのでしょうが。ブラック・フリースのシャツは、どうなのかな。
話が関連するか分かりませんが、デザイナーズブランドの財布にご執心の若者が多いみたいですけど、ああいうのは普段からそのブランドの服を着ている人に身につけて欲しいなぁ。その手のブランドは元皮革製品ブランドであることが多いので、一概には言えませんが。
ヤマ
元皮革製品ブランドのエルメスやルイヴィトンの服はOEM生産工場やクチュールがしっかりしていますが、若者にはどうでしょう。
とはいえ、デザイナーをしているジャンポールゴルティエやマークジェイコブスの服にあわせるのもなぜか違う気もしますが。
blackwatch
例えば、丸井ブランドの服を着ている人がドルガバの財布を持っていたら、何だかなぁと思います。
あと、グッチやプラダは元々は皮革製品ブランドですよね? グッチ等の財布の品質に惚れ込んで買うというのも、なくはないのかなぁと思いました。もっとも、今のグッチと昔のグッチはぜんぜん別物ですな。
エルメスとヴィトンについては、まだまだ皮革製品ブランドの印象が強いですね(「元」皮革製品ブランドという感じはしません)。たぶん会社の中の人も、本業は皮革製品だと思っているのでは? ゴルチエとマーク・ジェイコブスについては、仰るとおりです。
ヤマ
ドルガバは90年代ほどファッションの牽引役ではないし、
70年代のイタリアブランドのライセンスブームのモノよりはましかなと。
グッチもプラダもミウッチャプラダにフリーダジャンニーニ
と女性デザイナーで、ここ数シーズン似たようなテイストを打ち出していますな。
メンズを打ち出す女性デザイナーは二人に限らずテイストがここ数年なぜかどこか似かよってる印象がありますが、同時に高価でもありますな。
blackwatch
いろいろ書きましたけど、心底その財布が気に入っているのなら、どのブランドの財布を使おうが構わないとも思いました(話が振り出しに戻っちゃった?)。
仰るとおり、昔のライセンス全盛時代に比べれば、今の日本人のセンスは向上していると思いますよ。