今日は、ネクタイ(タイ)を取り上げます。《最終更新日: 2019年4月10日》
なんだかんだ言っても、ネクタイ(タイ)
近年はクール・ビズ(Cool Biz)だのウォーム・ビズ(Warm Biz)だのとかまびすしいですが、まだまだ世の中の大多数のビジネスマンの人は、ネクタイをしているのでしょうね。
個人的には、特にクール・ビズには賛成なんです。ただ、まだまだ定着するには時間が掛かるでしょうし、そもそも定着するかどうかも分かりません……。
また、あえてカジュアルスタイルにネクタイを合わせる着こなしもオツですよ。こんな感じ。
- On the Street….Perfect RL, NYC - The Sartorialist
- LONDON - jonathan, covent garden, 01/05/10 | FaceHunter
- CASTOR // men's fashion blog
- OTOMAYIM B DIPPER: Hamid Holloman
- Denim Jacket Fall Essentials - He Spoke Style
- OTOMAYIM B DIPPER: Man in SOHO
- GLOBER | ピッティ・イマジン・ウォモ 2015 Summer
カジュアルスタイルにネクタイを合わせるときは、ウエストコート(オッドベスト、ジレ)やVネックニットベストあたりを加えるとより合わせやすいと思います。上の例でもそういう人が多いですよね。
ネクタイの柄
ネクタイの柄の出し方は代表的なものが2種類ありまして、織りで柄を表現したジャカード織りのものは強いて言えばマジメな雰囲気、プリントで柄を表現したものは強いて言えば華やかな雰囲気になるといえると思います。同じ柄でもけっこう雰囲気が変わります。
柄の種類については、以下に私の思うところを。
- ストライプ、レジメンタル
斜めの縞柄のネクタイで、ネクタイの基本中の基本柄といえます。ストライプの向きについてはイギリス(ヨーロッパ)とアメリカでは向きが逆でして、向かって右上がり(「ノ」の字型)はヨーロッパ式(イギリス式)、向かって左上がり(逆「ノ」の字型)は、アメリカ式。実はけっこう例外もあるようなのですが。
- ストライプ(レジメンタル)ネクタイの向きの意味は?
- Vol.02 Regimental tie|ICON OF TRAD|NEWYORKER|ニューヨーカーマガジン
- TRAD雑記帳25「クラブ・タイ」: HOZKAZ Blog
- Raising the Bar: An Appreciation of the Bar Stripe Necktie - Ivy Style
特に、イギリスの連隊名を示す配色を使用したネクタイを、レジメンタルタイと呼びます("regimental" は「連隊」の意味)。ただしこの手のネクタイは「本来」の意味でも使われているようなので、海外、特にイギリスで着用する場合は注意が必要かも。「おお、君も○○連隊にいたのか? オレもそうなんだ」とか見知らぬ人に声をかけられたりして。
- ドット(水玉)
これも基本柄でして、中でも紺地のものは一本持っておいて損はしないでしょう。かなり無難に万能に使えます。紺地、黒地、グレー(シルバー)地くらいなら冠婚葬祭(フォーマル)用途にも使いやすいはず。ドットの大きさで雰囲気が変わりまして、大きいほどカジュアルに。
- 小紋
細かい文様を散らしたネクタイ。柄次第で雰囲気は変わるので一概には言えませんが、渋い柄のものは大人っぽいスーツと相性が良さそうです。
一方、動物柄やスポーツ柄などの楽しい柄は、アイビーやプレッピーといったスタイルではよく使われます。フランス人もこういうネクタイを好む印象があります。
小紋とは限りませんが、ペイズリー(ペーズリー)柄もネクタイにはよく使われます。意外にカジュアルスタイルにも合わせやすいのでは。
- クレスト
小紋の一種ですけど紋章を柄としたネクタイで、トラッド気分を盛り上げてくれます。アメリカ、もしくはイギリス的な着こなしによく合います。昔からスーツよりブレザー(替えジャケット)向きといわれていたように記憶しています。
ストライプ柄と組み合わせたものはロイヤルクレストと呼ばれるようです(英語でもそう呼ぶのかはよく分からない)。
- ソリッド(無地)
太いストライプや大柄のチェックなど、少々うるさい柄のシャツにネクタイを合わせるなら、ソリッドタイが安心です。着こなしをミニマルにまとめたいときにも多用されます。もちろん、冠婚葬祭にもよく使われますね。特に夜の慶事ならツヤがあるものがよりそれっぽいでしょう。
- これから社会で活躍する若い人にお勧めしたい3種の基本柄ネクタイ | ICON OF TRAD|FASHION|NEWYORKER MAGAZINE
- スーツの着こなし術 基本編 - [メンズファッション]All About
- Today's Tie
ネクタイの素材(生地)、大剣幅(巾)
ネクタイの素材(生地)については、何はなくともシルク(絹)が基本です。そのほかざっくり言いますと、リネン(麻)は春夏向き、ウールやカシミア(カシミヤ)素材なら秋冬向き、コットン(綿)素材は厚みや雰囲気次第。
シルクの中でも、光沢のあるサテン地のものは華やかな雰囲気に。慶事にも向いています。
ネクタイの大剣の幅(巾)については、今の時代は8.5cm前後、8cmから9cmくらいが無難だと思います。往年のアメトラ(アメリカン・トラッド)スタイルを狙うなら、細めの7cmから7.5cmくらいはいかが? 逆にクラシコ・イタリア風を狙うなら、太目の9.5cmくらいでしょうか。
ネクタイの結び方(締め方、巻き方)
ネクタイの結び方(締め方、巻き方)は、プレーンノットが基本。特にアメトラの場合は、結び目は大きくないほうが似合います。ワイドスプレッドシャツにもプレーンノットでたいてい問題ないはずです。でも、ウインザーノットやセミウインザーノットあたりも覚えておいて損はないでしょう。細いネクタイをあえてセミウインザーノットで結んでも面白いかも。
ここで注意したいのは、ネクタイの長さと生地の厚さ。特にイタリア製のネクタイは長くて分厚いものが多いので、気をつけましょう。長いとプレーンノットでは長さが余って困りますし、分厚いと結び目が大きくなってしまいます。
ちなみに、私は背が低く首が細いので、プレーンノットではネクタイの長さが余ってしまうことが多いのです。仕方がないので、そういう場合はダブルノットなどで結んでいます。小剣をパンツに入れる方法もありますが、私はあまり好きじゃないだよなぁ(動くとすぐパンツから出ちゃうから)。
ネクタイの結び方については適当にググっていただいたほうが良さそうですが、とりあえずこんなサイトがありました。
ニットタイ
何を隠そう、私が最も好きなネクタイはニットタイなのです。カジュアルな印象もありますが、ビジネスにももっと積極的に使ってほしいなぁ。
力の抜けた感じが、21世紀っぽいのでは(そこまでいう?)。
Brooks Brothers(ブルックス・ブラザーズ)のレップタイ
ゴールデン・フリース(The Golden Fleece、金羊毛)でおなじみのブルックス・ブラザーズ(Brooks Brothers)は、1818年創業の究極(?)のアメトラブランド。
ブルックス・ブラザーズでは、ストライプタイのことをレップタイ(repp tie)と呼びます。アメリカらしいネクタイが欲しいなら、やはりこのブランドは外せません。ボウタイ(蝶ネクタイ)も常時そろえていますよ。
Drake's(ドレイクス)、Michael J.Drake(マイケル・J・ドレイク)
1977年創業のイギリスのネクタイ・マフラーブランドであるドレイクス(Drake's、Drakes)は、現在最も世界的に人気のあるネクタイブランドのひとつといってよいでしょう。
ネクタイの種類は、やはりすこぶる多いのです。マフラーの評価も高いブランドですよ。
Breuer(ブリューワー)
1892年創業のフランスのネクタイブランドであるブリューワー(Breuer)は、オーストリア(オーストリア=ハンガリー帝国)のウィーンで創業し、その後ベルギーに移り、そして1951年にフランスに移ったとのこと。
意外にアメトラ(アメリカン・トラッド)的な感覚のものが多いのです。ストライプタイの向きはアメリカ式。
J. Press(J・プレス)
J・プレス(J. Press)は、1902年創業のアメリカはコネチカット州のアメトラブランド。ブルックス・ブラザーズは良くも悪くも国際的なブランドといえますが、J・プレスはアメトラどっぷり(?)という印象があります。
ネクタイは、レジメンタルタイとクレストタイが充実していますね。レジメンタルタイはやはりアメリカ式です。大剣幅は8cmから9cmくらいで、商品により異なりますので確認してください。日本製が中心です。
John Comfort(ジョン・コンフォート)
ジョン・コンフォート(John Comfort)は、1908年創業(「ジョン・コンフォート」という社名になったのは1920年)のイギリスの名門ネクタイブランド。一時期ブランドは消滅していたようですが、2016年にフェアファクス・コレクティブ(Fairfax Collective)によって復活しました。日本製。
むかし私が通っていた仕立て屋さんで見たジョン・コンフォートのネクタイは、厚みと存在感がそれはそれは素晴らしいものでしたが、今回はそれを目指して復活しているのだと思います。
こちらは、シルクネクタイ各種。大剣幅8cmの標準幅で、特に50オンスのものはイギリスのアダムリー(Adamley)社のシルクを使っています。柄と発色のセンスがトラッドファンを大いに引き付ける仕上がりだと思いますよ。
ペイズリーや小紋柄は大人っぽさが魅力。ストライプタイはイギリス式もアメリカ式もあります(昔からアメリカ式もつくっていたと思われます。別注商品だったのかな?)。クレストタイにも注目してください。
Penrose(ペンローズ)
ペンローズ(Penrose)は、2008年に誕生したイギリスはロンドンのネクタイブランド。カフリンクスで有名なデュシャン(Duchamp)のデザイナーだった人が立ち上げたとのこと。
ツヤのある少し派手めの柄が中心ですが、これはこれでとてもブリティッシュな柄なのです。堅い雰囲気のブリティッシュスーツに合わせるとよく映えるはず。大剣幅8cmくらいでイギリス製。
Lands' End(ランズエンド)
アメリカのアパレル通販の雄であるランズエンド(Lands' End)は、当然のことながらネクタイも得意としています。
アメトラやるなら、やはりアメリカのネクタイ? やはり、アメトラにバッチリ合うネクタイがそろっていますよ。お値段もお手頃。
Fairfax Collective(フェアファクス・コレクティブ)
現在の日本を代表するネクタイブランドといえるフェアファクス・コレクティブ(Fairfax Collective)は、有名ブランドのネクタイのOEM生産も数多く手がけているブランドです。実は、上記のドレイクスの国内分もフェアファクス製なのです。
比較的お手頃価格で、しっかりしたネクタイを入手できるブランドといえます。
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追記
- (2006年1月29日)商品を大幅に追加。
- (2006年7月16日)商品を大幅に追加、入れ替え。
- (2006年11月5日)商品を大幅に追加、入れ替え。
- (2007年3月15日)商品を追加、入れ替え。
- (2009年4月17日)商品を追加、入れ替え。
- (2010年3月25日)2010年春夏最初の更新。
- (2010年5月23日)商品を追加、入れ替え。
- (2011年4月11日)2011年春夏最初の更新。
- (2011年10月15日)2011年度秋冬最初の更新。
- (2012年5月1日)2012年春夏最初の更新。
- (2013年1月14日)2012年度秋冬最初の更新。
- (2013年5月4日)2013年春夏最初の更新。
- (2013年12月4日)2013年度秋冬最初の更新。
- (2014年4月15日)2014年春夏最初の更新。
- (2015年1月7日)2014年度秋冬最初の更新。
- (2015年4月18日)2015年春夏最初の更新。
- (2015年11月23日)2015年度秋冬最初の更新。
- (2016年5月11日)2016年春夏最初の更新。
- (2017年4月22日)2017年春夏最初の更新。
- (2018年1月2日)2017年度秋冬最初の更新。
- (2019年4月10日)2019年春夏最初の更新。
この記事へのコメント
yamatoshi-1
そろそろクールビズの季節ですね。決してイケメンの部類ではない(涙)私にとってネクタイなしの
これからの季節は何とも格好がつかない憂鬱な時期です。電車の中でよく見かけるのがデザイン過剰ぎみなシャツにスーツの組下のパンツ、やたら捨て寸の長い靴を履いたビジネスマン諸氏。
どうせノーネクタイだったら白色の開襟リネンシャツにグレーのスラックス、バスやリーガルのローファーを履いている方がよっぽどまともなビジネスマンに見えると思うのですが。
話が少し脱線してしまいましたが、カジュアルな格好の場合に合わせる時にニットタイ以外のネクタイを合わせるのは変ですかね。着こなしが物足りない時にネクタイを合わせようと思っているのですが何とない違和感があります。
blackwatch
ヘンなビジネスマンの格好は、そのうち淘汰されるんじゃないでしょうか。それが流行ってモンです。ただそうなったらそうなったで、また別のヘンな格好のビジネスマンが出てくるんでしょうけど(笑)。
ネクタイですが、ニットタイでないネクタイももちろんカジュアルに合わせられますよ。色・柄や素材(コットン、リネン、ウールなど)がカジュアルなものを選べば、成功しやすいと思います。
カジュアルなネクタイスタイルは、ラルフ・ローレンが得意としています。過去のコレクションをいっぱい見てみてください。
http://blackwatch.seesaa.net/article/147760135.html
あと、今の時代ならナロータイも合わせやすいでしょうね。ビジネスなら今は8~8.5cm幅くらいが普通ですが、それよりもさらに細いものがカジュアルに使いやすいでしょう。
white stripes
唐突なのですが、ストライプのスーツにストライプのネクタイを合わせるのはナシなのでしょうか?
blackwatch
よく言われることですが、スーツやシャツ、ネクタイでストライプ柄を重ねて使う場合は、それぞれのストライプの幅を変えると合わせやすいと思います。例えば、スーツのストライプ幅が広かったらネクタイのストライプ幅を狭くする、というように。
といっても場合によってうまく行ったり行かなかったりしますので、最終的には実際に合わせてみてしっくり来るかどうかでしょう。