今日は、プレーントウ(プレーントゥ、プレーントゥー)の革靴(靴、シューズ)を取り上げます。《最終更新日: 2017年8月25日》
プレーントウとは(プレーントゥとは)
プレーントウとは、甲や爪先に何も飾りのない簡潔な意匠の靴のこと。それだけに、守備範囲が広くいろいろな着こなしに対応してくれる便利なヤツです。
実はひと口にプレーントウといってもいろいろありまして、ざっくり以下の5つに分けてみました。
- 外羽根式で、コバや靴底がゴツいもの
- 外羽根式で、コバや靴底がゴツくないもの
- 内羽根式
- 外羽根式で、鳩目(アイレット)の数が2~3個のもの(Vフロント)
- ホールカット(ワンピース)
ん、別にプレーントウでなくても、このように分けられるような……? まあいいでしょ(汗)。内羽根や外羽根がなんのことか分からない人は、こちらの記事を参照のこと。
- 外羽根式で、コバや靴底がゴツいもの
-
外羽根式で靴底がダブルソールで、コバ部分にストームウェルトもしくはスプリットウェルトが付いているようなプレーントウのこと。いかにもアメトラ(アメリカン・トラッド)らしい靴といえます。オールデン(Alden)などのアメリカブランドでは、当然ながら定番モデルになっています。
こういう靴は本来はカントリー向けというかカジュアル向けというか、普通はドレススタイルには合わせないものなのですが、アメトラの世界ではスーツに合わせてよいみたいです。というか、特にI型スーツにはあまりエレガントな靴は似合わないのですよ。
一方、重厚なブリティッシュスーツにはこういう靴は基本的には合いません。スーツ以外では、もちろんカジュアルスタイルにも問題なく使えます(特に茶系は使いやすいでしょう)。
ところで、外羽根式の靴もさらにブルーチャー(blucher)とダービー(derby)の2種類に分類できます。
- 外羽根式で、コバや靴底がゴツくないもの
-
ストームウェルト(スプリットウェルト)が付いていないもの。まあ普通のプレーントウですね。これならたいていのスーツに合わせられますし、カジュアル用途もOK。
良くも悪くも無難な靴といえます。ただ、野暮ったいシルエットやデザインの靴だと、着こなしがつまらなくなるかもしれません。
ブリックソールのホワイトバックスやダーティーバックス、それにウェッジソールのポストマンシューズでは、このデザインのものが多いですね。そしてどちらかというと、ダービー型が多いように思います。
- 内羽根式
-
内羽根式のプレーントウは、最もフォーマルな靴のひとつと言えます。カジュアル用途では普通使いません。ビジネススタイル、または冠婚葬祭(フォーマル)にどうぞ。
特に、夜のフォーマルスタイルにはストレートチップより合うのではないかと、個人的には思います。
- 外羽根式で、鳩目(アイレット)が2~3組のもの(Vフロント)
-
外羽根式の一種なのですが、特に鳩目(アイレット)が2~3組の靴。Vフロントとも呼ぶようです。
外羽根ですがフォーマル度が比較的高い靴とされていまして、冠婚葬祭にも対応するとされています。もっとも、内羽根式のものよりはフォーマル度は落ちるとは思いますが。
50年代(1950年代)から60年代(1960年代)にかけてよく履かれていた靴という印象があります。ちなみに、ジェームズ・ボンドもご愛用。
- ホールカット(ワンピース)
-
継ぎ目のない一枚革でつくられた靴を、ホールカット(あるいはワンピース)と呼びます。近年知名度が上がってきました。質の高い皮革を使用していないと、こういう靴はつくれません。
究極に簡潔な意匠ということもあり、冠婚葬祭にも対応するようです。ヨーロピアンでエレガントなスタイル、特にフレンチ系のスタイルによく合いそう。
Regal(リーガル)
リーガル(Regal)の定番靴を別記事で大きく取り上げていますが、リーガルブランドの歴史は実は意外にけっこうややこしい(?)のです。詳しくは、リーガルの記事をご覧ください。
リーガル・スタンダーズ(Regal Standards)は、リーガルのラギッドで機能的なコレクション。2017年に刷新されました。
50RR CEは、外羽根式でストームウェルト(スプリットウェルト)仕様のどっしりしたプレーントウ。アメリカの名門ホーウィン(Horween)社の名作オイルレザーであるクロムエクセル(Chromexcel)を使用していて、履き込むとラギッドな味が出るでしょう。ゴツくなりすぎないリッジウェイソール仕様。グッドイヤーウェルト製法で日本製です。
この写真では靴紐(シューレース)をパラレルで結んでいますけど、オーバーラップもしくはアンダーラップで結んだほうがアメリカ靴らしさが出るかもしれません。
Regal Shoe & Co.(リーガル)のプレーントウ
今の日本を代表する靴ブランドであることは間違いないであろうリーガル(Regal)は、アメリカのブラウン(Brown Shoe)社を母体に日本製靴が1961年に国内ライセンス生産を開始したのが始まりです。
Regal Shoe & Co.は、リーガルのこだわりのコレクション。昔ながらのデザインの靴を高品質でつくっています。
945Sは、まさにアメトラなブルーチャー型外羽根式プレーントウ。この手の靴は新興ブランドもつくっていますが、さすがリーガルはアメリカらしい雰囲気がよく出ています。ブリタニー(Brittany)ラストという安定感のある木型を採用。グッドイヤーウェルト製法で革底仕様です。日本製。
814Sは、防水透湿性に最高に優れたゴアテックス(Gore-Tex)を内蔵したプレーントウ。悪天候時にもアメトラを隙なく楽しめるのはうれしいですね。グッドイヤーウェルト製法でリーガルお得意の合成ゴム底仕様。日本製です。
Shetlandfox(Shetland Fox、シェットランドフォックス)
シェットランドフォックス(Shetlandfox、Shetland Fox)は、おなじみリーガルコーポレーション(Regal Corporation)の一ブランド。1982年に登場し一時消滅していましたが、2009年に復活しました。リーガルの上級ブランドといえます。基本的にグッドイヤーウェルト製法で日本製。
Winston(ウィンストン)は、2016年に登場したシェル・コードバン(シェル・コードヴァン)を使用したライン。透明感のある(おそらく日本製の?)水染めコードバンを使用しています。木型はどっしりとしたラウンドトウ。
046Fは、ストームウェルト(スプリットウェルト)付きのダブルレザーソール(革底)仕様のいかにもアメトラな外羽根式プレーントウ。ダービー型なのでリーガルの定番2504っぽいですね。
Duke(デューク)は、2016年に登場したクラシックなラウンドトウの木型を採用したライン。コバの角を落としたヤハズ仕上げを施し、さらに伏せ縫い(ヒドゥン・チャネル・ソール)仕上げの靴底は高級感があります。057Fは、ホールカット。この手の靴は高級感のある仕上げが似合います。
Inverness(インバネス)は、2009年に登場したシェットランドフォックスの主力ライン。まさに定番的なクラシックなラウンドトウの木型を採用しています。革底仕様。007Fは、スマートな外羽根式プレーントウです。
Coventry(コベントリー)は、シックなゴム底(ラバーソール)であるダイナイトソール(Dainite Studded Rubber Sole)を採用した2014年に登場のライン。雨の日にも心強いでしょう。木型はラウンドトウ。001Fも、スマートな外羽根式プレーントウ。外羽根の意匠がちょっと優雅に仕上がっています。
Brooks Brothers(ブルックス・ブラザーズ)
ブルックス・ブラザーズ(Brooks Brothers)を別記事で大きく取り上げていますが、アメトラ(アメリカン・トラッド)の雄のブルックス・ブラザーズでは靴も扱っています。
ピール・アンド・カンパニー(Peal & Co.)はもともとはイギリスの靴ブランドでしたが、廃業をきっかけにブルックス・ブラザーズが買い取ったのです。今では、イギリス製の靴はこのブランド名でつくっていることが多いようです。
カーフ素材の内羽根式プレーントウは、ビジネスにもフォーマルにも使えます。ドレッシーなスーツに合わせてください。グッドイヤーウェルト製法で革底仕様。
エナメル(パテントレザー)製の内羽根式プレーントウは、まさに最もフォーマルな靴のひとつ。夜の式典やパーティーなどに使用してください。タキシードにも対応します。グッドイヤーウェルト製法で革底仕様。
Wheelrobe(ウィールローブ)のPTB
ウィールローブ(Wheelrobe)は、2015年に誕生した東京の靴ブランド。アメリカ好きにはグッと来る靴をつくっていると思います。基本的にグッドイヤーウェルト製法で、日本製。外鳩目仕様の靴が多いのも特徴。
Plain Toe Blucher 15066は、いかにもアメリカ的な外羽根式プレーントウ(いわゆるPTB)。アメリカ海軍の靴を参考にしたという314という木型(ラスト)を使用しています。オールデンあたりのプレーントウを、よりラギッドに、そしてよりヴィンテージっぽくした仕上がりといえるでしょう。
甲革にはアメリカの名門ホーウィン(Horween)社のクロムエクセル(Chromexcel)という丈夫な名作オイルドレザーを使用。ガシガシ履きこんでください。革底の上にラバーを貼った仕様で、かかとは靴好きにはおなじみのキャッツ・ポー(Cat's Paw)のラバーヒール。
TOMODAのパーソナルオーダー(宮城興業)
どうしても既成靴では足が合わない方や、気に入った色のものがない人は、靴屋TOMODAのパーソナルオーダーシステム、誂え靴「友郎(Tomorow)」はいかがでしょう。
甲革(アッパー)の色や素材、や靴底(ソール)の形式が選べるのはもちろんのこと、サイズもlength(足長)だけでなく、width(足囲、ウィズ、ワイズ)も選択できます。なんと、D、E、EE、EEE、EEEE、Fの、6種類! 注文するときには、サンプルシューズ(ゲージ靴)が送付されて試し履きが出来るので、通販でも安心です。
製法はもちろんグッドイヤーウェルト。デザインも非常に正統派で、長く愛用できること間違いなし!
ES-08(「久」)はブルーチャー型外羽根式プレーントウ、ES-12(「和」)はダービー型外羽根式プレーントウ、そしてES-01(「千」)は内羽根式プレーントウです。
オプションのストームウェルトとダブルソールを指定すると、アメトラらしい仕上がりになるでしょう。
チゼルトウのものもありますが、このブログとしてはラウンドトウのものをオススメしたい。値段については、パーソナルオーダー(パターンオーダー)にしてはたいへん良心的だと思います。
なおここのオーダーシューズは、宮城興業の工場でつくられています。靴好きには、結構有名なところです。
Alden(オールデン)
日本で最も人気のあるアメリカのドレスシューズブランドであろうオールデン(Alden)は、1884年創業のアメリカの靴ブランド。
オールデンの名作はたくさんありますが、プレーントウの990は代表作のひとつでしょう。お得意のシェル・コードヴァンを使用していて、アメトラを代表する一足といえるかも。
Allen Edmonds(アレン・エドモンズ)
オールデンと並ぶアメリカの名門ドレス靴ブランドであるアレン・エドモンズ(Allen Edmonds)は、1922年創業のアメリカはウィスコンシン州の靴ブランド。私はここの靴をたぶん20足以上持っているかもしれません……。
定番のLeeds(リーズ)は、まさにアメトラらしい外羽根式プレーントウです。
Church's(チャーチ)のShannon(シャノン)
英国、いや世界を代表する既製靴ブランドといってもよさそうなチャーチ(Church's)は、1873年創業のイギリスの老舗靴ブランド。
Shannon(シャノン)は、数あるチャーチの名作の中でも人気の高いモデルのひとつ。オールデンよりもちょっとゴツいデザインです。
Tricker's(トリッカーズ)
英国王室御用達(ロイヤルワラント)ブランドでもあるトリッカーズ(Tricker's)は、1829年創業のイギリスの靴ブランド。
ゴツい靴底のカントリーシューズを得意としていますが、プレーントウもあります。
Clarks(クラークス)
今のカジュアルシューズを代表するブランドといってよさそうなクラークス(Clarks)は、1825年創業のイギリスの靴ブランド。
プレーントウ型のデザート・ロンドン(Desert London)は、デザートブーツを短靴にしたような仕様の靴。夏でも履きやすいクラークスといえます。
Jalan Sriwijaya(ジャラン・スリウァヤ、スリワヤ、スリウィジャーヤ)
ハンドソーンウェルト(ウェルテッド)製法とグッドイヤーウェルト製法を交ぜた製法を採用しているジャラン・スリウァヤ(Jalan Sriwijaya)は、もともとは1919年創業のインドネシアの靴工場だったそう。2003年に「ジャラン・スリウァヤ」ブランドが誕生しました。
この製法特有の履き心地が柔らさが、すこぶる好評です。見た目も端正で、これだけの靴がこの値段なのはインドネシアの人件費が安いからできる芸当なのでしょう。
Hiroshi Tsubouchi(ヒロシ・ツボウチ)
坪内浩氏がデザインするヒロシ・ツボウチ(Hiroshi Tsubouchi)は、2008年に誕生した靴ブランド。流行をセンス良く料理した靴をつくっています。
トラッドですが遊び心のある仕上がりの靴が多く、いま注目の靴ブランドのひとつといえます。
Regal(リーガル)
今の日本を代表する靴ブランドであることは間違いないであろうリーガル(Regal)は、アメリカのブラウン(Brown Shoe)社を母体に日本製靴が1961年に国内ライセンス生産を開始したのが始まりです。
リーガルの外羽根式プレーントウは、昔からつくられている大定番モデルです。
ブリックソールのホワイトバックス、ダーティーバックス
ブリックソール仕様のホワイトバックスやダーティーバックスは、往年のアメトラには欠かせなかったカジュアル靴。赤いソールが堪りません……。いま再び新鮮です。
ブリックソールの靴の基本型といえば、やはりプレーントウ型なのです。ウォークオーバー(Walk-Over)が代表格。
ポストマンシューズ
郵便配達人が履いている靴であるポストマンシューズは、かかと部分も含め靴底が平らなフラットソール仕様のゴム底(ラバーソール)になっている点が大きな特徴です。
この手の靴は、たいていプレーントウ型ですね。仕事靴なのでマジメな印象なのですが、カジュアル感もある面白いバランスの靴といえます。
他の記事も……
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そうそう、プレーントウは「モード」な服にも合わせられるんですよ。トラッド革靴では唯一? それだけ、適用範囲が広いということです。
なお当ブログについては、当ブログの目次も参考にしてください。
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- 革靴のお手入れの方法
追記
- (2005年8月27日)商品を追加。
- (2006年1月28日)商品を追加。
- (2006年7月28日)商品を追加。
- (2007年7月7日)商品を追加、入れ替え。
- (2008年7月27日)商品を追加、入れ替え。
- (2009年8月16日)商品を追加、入れ替え。
- (2011年8月19日)2011年春夏最初の更新。
- (2012年8月31日)2012年春夏最初の更新。
- (2014年6月26日)2014年春夏最初の更新。
- (2017年8月25日)2017年春夏最初の更新。
この記事へのコメント
会社員25歳
先日、宮城製靴のパターンオーダーの靴を試し履きしてみました。
価格は29800円です。
若干甲高傾向で、アキレス腱の部分が緩めでした。
日本人の足に合わせて作ってあるようです。
僕は、幅狭の甲低なのと、アキレス腱が細いので合いませんでした。
パターンオーダーでは、甲とアキレス腱の部分は修正不可なので、
向き不向きがあると思います。
最近の20代の人は、足が細いので合わない方が多いかもしれません。
blackwatch
上で紹介している靴屋TOMODAも、宮城製靴ですね。
宮城製靴では確か一番細いのが width "D" ですから、Dでも合わなかったということですか。普段は、どのくらいの靴をお履きになっています?
ま、私もDでは緩くてダメなんですけど。
せっかくですから、宮城さんももう少し細い木型(ラスト)を作ってくれるといいのに。CとかBとか。太いほうは、豊富なんですけどね。
とにかく、貴重な情報のご提供、ありがとうございました。
クラコフ
いつも楽しく拝読させていただいております。こちらのブログを発見して以来、アメトラの魅力の虜になっている現在二十歳の学生です。
いままで服にばっかりお金を投資していてもっぱら靴はスニーカーばかりだったのですがこの夏、革靴をとりあえず三足購入する予定を立てています。といっても学生ゆえあまり資金はないのでオールデンなんかは買えませんが(笑)
実はもうすでにこないだセール中に茶系のバーウィックのローファーとGLRにて値段の割には出来が良いと思う(というか高いブランドの物との違いがあまりわかりません)ホワイトバックスを購入しました。近いうちにシューケア用品を揃えてからガンガン履こうと思っています。
今の所最後の一足はスウェードのチャッカブーツ(もしくはクラークスのデザートブーツ)あたりが気になってるのですが他にオススメな靴はありますでしょうか?blackwatchさんが思う「アメトラやプレッピーな格好をしたいならこの靴は押さえとけ」みたいなのをぜひお教えください。
blackwatch
実は私が20歳くらいのころは、正直言ってロクな革靴を履いていませんでしたよ。よく履いていた革靴らしい靴は、以下の2足。
・(レザーのモカシン型)デッキシューズ(春夏)
・デザートブーツ
デッキシューズは、春夏のアメトラスタイルならかなり万能に使えます。デザートブーツは、アメトラに限らず特に秋冬ならほぼ無敵(?)。これにペニーローファーとスニーカーがあれば、かなり着まわせそうです。
ホワイトバックスはどうしてもいろいろ気を使って履く必要があるので、正直言って革靴が揃っていない方向きではなかったかも…。でも、そのぶんお洒落な雰囲気はありますよね。
以上にさらに付け加えるとすれば、以下の2足が後補でしょうか。トム・ブラウン的な着こなしには必須。ビジネススーツにも合わせられますし。
・外羽根式プレーントウ
・外羽根式ロングウイングチップ
ブランドはAldenやAllen Edmonds等が理想ですが、ラウンドトウでコバが張っていれば他ブランドでもよいでしょう。プレーントウのほうが、ロングウイングより汎用性が高いです。その代わり、ロングウイングには面白みがあります。
さらに加えるなら、コンビのサドルシューズですね。とってもアメトラらしい靴です。
…いろいろ書きましたが、とりあえず今のクラコフさんの状況なら、やはりデザートブーツがいいんじゃないでしょうか。チャッカよりもデザートブーツのほうがカジュアルかつ手入れもラクで、学生さん向きだと思います。
クラコフ
ホワイトバックス・・・確かに購入する前この美しすぎるくらいの白さは自分にはちょいと荷が重いかも・・なんて思ったのですがやはりそうでしたか。自分はちょっとの汚れも許せないタイプなのでこれから苦労しそうです(笑)
デザートブーツは今度購入してみます。デッキシューズもかなり捨て難いですけどこれからの秋冬を考えるとやっぱりこっちですかね。色々な方が絶賛する靴ですので今から購入が楽しみです。
プレーントウやロングウイングチップもかっこいいですよね。いずれほしいとは思っていましたが・・買うならやっぱり貯金してでもオールデンがほしいですね。自分みたいな青二才にはまだまだ早いブランドかもしれませんが・・でもかっこいいし(汗)
あとすみませんがせっかくですのであと二つ質問を追加させてください。
オールデンを買うなら資金の問題もありデットストックやそれに近いものを狙ってるんですが大体相場としてはいくらくらいなものなのでしょうか?ちなみに東京だったらそういったのがどこの販売店に置いてあるか教えていただけると・・・
二つ目の質問は靴の管理についてなのですが購入時の靴箱に入れてそのまま収納しておいても問題ないでしょうか?我が家の事情で箱に入れるしか収納方法がないのですが夏場はカビとか心配でして・・・
blackwatch
デッドストックの相場やお店については、私もぜんぜん詳しくないんですよねぇ。私はネットオークション専門でして(サイズが分かっているので問題ない)。とりあえず、Yahoo!オークションあたりでAldenを検索すると少しは相場が分かるかも。
いずれにせよ、安く買いたいのであれば程度の良い中古(ユーズド)かなと。デッドストックは高いと思います。
ちなみに私は、アメリカのeBayでAllen Edmondsを落とすことが多いです。アメリカではAllenのほうがAldenより知名度が高く、出品数も段違い。
箱収納する場合は、型崩れしないよう無理な収納をしないことと、収納する前に汚れや湿気を取り除いておくことが肝要だと思います。履いた後すぐ収納するのはダメで、少なくとも丸1日は放置して乾いた状態にしておきたいところ。頻繁に履く靴は、箱に収納するヒマがないような…。
クラコフ
これからはblackwatchさんのことを勝手ながら自分の中のファッションの師として崇めさせていただきます(笑)
blackwatch
まあ亀の甲より年の功でして、そりゃあ20歳の方に比べれば年季が違うのは確かです。と言うか、そうじゃないと困ります(笑)。
あと、頭でっかちはそんなに悪いことではないですよ。コンサバなスタイルは、センスがなくても知識で結構補えます。あとは経験。
レフ
このあいだはコメントありがとうございました。その後パラブーツのウィリアムを買いましてとても良い感じです。
紐が無いぶん、サイズ選びでもの凄く迷いました。が、履いた日からすぐ馴染むものですね。
オールデンのプレーントゥがずっと欲しいのですが990は探しても全然出てきません。
この間たまたまVチップ(54321)を見付けてサイズもまだありました。
ずっと欲しかった990を待つか、Vチップにするか迷います。
よろしければコメント頂きたいです。
よろしくお願いします。
blackwatch
990と54321は雰囲気はけっこう違うのですが、用途は比較的近いように思います。54321のVチップはモカ縫いが目立ちませんから(濃色ならなおさら)プレーントウ感覚で履けます。どちらもアメトラならスーツに合わせられるでしょうし。
注目すべきは、やはりゴツさの違いでしょう。ストームウェルト付きの990はゴツいので、ボリュームのあるアウターを合わせてもバランスを取りやすいと思います。反面、真夏にはちょっと暑苦しいかも。
体型を考慮する考え方もあります。ガッチリ体型の人は990のほうが似合いやすいでしょう。足(足長)が身長のわりに小さい人も990のほうが似合いそうです。逆の体型なら54321が似合うでしょう。
この2つは木型(ラスト)が異なりますから、足に合うほうを選ぶという考え方もあります。
レフ
blackwatchさんと知り合えて本当に良かったと思っています。感謝です。
自分は990は試着したことがありませんが痩せ型です。ですのでblackwatchさんのアドバイスを参考にして、せっかくの初オールデンをオールシーズン履くとすると54321にしようと思います。990はどのお店に聞いても2~3年は入ってきていないと言われますし。
ラストもこちらで勉強させていただいてます。いつもありがとうございます!
blackwatch
対応する着こなしや体型について書きましたが、分かりやすくするためにちょっと極端に書いた感もあります……(気にしすぎる必要もないかと)。
いずれにせよ、54321もこれを逃すと入手困難になるかもしれませんから、やはりとりあえず入手しておくというのは正しい判断ではないかと思います。間違いなく良い靴ですし、Alden以外ではああいう靴はほとんどつくっていませんし。
つっちー
革靴全般に共通するのでどちらの記事に投稿するべきか考えたのですが、革靴の基本ということでこちらにさせていただきます。
ハトメについて気になったのですが、例えばオールデンやリーガルは表から見えないことが多い一方、トリッカーズは表から見え、本体と同色に塗られていたり金属色のままだったりしますよね。
表に出ていると(金属色だとなおさら)荒い雰囲気ですしカントリー寄りなのかなとは思ったのですが、やはりこれらの差は合わせる服にも影響を及ぼすのでしょうか。
また、やや形式張った質問なのですが、ボタンダウンシャツにブレザー+各種パンツのような普遍的なアメトラに取り入れられる、あるいは取り入れられない靴の境界をお教えいただければ幸いです。
よろしくお願いします。
blackwatch
鳩目が露出しているいわゆる「外鳩目」仕様の靴は、カントリーシューズやワークシューズのほかにも、サドルシューズなどに採用されているようです。
おっしゃるとおりカジュアル寄りの仕様でして、堅い雰囲気のビジネススーツ(特にブリティッシュスーツ)や優雅で都会的な着こなしには不向きです。
ですが、特にアメトラは比較的このようなカジュアルさに寛容ですから、ブレザーに合わせるくらいなら、ちょっとした「ハズシ」ということを理解しているのなら可能でしょう。
例えるなら、ゴツいラグソール(コマンドーソール)の靴をブレザーに合わせられるか、みたいなものかもしれません。センスやTPO次第では可能です。もちろん鳩目は靴底ほどには目立ちませんから、これは極端な例ですけど。
つっちー
毎回相談に乗っていただき本当にありがとうございます。
ハズシになりうるということはアメトラ「らしさ」という点ではやや弱いということですよね…。
らしい靴の位置づけとしては、正統のブリトラほど洗練されておらず、カントリー用ほどごつくないラインなのでしょうか。
加えて、アメトラは外羽根の印象だったのですが、白井俊夫さんのお写真を見ると割と内羽根も見受けられます。内羽根(フル・セミ・ハーフブローグ)を合わせるというのは一般的なのか、これもお教えいただきたいです。
blackwatch
外鳩目は、けっこうアメトラっぽい仕様だとは思いますよ。ドレス度が下がるというだけです。リーガルの定番サドルシューズ2051は外鳩目ですし、Aldenのサドルシューズにも外鳩目のものをよく見かけます(別注物が多そうですが)。
http://blackwatch.seesaa.net/article/3901267.html
https://blackandtannedny.wordpress.com/2011/03/08/alden-saddle-shoes-color-8-shell-cordovan-brown-alpine-grain/
逆にいうと、サドルシューズだけなのかも。AldenやAllen Edmondsあたりですと、昔からある定番ドレスシューズでサドルシューズ以外に外鳩目のものはあまりないように思います。カジュアルな仕様という位置付けなのでしょう。
私の感覚としては外鳩目は、ブレザーにグレーウールパンツというビジネススタイルだとちょっとハズシ気味、ブレザーにチノパンツくらいなら合うと思います。
といいますか、つっちーさんは何か具体的な靴を想定していらっしゃるのでしょうか。「この靴はアメトラ的なのか」と具体的に訊いていただいたほうが話が早そうです。
それから、アメトラでも内羽根式は普通に使うと思いますよ。昔のAllen Edmondsのカタログを見ても内羽根式は少なくないですし。Allen Edmondsを代表する靴であるPark Avenueは内羽根式ストレートチップです。
http://blackwatch.seesaa.net/article/151518477.html
ちなみに、白井さんはアメトラどっぷりの人ではないですよ。近年はどちらかというとクラシコ・イタリア志向の人だと思います。
つっちー
ご返信ありがとうございます。
おっしゃるようにサドルシューズはむしろ外鳩目をよく見る一方で、他に外鳩目を探すとカントリーっぽい靴が多く、アメトラ的ではないのかなと感じたのですが、単にカジュアルな意匠というだけなのですね。
今回は具体的な靴を想定してというよりは、以前よりモヤモヤしていた疑問を尋ねさせていただいた次第です。
できれば靴を購入する際に迷わないよう、予め網羅的で線引きの明確な知識を入れておきたいと思うのですが、そこまで単純ではありませんね…。
白井さんについては来歴などからアメトラ寄りの方と誤認していました。
内羽根への敬遠といい若干僕には固定観念みたいなものがあるようです。
改めて、またご相談に乗ってくださり助かりました、ありがとうございます。
blackwatch
Tricker'sのカントリーシューズは、基本的にはハンティングシューズと考えてよいと思います。アメリカで相当する靴としては、Russell Moccasinなどのモカシン靴やRed WingのIrish Setterあたりが挙げられそう。だいぶ雰囲気が違いますね。実はけっこう過酷な条件で履く靴なのです。
アメリカのドレスシューズブランドではこういう靴は定番的にはあまりつくっていませんけど、強いて言えばAldenのIndy Bootが相当するでしょう。
で、これらはいずれも外鳩目仕様。ワークブーツ類全般もそうですね。デッキシューズやスニーカーも同様。外鳩目というのは本来こういう位置付けなのです。堅牢さが求められる実用靴のための仕様。
逆に、Tricker'sでもドレスラインの靴は内鳩目です。といいますか、どの国においても定番的なドレスシューズはそのほとんどが内鳩目だと思われます。アメトラのサドルシューズが例外的。
コーサク
こんにちは。
この度もまた一つご教授頂きたいことがありコメントしました。
ALDEN990(プレーントゥ)に合うアウターとなると
何になりますでしょうか?
ALDEN990の真冬のコーデで調べてるのですが、なかなかこれと
思うものが出て来ず。。出来ればアクティブ系の動きやすいアウター
で探してるのですがALDENはトラッドな靴なので難しいでしょうか?
またイタリアもののアウター(ステンカラー)と
合わせるのは邪道でしょうか?
すみませんがどうか宜しくお願いします。
blackwatch
Aldenの990なら、当ブログで紹介しているようなアウターウェアならたいてい合いそうですけどねぇ。「アクティブ系」というのが具体的にどういうものなのかよく分かりませんので、なんともいえませんが。
とりあえず、ブリティッシュスーツには合いません。スニーカーしか合わせにくいようなアウターウェアにも合わせにくいでしょう(これは990に限らず革靴全般にいえますが)。
イタリアっぽいコートでも、たいてい大きな問題はなさそうに思います。もっとも、アルマーニのスーツには合うような気がしませんけど。
コーサク
こんにちは。
ご回答誠に有難うございます。
「アクティブ系」のアウターに関して言葉足らずで申し訳ありませんでした。
私の思うアクティブ系は単純にダウンジャケットのようなものを想像してたのですが
例えばモンクレールにオールデン990はさすがにおかしいですよね。。?
それ以外のアクティブ系(軽量で動きやすく、あまり気を使わなく着れるようなもの)
に対してあまり知識がなく、もしそれらでオールデン990にマッチするものがありましたら
是非教えていただけないでしょうか?
(そもそもオールデン990と何らかのアウターを合わせてるコーディネート画像が
あまり見つかりませんでした)
イタリア系コートの件ですが、こちらのサイトでも紹介されてる「ヘルノ」というブランドの
ステンカラーコートを所有していますが、こちらに合わせても問題ないでしょうか?
https://www.bronline.jp/mall/brshop/item/detail/26164/?shop_mode=
(*この「Laminar」ではないのですが、見た目はほぼこちらとほぼ変わらないものです)
気になった理由としましては、あまりこのヘルノとオールデンを合わせてるコーディネート画像が
見つからなかったこと(どちらかというとイタリアやブリティッシュ系の靴と合わせてるものが多い)から
イタリアものとアメリカものをミックスするコーデはあまりないのかと思い質問させて頂いた次第です。
すみませんがどうか宜しくお願いします。
blackwatch
ダウンジャケットにもいろいろありまして、近年は都会的で大人っぽいものもよくあります(例えばBrooks Brothersで扱っているダウンジャケットとか)。そういうものにはドレスシューズも合うはずです。スーツにダウンジャケットを合わせることもありますが、そういう場合は靴はドレスシューズですよね。
もっとも、もっとスポーティーなダウンジャケットを想定されているのなら、素直にスニーカーあたりに合わせるほうが無難かもしれません。といいますか、けっこう着こなし術次第なんですよ。
プレーントウは、ドレスシューズの中では比較的トラッド色が薄いように思います。ポストマンシューズやオフィサーシューズの類はプレーントウですし。コードバンの990なら存在感がありますので、カジュアルに着こなしやすいのでは。一方、ウイングチップのようなブローグが入った靴だとトラッド色が濃くなります。
Hernoのステンカラーコートにイタリアらしさはほぼ感じません(具体的にどこか感じるところがありますか)。どこの靴を合わせても問題ないと思います。
どこの国のブランドかという「記号」にとらわれ過ぎていませんか。アメリカブランドがイタリアっぽい服や靴をつくることもあります(もちろんその逆もあります)。Aldenの990はイギリスのChurch'sの代表モデルのひとつであるShannonと仕様はほぼ同じです。「記号」ではなく実際の「物」で判断すべきと考えます。
いろんな要素を混ぜ合わせる着こなし術については、この場で簡潔に述べるのは難しいですね。
コーサク
こんにちは。コーサクです。
すみません、以前質問させていただいた上記質問と同じ様な
流れになってしまうのですが、上でblackwatchさんも言われてますが
真夏にオールデン990(バーガンディー)を履くのは暑苦しいでしょうか。。?
私は個人的には夏でも履きたいと思っているのですが、
コーディネートをどうしていいものか、もひとつわからないのです。
色々と調べてるのですが、例えば990をTシャツ(カットソー)などと
合わせてる例をあまり見かけません。ならポロシャツか?とも思うのですがその例もあまり見ません。色々と調べた結果、ごく一部ですが、
半袖柄シャツ(blackwatchさんが別メージで紹介してたようなアロハシャツ)と合わせてる例を見かけ、意外にも合う様な気がしてきました(柄にもよりますが)
blackwatchさんは990をもし夏に履く場合
どういったコーディネートがおすすめでしょうか?
それとも990に限らず、プレーントゥの革靴自体夏に履くのはNGでしょうか?
すみませんが、どうか宜しくお願い致します。
blackwatch
一般に、薄着のときは軽い雰囲気の靴が合います。流行次第で、重い雰囲気の靴でも合うときもあるとは思いますが。
990のようなコバの張った靴、そしてコードバンという素材は、どちらかというとやはり重い雰囲気の要素といえます。
この手の靴を薄着に合わせるなら、ショーツもしくは短丈パンツを選ぶと少しは涼しげに見えると思います。でもまあ重い感じにはなりますが。
ちなみに私自身は、少なくともこの15年くらいは薄着にこの手の靴を合わせたことはないですね。ローファー類やモカシン類が中心。
梅林がある
妙な発音で呼ばれてるんでしょう?
スペルからしたらplain toeなのでプレイン トーになるのではないでしょうか?
特にラジオ、テレビなどで英語もできるDJの方とかがそのような発音してるととても違和感があります。現在は日本のブランドになった米ブラウンシューズのRegalラインにもかつて同名の商品があり、当時は当然米国生産でしたが現地ではやはりプレーントー的な発音でした。
いつどういう経緯でこうなってしまったのか不思議と違和感でいっぱいです。
blackwatch
まさにそのことを取り上げた記事をむかし書いております。
https://blackwatch.seesaa.net/article/113015357.html
私としては、英語の「正しい」発音に基づいた表記にこだわる必要はないと考えています。“Michael Jackson”を「マイコー・ジャクスン」と書くのも、いまさらなじめるとは思えません。
ただ、ある程度の統一性のある表記にはしたいなと。その点では“toe”は「トウ(トー)」とするのが素直だと思うのですよね。
ちなみにMen's EXやBeginといった世界文化社系の雑誌は、「プレーントウ」という表記にこだわっているようにみえます。
https://www.e-begin.jp/article/263473/