今日は、キルティングジャケット(キルトジャケット)、キルティングベスト(ヴェスト)、キルティングコートを取り上げます。《最終更新日: 2018年11月26日》
キルティングジャケット(キルトジャケット、キルティングコート)とは
キルティングジャケットとは、全面にダイヤモンド型などのステッチが入った中綿入りアウターウェアのこと。もともとはハンティング(狩猟)や乗馬用に使われていたのではないかと思われます。
生地によく採用されるのが、ナイロンやポリエステル。この手の化繊のものなら、春先まで着用可能です。秋冬用として、ウールやコーデュロイなどのものもあります。また、襟などはコーデュロイであしらわれていることが多いのです。
ハスキージャケットとも呼びます
「キルティングジャケット」というのはおそらく和製英語でして、英語では “quilted jacket” や “quilt jacket”、“husky jacket” などと呼ぶのではないでしょうか。
そうそう、キルティングジャケットの元祖的なブランドにハスキー(Husky)があるのですが、近年の日本での流通量は少ないように思います。
この手のジャケットが日本で普及しだしたのは1990年代以降だと思いますが、とても軽くてそれでいてそこそこ暖かいため(日本の都市部の冬ならけっこうしのげる)、すっかり定番的なアウターウェアとして定着しました。
キルティングジャケットの着こなし
キルティングジャケットは、どちらかと言うとヨーロッパ的なアイテムだと思います。アメリカではそれほど見かけません。
ハンティングジャケットや乗馬用ジャケットという出自を考えると、典型的な着こなしはブリティッシュカントリー風でしょう。フェアアイルセーターにカントリーブーツ、みたいな。
テーラードジャケットの上に着る着こなしも、人気があります。ただ個人的には、典型的なデザインのものをビジネススーツの上に着るのはあまり好きではないかなぁ(ジャケパンがオススメ)。もっとも、最近はいろいろなデザインのものがありますので、一概には言えませんが。
あと、袖のないキルティングベストもありまして、これはアウターウェアとしてはもちろん、インナーとして着るのもすごくオススメです。ダウンベストみたく。
最後に、キルティングジャケットの実際の着こなしをどうぞ。
- Weekend Casual Style With a Quilted Jacket - He Spoke Style
- On the Street…. Spinning Class, Florence - The Sartorialist
- On the Street…Via Verri, - The Sartorialist
- 01.01.2014 // men's fashion blog
007のジェームズ・ボンドもキルティングベストを着ていました。
Lavenham(ラベンハム、ラヴェンハム)
キルティングジャケットの代名詞ともいえるラベンハム(ラヴェンハム、Lavenham)は、1969年創業のイギリスの乗馬用具メーカー。
現在の日本でキルティングジャケットが普及したのは、このブランドのおかげといってよいでしょう。キルティングジャケットが欲しい方は、まずはこのブランドを候補に入れるべき。
Barbour(バブアー、バーブァー)
ワックスコットンジャケットでおなじみのバブアー(バーブァー、Barbour)は、1894年創業のイギリスのアウトドアウェアブランド。
キルティングジャケットもけっこう昔から定番アイテムでして、スリムフィットも出ましたよ。
Brooks Brothers(ブルックス・ブラザーズ)
ブルックス・ブラザーズ(Brooks Brothers)を別記事で大きく取り上げていますが、アメトラ(アメリカン・トラッド)の雄のブルックス・ブラザーズはキルティングジャケットもつくっています。
「ポリエステル キルティングジャケット」は、名前のとおりポリエステル地のキルティングジャケット。襟などにはコーデュロイをあしらっています。イギリスブランドの定番商品との違いは、前合わせがジッパー式で合わせも深いこと。こちらのほうが風を通さないので暖かいように思います。裏地のチェック柄にも注目してください。サーモア(Thermore)社のハイテク中綿であるEcodown(エコダウン)を内蔵。
そうそう、セール(クリアランス、Clearance)になっているコートがあるかもしれませんので、そちらも見てみてください(別ページにあります)。なおブルックス・ブラザーズ・オンラインショップでは、商品到着後8日以内なら未着用の場合に限り返品・交換が可能です。
Campbell Cooper(キャンベル・クーパー)
キャンベル・クーパー(Campbell Cooper)は、イギリスのカントリーウェアブランド。昔ながらの服をつくっています。
Diamond Quilted British Riding Jacketは、襟コーデュロイ地の典型的なキルティングジャケット。生地はポリエステルで、ドレス・ゴードンのタータンチェック柄の裏地に注目してください。
近年のキルティングジャケットは洗練された雰囲気のものが多くなりましたが、これは昔ながらの野暮ったさが残っているのが特徴。(おそらく)イギリスサイズということもありますが、いずれにしてもつくりはゆったりめなので、小さめのサイズを選んだほうが無難かと。イギリス製。
J. Press(J・プレス)
J・プレス(J. Press)は、1902年創業のアメリカはコネチカット州のアメトラブランド。ブルックス・ブラザーズは良くも悪くも国際的なブランドといえますが、J・プレスはアメトラどっぷり(?)という印象があります。
こちらは、張りのあるリモンタ(Limonta)社の高級ナイロン地を使用したキルティングジャケット。ジッパーフロント付きで台襟にフックあり、そしてマチ付きの腰ポケットといった凝った仕様が特徴です。襟はコーデュロイ地で、テーラードジャケットの上からでも着られるサイズ感。
Hand Room(ハンド・ルーム)
ハンド・ルーム(Hand Room)は、2016年に誕生した日本のカジュアルウェアブランド。当ブログでも以前取り上げていた往年の名ブランドであるタブロイド・ニュース(Tabloid News)の元デザイナーが立ち上げたブランドなのです。
Band Collar Shirt Jacket(バンド・カラー・シャツ・ジャケット)は、なんと中綿入りキルティング仕様のバンドカラーシャツ。多用途に使えるありそうでなかったアイテムといえるでしょう。味のあるインディゴ染めされたコットン地にも注目してください。日本製。
Mackintosh(マッキントッシュ)
アウター全般に力を入れているマッキントッシュ(Mackintosh)は、1823年創業のイギリス(スコットランド)のレインウェアブランド。
マッキントッシュのアウターはどれも格好良いのですが、キルティングジャケットにも力を入れているんです。あか抜けた雰囲気のもの多し。デザインも生地も種類は豊富です。
Traditional Weatherwear(トラディショナル・ウェザーウェア)
Mackintosh(マッキントッシュ)の弟ブランド(?)トラディショナル・ウェザーウェア(Traditional Weatherwear)は、2006年に誕生したイギリスのアウターウェアブランド。
マック同様キルティングジャケットもつくっていまして、近年はデザインも生地も種類がグンと増えました。マッキントッシュと比べると、ちょい若い雰囲気?
Mighty-Mac(マイティーマック、マイティマック)
セーリングウェアが有名なマイティーマック(マイティマック、Mighty-Mac)は、1908年創業のアメリカはマサチューセッツ州グロスターのブランド。1990年代には活動を停止していましたが、寺本欣児氏が率いる35サマーズ(35 Summers)が復活させました。
気の利いたデザインのキルティングジャケットもつくっています。
Lands' End(ランズエンド)
アメリカのカジュアルウェア通販の雄ランズエンド(Lands' End)には、安心して着られるコンサバなアウターがそろっています。
近年は、お手頃価格のキルティングジャケットもありますよ。着用後も返品可能なランズエンドなら、サイズや色合いにウルサいこだわり派のあなたも安心です。
他の記事も……
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追記
- (2007年12月17日)商品を追加、入れ替え。
- (2009年1月2日)2008年度秋冬最初の更新。
- (2009年12月12日)2009年度秋冬最初の更新。
- (2010年12月4日)2010年度秋冬最初の更新。
- (2011年11月5日)2011年度秋冬最初の更新。
- (2012年12月13日)2012年度秋冬最初の更新。
- (2013年12月13日)2013年度秋冬最初の更新。
- (2014年12月5日)2014年度秋冬最初の更新。
- (2015年12月21日)2015年度秋冬最初の更新。
- (2016年12月24日)2016年度秋冬最初の更新。
- (2017年12月25日)2017年度秋冬最初の更新。
- (2018年11月26日)2018年度秋冬最初の更新。
この記事へのコメント
キノ
ラベンハムのキルティングジャケットを約10年着たので、ネットで新調しました。
色は緑。フードつきです。
サイズは以前と同じ38。私は175㎝の65㎏でやせ形。
腕が長いので袖丈はちょうどよいのですが、何となく大きめで、体にフィット感がないような気がしています。
やはり、少し小さめというか、ジャストサイズで着るものなのでしょうか。
また、緑の色に合う、お勧めの着こなしなどあれば教えてください。
blackwatch
Lavenhamにもいろいろありますが、10年前と同じモデルであれば一番ゆったりしているMildenでしょうか。
キルティングジャケットは必ずしも小さめで着るアウターではないと思いますが、細身全盛のいまはピッタリ気味のフィッティングのほうが格好良く見えやすいのは確かでしょう。対応策を挙げるとすれば、ベタですが中に厚着をすることですね。
ブリティッシュカントリースタイルには緑系のアウターは多いので(Barbourもそうですよね)、素直にブリティッシュカントリーを意識した着こなしをすればまず間違いはないでしょう。フェアアイルセーターにコーデュロイパンツ、カントリーブーツなど。あとは、赤などのアクセントカラーを使った着こなしも私は好きですね。
キノ
英国スタイルに挑戦してみます(ついついアメカジになりがちですが…)
新調したのはDenhamです。やせ気味で腕が長いのでサイズ選択に苦労しております(汗)
今後ともよろしくお願いします。
blackwatch
キルティングジャケットは、私の感覚だとあまりアメカジには似合わない気がするんですよねぇ。
私も特殊な体型なので服のサイズには苦労しております……。お互い頑張りましょう。