今日は、ニットタイを取り上げます。《最終更新日: 2016年4月27日》
アメトラには必須? ニットタイ
ニットタイは、ニットセーターのように糸で編み上げたネクタイのこと。
素材は基本はシルク(絹)ですが、秋冬向きのウール、よりカジュアルで春夏向きなコットン(綿)のものもあります。ニットタイは春夏の印象もありますが、秋冬に着用しても全然問題ないと思いますよ。
形は、大剣の剣先がとがってない四角のものが基本です。普通のネクタイのような三角のものもあります。柄は無地(ソリッド)が基本ですが、ストライプ(ボーダー)柄もよく見かけます。
なお、(特にビジネスで使うなら)ニットタイの大剣幅は6.5cm~7.5cmくらいが多かったように思いますが、近年は6cm前後のものが多くなりました。
ニットタイの着こなし
ニットタイはカジュアルな印象がありますが、濃い色のものを選べば十分ビジネスに対応できると私は考えます。
一番基本的なニットタイは、黒無地(ソリッド)のものでしょう。アメトラでは白無地のシャツと合わせてよく着用されます。黒無地でもニットタイなら葬式風には見えません。
- Ivy Style: The Black Knit Tie, The Great Neutralizer
- IVY IN BLACK / FALL - 慶伊道彦 | BLOG | FITSGERALD BY FAIRFAX
着こなしの幅の広さという意味では、ネイビー(紺)もオススメ。特にジャケパン(ジャケット+パンツ)中心なら、ネイビーが一番かも。柄入りのシャツにも合わせやすいはず。
ちなみに、ショーン・コネリー時代のジェームズ・ボンドでは、第3作の『007 ゴールドフィンガー』と第5作の『007は二度死ぬ』でニットタイを着用しているとのこと。初期の2作もニットタイっぽいネクタイをしていますが、これはグレナディンタイ(Grenadine Tie)という粗い織りのネクタイだそうです。
- Sean Connery's Unique Shirts in Goldfinger - The Suits of James Bond
- The Knitted Silk Tie - The Suits of James Bond
- The Grenadine Tie - The Suits of James Bond
こちらは、おなじみユナイテッドアローズ(United Arrows、UA)の栗野宏文さん。
いずれにせよ、ニットタイに合わせるジャケットはラペル(襟)幅が広くないものが似合います。ニットタイ自体がたいてい細いので、ラペル幅が広いクラシックなジャケットだとバランスが取りにくいです(大剣幅が広いニットタイなら合う)。
ニットタイはカジュアルスタイルにも合わせやすいのも特徴で、こちらはGジャン(ジージャン)や革ジャンに合わせた着こなしです。
ちなみにこちらは、ニットタイのノット(結び目)を小さくできるオリエンタルノットという結び方です。
Brooks Brothers(ブルックス・ブラザーズ)
ゴールデン・フリース(The Golden Fleece、金羊毛)でおなじみのブルックス・ブラザーズ(Brooks Brothers)は、1818年創業の究極(?)のアメトラブランド。
アメトラブランドですから、当然ニットタイも取りそろえています。幅は5cmから5.5cmくらいが近年の主力です。
Barneys New York(バーニーズ・ニューヨーク)
バーニーズ・ニューヨーク(Barneys New York)を別記事で大きく取り上げていますが、1923年創業のアメリカの高級百貨店チェーンです。日本には1990年に上陸しています。ここは毎年ニットタイに力を入れているのです。
こちらは、基本的なシルクニットタイ。とにかく色展開がすこぶる多く、メランジ調やボーダー柄など種類も豊富です。大剣幅は6cmで、実はニットタイの名産地であるドイツ製。
J. Press(J・プレス)
J・プレス(J. Press)は、1902年創業のアメリカはコネチカット州のアメトラブランド。ブルックス・ブラザーズは良くも悪くも国際的なブランドといえますが、J・プレスはアメトラどっぷり(?)という印象があります。
こちらは、基本のシルクニットタイ各種。大剣幅は6cmもしくは5.5cmで、長さは140cm前後。無地に加え爽やかなドット柄もあります。基本は日本製(一部イタリア製)。
Penrose(ペンローズ)
ペンローズ(Penrose)は、2008年に誕生したイギリスはロンドンのネクタイブランド。カフリンクスで有名なデュシャン(Duchamp)の女性デザイナーだった人が立ち上げたとのこと。
こちらは、高級感のあるシルクニットタイ各種。基本的な無地に加え、大剣と小剣で色を変えたものもあります。大剣と小剣を少しずらして結ぶと効果的。大剣幅は6cmです。イギリス製。
Lands' End(ランズエンド)
アメリカのカジュアルウェア通販の雄であるランズエンド(Lands' End)は、当然のことながらネクタイも得意としています。
ニットタイも当然取りそろえていまして、幅7cmの標準的な仕上がり。アメトラなら、やっぱりアメリカブランドのネクタイ?
他の記事も……
ネクタイを集めた記事がありますので、まずはそちらをご覧ください。「タグ / ネクタイ: ニットタイ」をご覧になると、当ブログのニットタイに関する全記事を網羅できます。
ウチの近くにドトール(コーヒー屋)があるのですが、そこの店員の夏の制服(?)が、半袖シャツにニットタイなんですね。なかなかさわやかで好感が持てます。クール・ビズ(Cool Biz)も、こんな感じでいいのかも。
そうそう、服飾評論家の出石尚三氏が、「ハイハイQさんQさんデス」というサイトでニットタイについてのコラムを書かれていました。「ビジネスでもカジュアルでも、もっとニットタイを活用しよう」と提案されています。
なお当ブログについては、当ブログの目次も参考にしてください。
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追記
- (2005年10月25日)商品を追加。
- (2007年3月13日)全面的に記事を書き換え。
- (2007年6月25日)商品を追加。
- (2007年8月28日)商品を追加、入れ替え。
- (2008年3月9日)商品を追加、入れ替え。
- (2008年11月25日)2008年度秋冬最初の更新。
- (2009年3月18日)2009年春夏最初の更新。
- (2010年1月19日)2009年度秋冬最初の更新。
- (2010年5月1日)2010年春夏最初の更新。
- (2011年4月18日)2011年春夏最初の更新。
- (2012年1月12日)2011年度秋冬最初の更新。
- (2013年1月6日)2012年度秋冬最初の更新。
- (2013年5月15日)2013年春夏最初の更新。
- (2014年3月21日)2014年春夏最初の更新。
- (2014年12月7日)2014年度秋冬最初の更新。
- (2015年5月5日)2015年春夏最初の更新。
- (2016年4月27日)2016年春夏最初の更新。
この記事へのコメント
truffaut
下のニットタイがちょっと気になります。
ところでニットタイの着こなしですが、シャツの裾はやはりタックインするべきでしょうか。カジュアルな着こなしでタックインすると前から見るとキマッテみえても、後姿がお尻丸出しでちょっとトホホなんですよね...
http://www.rakuten.co.jp/explorer/106474/1969848/
blackwatch
カジュアルにおけるニットタイの着こなしですね。
ネクタイをしたら、シャツはタックインするのがまあ「基本」なのでしょう。もちろん、「応用」なら裾出しもアリ。
「後姿がお尻丸出し」とのことですが、それがフツーですよ。おそらくtruffautさんはお若い方なので、タックインがフツーだった時代をご存じないのかもしれませんが。最近でも、Thom BrowneやBand of Outsidersの着こなしを見ると、シャツはたいていタックインですよね。
(それに、真夏以外はたいていジャケットなりアウターなりを着ていることが多いでしょうから、丸出しにはならないような)
もっとも、違和感があるなら、無理をせず裾出ししてネクタイをしても良いのでは?
貴重なアドバイス有難うございます。
私は実はそれほど若くないのですが(おそらく管理人様と同年代)、タックインには昔から抵抗があるんですよね。ジャケットやアウターもレストランや室内では脱ぎますしね。小柄で足が短いのが目立つ気がして嫌なのかも(←タックイン)
トムブラウンも私のような体型は想定していないような...
いずれにしてもジャケパンはともかく、カジュアルなスタイルにネクタイはなかなか難しそうですね。
blackwatch
ああなるほど、裾出しには下半身の長さを誤魔化す効果が少しはありそうですね。
カジュアルにネクタイと言えば、私はラルフ・ローレンの着こなしが好きです。トム・ブラウン風よりはラルフ・ローレン風のほうが、(どちらがいいかはともかく)着こなしは簡単でしょうね。
あとトム・ブラウンの服は、少なくともアルマーニよりは日本人向きだと思いますよ。アルマーニは、小柄な人には似合いません。
truffaut
でもラルフはサイズが大きめで、僕のような体型にはなかなかよいのが見つからないんですよね。
トムブラウンの服はタイトでサイズ的には確かに僕に合ってる気がする。シンプルなB.D.シャツが気に入っています。通販では最近はあまり見かけないような...
街のセレクトショップには置いているのでしょうか。
blackwatch
ラルフ・ローレンは、小柄で痩せっぽちの私もボーイズサイズ以外はシンドいです…。でも「ファッション雑誌」みたいなものだと思えば、コレクションの着こなし自体は凄く参考になりますね(アメトラはたいてい他ブランドで代用可)。
トム・ブラウンは、昔は通販でも売っていたのでしょうか? 今は、少なくともユナイテッド・アローズにはあるはずです(全支店にはないでしょうけど)。ブラック・フリースなら、ブルックス・ブラザーズの大きな支店にあるでしょうし、ブルックスのサイトで通販でも買えますね。
truffaut
コレクションの着こなしは見てると楽しいですが、モデル体型だからこそという気がしてあくまでも参考程度ですかね...
僕はストリートスナップを集めた雑誌や、自分と体型や雰囲気の似ているミュージシャンやアーティストの着こなしを参考にしています。
また質問させて下さいね。
blackwatch
私自身も特殊な体型をしていますので、似合う着こなしも実は限られているように感じています。
というわけで、ストリートスナップみたいなものは私も参考にしていますよ。ただ、アーティストみたいな人は特殊な着こなしをしている場合が多いので、私はあまり参考にはしていないのですけど(汗)。