今日は、ストライプ(レジメンタル)柄のネクタイ(タイ)の向きについてのこの記事。
ストライプの向きについては以前も書きましたが、要するにこんな感じ。
- 向かって右上がり(「ノ」の字型)は、ヨーロッパ式(イギリス式)
- 向かって左上がり(逆「ノ」の字型)は、アメリカ式
元々はストライプと言えばヨーロッパ式だったはずですが、アメリカに渡ったときになぜか逆になっちゃったみたい。逆になった理由は諸説ありまして、どれが正しいかは私には分かりません…。
こちらの記事も、参考になるでしょう。
アメリカのストライプネクタイ
論より証拠、実際に見てみましょう。
まずは、アメトラ(アメリカン・トラッド)の代表ブランド、ブルックス・ブラザーズ(Brooks Brothers)とJ・プレス(J.Press)のストライプタイから。
さ、さすが。見事に全部アメリカ式であります。
比較的新しいアメリカブランドであるラルフ・ローレン(Ralph Lauren)は、ヨーロッパの影響を受けているのか、ヨーロッパ式も混ざっていますね。
特に、最上級ラインであるパープル・レーベル(Purple Label)は、全部ヨーロッパ式です。
日本の往年のアイビーブームを支えたヴァン・ヂャケット(VAN Jacket)も、ほとんどアメリカ式。
ヨーロッパのストライプネクタイ
続いてイギリス。「本物のレジメンタルタイ」を作っているジョン・コンフォート(John Comfort)は、やっぱりヨーロッパ式(イギリス式)。
フランスやイタリアでも、ほとんどヨーロッパ式のはず。もっとも、フランスやイタリアの老舗ネクタイブランドは、ストライプよりも小紋系のネクタイを得意としていることが多いのですけど。
こちらは、イタリアのフランコ・バッシ(Franco Bassi)のネクタイ。やはりヨーロッパ式です。
フランスのブリューワー(Breuer)はストライプタイを得意としているブランドですが、ここはアメリカの影響を受けているのか、アメリカ式です。このブランドは、アメトラファンにもオススメ。
ストライプタイの着こなし時の注意点
少なくともアメトラな着こなしにおいては、アメリカ式でもヨーロッパ式でもまったく問題ないと私は思います。
ただ、ブリティッシュスーツにアメリカ式を合わせるのは、出自を考えると違和感がなくはないかなぁ。でも、気付くのはよほど注意力があって服飾に詳しい人だけでしょうね。
そうそう、実はストライプのネクタイは柄によって○○連隊や××大学等を示す場合があるそうなので("regimental" は「連隊」の意味)、外国人(特にイギリス人)に会う機会のある方は、気をつけたほうがいいみたい。
欧米の首脳の方々が国際会議にてストライプタイを着用していることは、あまりないはずです(そうでもない?)。
それでは。
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この記事へのコメント
コロッケ
記事と少し違う話で恐縮なのですが、タイは何故、レジメンタルを中心とした柄物が多くて無地が少ないのでしょうね?
以前、セール時に店員さんと話したのですが、無地よりも柄物のほうが売れ残りやすいとのことで、ならば柄物を減らせばいいのでは?と尋ねたら、そこで話が止まってしまいました。柄物のアイテムを上手くコーディネートできる人もあまり見かけないので、あまり派手な柄はつくるべきではないとも思うんですが、どうなんでしょう?
柄のコーディネートを指南しているサイトもほとんど見かけませんし。
blackwatch
無地タイは無地タイで、必ずしも着こなしが簡単なわけではないように思います。ビジネススーツだとスーツもシャツも無地か地味柄のものが多いですから、無地タイだとちょっともの足りない寂しい着こなしになることも少なくないような(特に安物だと辛いかも)。確かに色合わせは簡単かもしれませんけど。
あと、伝統の力は偉大と言うか、トラッドな着こなしをするならストライプやドットのタイのほうが「らしい」着こなしはやりやすいと感じています。逆に、モード的に着こなすなら無地タイのほうが使いやすいのかな。
私自身は、無地タイとしては、普通のネクタイではなく主にニットタイを活用することのほうが多いです。
konao
変ですね。
blackwatch
John Comfortはイギリスブランドですので、レジメンタルタイならふつうはイギリス式のものをつくると思われます。ただ、アメリカ市場向けや別注商品をつくっていたことも考えられ、そうなるとアメリカ式のレジメンタルタイをつくっていたとしてもおかしくないのでは。
私はJohn Comfortについて詳しいことは分からないので、はっきりしたことは言えません。以上はすべて憶測ですので、ご了承ください。