今日は、ラベンハム(ラヴェンハム、Lavenham)のキルティングジャケット(キルトジャケット)、キルティングベスト(ヴェスト)、キルティングコートを取り上げます。《最終更新日: 2015年12月18日》
Lavenham(ラベンハム、ラヴェンハム)
ラベンハムは、1969年創業のイギリスの乗馬用具メーカー。
ラベンハムのキルティングジャケットはそのクラシックな雰囲気から歴史の古い伝統服だと認識している人もいらっしゃるかもしれませんが、意外に歴史は新しく、日本に本格的に紹介されたのは1993年とのこと。そういえば私の学生時代までは、こんな服を着ている人はいませんでしたねぇ。
創業当初はナイロンキルティングのホースラグ、つまり馬の服をつくっていた会社だそうですが、ナイロンキルティングが好評で、1972年に人間用(?)のジャケットをつくり始めたとのこと。
こちらの記事には、ラベンハムの工場の様子が詳しく載っています。
生地いろいろ
生地については、上品なツヤのあって都会的なポリエステル、硬派(?)な印象のナイロン、温かみのあるウールなどがあります。たいてい随所にコーデュロイをあしらっています。
2014年より、ポリエステル地はラブンスター(Lavenster)という生地に一新されました。マットな質感になり、撥水加工が施され、強度も向上したとのこと。
Denham(デンハム、デナム)、Denston(デンストン)、Lexham(レクサム)
Denham(デンハム、デナム)は、定番のMilden(ミルデン、8892)をモダナイズ化したモデル。特に、腕回りと裾回りが細くなっているようです。中にテーラードジャケットも着られます(クラシックな着丈の長いジャケットだと少しはみ出るかも)。
Denston(デンストン)は、Denhamの着丈を長くしたようなモデル。中にジャケットを着ても安心です。着脱可能なフードが付いています。前ボタンも大きめ。
こちらは、表地にはウールフランネル、裏地にはフワフワのポリエステルのファーを採用したDenston。着心地も見た目も温かな仕上がりです。
Lexham(レクサム)は、基本的にはラベンハムで最もスリムフィットな部類に入るジャケットですが、着丈が少し長めでテーラードジャケットの上にも着られるよう考慮された2012年登場のモデル。着丈の長さはギリギリという感じです。大きめのボタンもお洒落感あり。
Ousden(オウスデン)は、着脱可能なフード付きのDenstonをさらに細身にしたモデル。こちらは、春秋向きの薄手の中綿が入ったOusden。生地はポリエステルのラヴェンスターです。
ステンカラーコート(バルマカーンコート)、チェスターフィールドコート(チェスターコート)
Euston(ユーストン)は、非常にオーソドックスなデザインのステンカラーコート(バルマカーンコート、バルカラーコート)。こういうキルティングコートを待ち望んでいた人も少なくないのでは。
こちらは、温かみのあるウールフランネル地のEuston。ビジネスにもカジュアルにもどうぞ。
Hunston(ハンストン)は、ドレスコートの代表格チェスターフィールドコート(チェスターコート)。背ベルトとインバーテッドプリーツを採用してなかなか本格的な仕様といえます。
こちらは、ツイード調ウール地のHunston。チェック柄も粋です。これもビジネスにもカジュアルにも。
インナー対応キルティング
Puddle Dock(パドル・ドック)は2014年の新作で、要するに近年人気のインナーダウンのキルティング版。小さく折りたたんで付属のポーチに収納できます。
Cransford(クランズフォード)は、クルーネックのベスト。ベストならテーラードジャケットの中にも着やすいのです。
Battisford(バティスフォード)は、ウエストコート(ジレ)型のベスト。こちらは中綿が入っていない薄手のBattisfordで、季節感のない仕上がりです。味のある生地のデニムにも注目してください。インナーとしてもアウターとしても活用できます。
その他
その他のラベンハム(ラヴェンハム)のキルティングジャケットは、こちら。
他の記事も……
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追記
- (2005年11月2日)商品を追加。
- (2006年2月18日)商品を追加。
- (2006年8月30日)2006年度秋冬最初の更新。
- (2006年10月14日)商品を追加、入れ替え。
- (2006年10月28日)商品を追加。
- (2007年8月31日)2007年度秋冬最初の更新。
- (2007年10月4日)商品を追加。
- (2007年11月16日)商品を追加。
- (2008年1月10日)商品を追加。
- (2008年2月1日)2008年春夏最初の更新。
- (2008年2月28日)商品を追加。
- (2008年8月21日)2008年度秋冬最初の更新。
- (2009年11月19日)2009年度秋冬最初の更新。
- (2011年11月19日)2011年度秋冬最初の更新。
- (2012年11月17日)2012年度秋冬最初の更新。
- (2013年12月19日)2013年度秋冬最初の更新。
- (2014年12月27日)2014年度秋冬最初の更新。
- (2015年12月18日)2015年度秋冬最初の更新。
この記事へのコメント
k-d-hide
実は僕も、ラベンハムのキルティングジャケットは欲しいなぁと思ってました。
新宿のエディフィスで別注のキルティングジャケットを見て、すごく格好いいなぁと思って。
エディフィスのは、裏が黄色なんですよね。それがすごくオシャレだなぁと。
値段も、思ったより安かったですし(イギリス製ってことで、もっと高いのかと思ってました。それこそ、マッキントッシュやアクアスキュータム並に)。
blackwatch
エディフィスには、ラベンハムとマッキントッシュのキルティングジャケットが揃っていますので、着比べることができますね。
仰るとおり、比較的お手頃価格なのも魅力です。たぶん、作るのが難しくないんでしょう(?)。
大阪人
H POLEさんリンクの別注モデル画像を見て・・・
鼻血が出そうです(笑)
ブラックウォッチ柄もですが個人的にコートも新鮮で欲しいと思いました。
ベルスタのも良いしHさんの別注も欲しいー!
しかしHさん別注はラベンハムにしては高価になりますね・・・
blackwatch
私は吐血しそうです(←そりゃ病気だ)。
値段ですけど、仕様が凝っているとか生地をたくさん使っているとか生産数が少ないとかが、価格上昇の要因なんでしょうね。
それと、「この価格でも売れる」という自信があるんでしょう。市場経済では、値段は基本的には需要と供給で決まりますから。もしこれが3万円くらいだったら、きっとすでに売り切れ完売なのでは?
kazu
唐突ですがblackwatchさんはキルティングジャケットの洗濯はどうされてますか?
普通にドライ? それとも手洗い?
最近はダウンも自分で洗う...とか聞くので、
ラベのキルティングくらいなら皆さん御自身で洗っちゃうのかなぁ...。
blackwatch
うーん、まだ洗濯するほど着込んでないんですよね。洗濯代はケチるほうです(汗)。
手許のナイロンとポリエステルのジャケットの洗濯表示を見ますと、いずれも手洗いも可になっています。化繊だと縮みも少ないでしょうから、大丈夫のような気がします。
手洗い可ということは、ネットに入れて弱水流で洗濯機で洗ってみたくなりますが、もしかすると中綿が水を吸って重くなって、洗濯機に負担を掛けることになるかもしれません…。どんなもんなんでしょ。
kazu
参考になりました。 さすがに洗濯機で廻す勇気はないけど、
どの部位もさほど繊細な生地じゃないので案外問題ないのかも知れませんね。
そのうち挑戦してみよう・・・
ところで『キルティング ジャケット』の頁で紹介している
ゲインズボローとラベンハムは酷似の印象ですが同工場製なのですか?
私はミルデンを愛用してますがゲインズボローの実物はまだ見た事がありません。
総じてキルティングのアウターは大好物なので、ちょいと気になってます。
blackwatch
ゲインズボローについては、私もはっきりしたことは分かりません。まあ、デザインはそっくりですよね。
取扱店の店員をつつけば(?)、教えてくれるかも…。
j太郎
ご相談がしたくてコメントさせて頂きました(もうどうしようもないのですが、モヤモヤが残ってしまいましてすいません)。
今日はじめてラベンハムのキルティングジャケットを購入しました。ボックスフォードの40サイズです。最初に襟タイプの38を試着して、そのあとボックスフォードを着たいと言ったところ、それであれば40を薦められ、違和感もなくそのまま購入してしまいました。
タグを切ってから、38も試着すればよかったと後から思い出し後悔しています。できればベストサイズでいつも着たいと思っています。
38のサイズも調べてみると十分着れそうです。40でもそれほど違和感ないですが、若干は性質上もあるかもしれませんが、大きく見えます。でも中に服を数枚着るとなるとそれでちょうど良いのか。。
身長170センチ70キロでMを着たいと思ってもLの場合もあるのですが、
今回は衝動買いに走ったため、緻密じゃなかったことを後悔しています。
blackwatch
まずは、いちおう買ったお店にサイズ交換できるかどうか確かめる価値はあるのではないでしょうか。タグを切ったくらいだと、もしかすると(返品ではなく)交換ならできたりして。
それがダメなら、j太郎さんの性格から考えると(笑)、どうにかしてサイズ38を試着するなり入手するなりしないとスッキリしないでしょうね。
サイズ38のほうがしっくりきた場合、サイズ40のほうはヤクオフ等で売るなり厚着したとき用(もしくは太ったとき用?)に取って置くなりするしかないでしょう。
当たり前のことしか書いていませんが(汗)、コメント欄のやり取りだけで書くことができるのは残念ながらこれくらいです。
wagen
本場イギリスのファクトリーショップで買うと一着£10~というユニクロ顔負けの価格なんですが。
服、鞄、靴といくつか買いたいものがあるなら、直接イギリスに行って買った方が種類も多く安いし、旅行も楽しめて一石二鳥です。
時間が作れればですが...
blackwatch
日本向けのサイズやデザインを企画する代理店の人件費等々なんでしょうけど、そういう仕事にもそれなりの価値を見出してあげたいところです。実際、そういった日本向けの商品がなければ私はラベンハムを買うことはないでしょうし(私は身体が小さいので)。
まあ、イギリスに行くほどのお金の余裕がある方なら、これくらいのマージンは出してあげてもいいんじゃないでしょうか(笑)。景気対策、雇用対策、デフレ対策にもなります…。
natyotake
イギリス本国でも製造されていないのでしょうか?
blackwatch
私は単なる一ブロガーに過ぎませんので、Lavenhamの生産している全商品を把握しているわけではありませんが、ざっと見たところ確かに両面が黒のものは見当たりませんでした。イギリス本国だと裏地がグレーっぽかったです。あるとしたらどこかの別注商品あたりでしょうか。
このへんの仕様は毎年変わるように思いますので、何年かするとそういう商品が出るかもしれませんし、過去にそういう仕様のものがあったとすれば古着などで見つかるかもしれません。