今日は、2種類の外羽根式の革靴(靴、シューズ)について考えてみます。
まずは基本の確認。革靴は大きく内羽根式と外羽根式に分類できます。よく分からない人はこちらの記事で確認してみてください。
これを踏まえて、さらに外羽根式の靴を2種類に分類できるというのが本日のお話。その2種類が、ブルーチャー(blucher)とダービー(derby)です。
以前は私はアメリカ式の外羽根靴の呼び方がブルーチャー、イギリス式の呼び方がダービーだと考えていましたが、いくつかの英語の資料を読むとどうやら靴の意匠によって使い分けされているようなのです。もっとも、特にアメリカではあまり厳密には使い分けられていないようですが。
まずはブルーチャー。言葉で説明するのがちょっと難しいのですが、外羽根の部品が靴底(コバ)につながっていないのが特徴と考えています(画像をご覧いただいたほうが早いかと)。爪先からかかとまでの部品がつながっている靴ともいえるでしょう。
具体的には、オールデン(Alden)の990とか、アレン・エドモンズ(Allen Edmonds)のLeeds(リーズ)とか、チャーチ(Church's)のShannon(シャノン)とか。比較的アメリカ靴に多い意匠といえます。
対してダービーは、外羽根の部品が靴底(コバ)につながっているのが特徴と考えています(爪先とかかとの部品が分かれている)。イギリスの外羽根式ブローグシューズやカントリーシューズはたいていこれ。意外なところではリーガル(Regal)の2504もこれですね。軍用のサービスシューズもたいていこのダービー型です。
この2種類を比較しますと、強いて言えばブルーチャーのほうがダービーよりもドレス寄りと考えてよいのでは。ただし、フォーマル寄りの外羽根式プレーントウといわれるいわゆるVフロントの靴はダービーですけど。
厳密な(?)定義ですと、外羽根が別部品になっているかどうかで判別するのかもしれませんが(別部品だとダービー)、それだとイマイチ使い勝手の悪い呼び方になってしまう気がします。例えば、アメリカ靴に多いロングウイングはたいてい外羽根が別部品ですが、私はブルーチャーと呼びたいですね。もっとも、私がどう呼びたいかは重要ではないでしょうが。
ところで、チャーチのGrafton(グラフトン)はロングウイングではありませんが、ブルーチャーかダービーか判別に迷う靴だなと。ちょっと凝った外羽根の形状をしています。
――さて、以上を踏まえてオールデンやアレン・エドモンズ、チャーチなどの本国ウェブサイトのカタログを見てみますと……、あれれ? 何か違うぞ(汗)。
アメリカブランドは、深い考えがなく使い分けているようにみえます(それとも何か別の法則があるのか)。対してイギリスブランドは、外羽根式ならすべてダービー扱いという感じ。いったい今日の記事の内容は合っているのかしらん。
まあいいや(いいのか?)。とにかく2種類の外羽根式の靴があるのは確かなので、今日はそれを認識できたということにしましょう。呼び方はともかくとして……。
それでは。
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