今日は、服の色と素材の相性について、考えてみます。主にトラッド系の着こなしにおける相性です。まあ、特に参考文献もない私の自由研究みたいなものですので、話半分でどうぞ。
グレー(灰色)
ウール(羊毛)やカシミア(カシミヤ)のような動物繊維が、圧倒的に相性の良い色だと考えます(動物繊維といってもシルクは別かなと)。グレーフランネルスーツ、格好良いですよね。
逆に、コットン(綿)やリネン(麻)などの植物繊維は、そんなに相性は良くないかと。考えてみますと、グレーのコットンコートはあまりつくられていませんし、グレーのチノパンツは意外に着こなしが難しい印象があります。
さらに相性が良くないのが、ナイロンやポリエステルなどの化学繊維(合成繊維)。作業着っぽく見えやすいかなと。デザイン上の工夫が必要でしょう。
グレーの植物繊維や化学繊維でも、ムラ(杢調)になった生地なら相性が良いようです。例えば、霜降りグレーのスウェットシャツや色落ちしたブラックジーンズなどは、コットンでも魅力があります。また、淡いグレーも比較的使いやすい傾向があるように思います。
ネイビー(濃紺)
コットンなどの植物繊維でももちろん悪くないのですが、やはりこの色もウールなどの動物繊維が相性が良いですね。スーツ、ブレザー、ピーコート、魅力があります。
逆に意外にそれほど相性が良くないと思うのが、化学繊維。グレーほどではありませんが、作業着っぽく見えやすいのでしょう。
植物繊維なら、淡い紺、もしくは(グレーと同じく)ムラがあったり色落ちしている生地のほうが、より魅力を引き出せるのかもしれません。そうそう、デニムなどのインディゴは、また別の色と考えたほうがいいのかなと。
ベージュ、カーキ、ブラック(黒)
どの素材ともそれなりに相性が良いのが、これらの色だと思います。もちろん、安っぽい生地ですと相応に安っぽく見えるでしょうが。
近年は化学繊維系の素材の機能性スーツがありますが、この手のスーツだとこれらの色が無難なのかなと。正統派ビジネススーツの定番色であるグレーではイマイチかも(ネイビーもあまり良くない感)。
ちなみに、ブラウン(茶色)はカーキあたりと同様だと思いますが、トラッド色の濃い色ですので天然繊維のほうが相性が良いのでしょうね。
補足事項
ニット(カットソー)類については、織物地よりも色の「許容範囲」が広い印象があります。つまり、相性が少々良くなくても問題になりにくい。ですので、上記の内容はそれほど気にしなくてもいいかも。
起毛させたコットンなどの植物繊維は、ウールなどの動物繊維と似た特性を持つと思います。コーデュロイ(コール天)やコットンフランネル(ネル)など。
今日の記事の内容は基本的に無地の話でして、柄入りだと話がまた変わります。一般的に柄が入っているほうが、相性の悪さをごまかしやすい(?)ような気がします。ムラがある生地も広い意味の「柄」といえそう。
それから皮革(レザー)製品については、今日の考察の範囲外です。あしからず。
最後に
特にトラッド系の着こなしについての考察ですので、モードな着こなしではまた別の話になるでしょう。例えばグレーのナイロンコートも、モードなデザインなら格好良くなるのでは。
ちなみにモードではありませんが、グレーの化学繊維地のキルティングジャケットは、意外に問題なく着こなしやすいのです。表面のステッチが柄のような効果を出しているからでしょうか。パイピングも効果がありそう。
――結局のところ、昔からある定番的な色遣いの服が無難、というありきたりの結論になってしまうような。チノパンツならベージュ、ウールフランネルならグレーやネイビー、などなど。ただし、化学繊維は新しい要素ですね。
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この記事へのコメント
ノオウエアマン
個人的に色については日々悩んでいることでしたので大変興味深く拝見致しました。
まさに今、夏場に穿くグレーのパンツを探しておりまして何かおすすめのものはないかなとも思いコメントをさせていただきました。
記事でもおっしゃっていらっしゃいますが、やはりグレーのパンツと言えばまずはウールのスラックスとは思います。
ただ日本の夏場に夏用とはいえ気軽に自宅でお手入れができないウールのパンツはいかがなものかとも思っております。
そのあたりも含めてご意見お聞かせください。
よろしくお願い致します。
blackwatch
チノクロスやポプリンのグレーパンツは、グレーウールパンツの「下位互換」になりがちかもしれません。もっともそれは見た目だけの話ですから、機能性を含めると検討する価値があるでしょう。
グレーコットンでも何かしらの柄が入っていると雰囲気が良くなる気がしますが、あまりつくられていませんね。秋冬でしたら、グレーコーデュロイあたりは魅力があるように思います。
かなりカジュアルになりますが、色落ちしたブラックジーンズをグレーパンツとして穿く手もあります。
もちろん、ドレス度を高めたいなら、頑張ってウールパンツを穿くしかないでしょうね。
ノオウエアマン
やはりグレーのウールパンツの代用品はないんですね〜!?
逆に言えばチノパンにはチノパン、デニムはデニムにしか出せないものがありますからねぇ…
色落ちしたブラックジーンズをグレーのパンツ扱いするのは色の変化を楽しむも含めて面白そうだなと思いました。
夏用のウールというものを体験したことがないので一度は試すのも良いかも知れないですね。
ありがとうございました。
blackwatch
私はグレーのLevi's 501を何色か持っているのですが、意外に着こなしが難しい感があります。ウールパンツの代わりになるようなならないような、微妙なところ。デニムでカジュアル感があるので、それなりに着こなしやすいはずなのですけどね。
試行錯誤しながら頑張っています。
ノオウエアマン
ウールパンツの代用品として利用するのが良くないのでしょうかねぇ…?
以前のコメントと重複してしまいますが、やはりウールパンツに限らず何かの代わりという発想を捨てるべきなのかなという結論に私は至りました。
ウールパンツは冬に穿けという神様からのお告げなのだと思います。
夏場にドレッシーなパンツが穿きたければブラウン系?の綿や麻のものを穿きなさいと言うお告げなのだと思います。
これまた重複してしまいますが夏用とはいえウールパンツは自宅で手軽にお手入れができるものではないと思います。
ここが私にとっては一番の懸念事項なのですよね〜
この点がクリアできる物理的、精神的、経済的にゆとりのある方はガンガン穿いてしまって良いのだと思います!
最終的によくわからないお話になってしまいました!(汗)
失礼致しました…
blackwatch
普通のビジネスマンは真夏でもウールのスーツを着ているものですし、トロピカルウールはヘタなコットンよりも通気性が良く涼しいものです。炎天下に長時間歩かない限り、しょっちゅうクリーニングに出す必要もないでしょう(汗の量には個人差がありますが)。
でも、どうしても自宅で洗いたいということであれば、諦めるしかないのでしょうねぇ。一流ブランドには自宅で洗えるウールパンツの取り扱いはほとんどなさそうですし。