パンツの股上が深くなっている、とな?

パンツの股上が深くなっている、とな?

今日は、おなじみビームスBeams中村達也氏のこちらの記事。パンツトラウザーズ)の股上についてです。

スリムなノープリーツのパンツからプリーツ入りのパンツに流れが移行している事は、これまで度々ご紹介してきましたが、パンツにプリーツが入ることによって股上の深さにも徐々に変化が見られるようになってきました。

プリーツ入りのパンツが出始めた一昨年あたりは、まだまだ股上の浅いプリーツパンツが多く見られましたが、今シーズンはプリーツパンツが定着したこともあり、PITTIの会場でも股上が深いプリーツパンツを穿く人が徐々に見られるようになってきました。

以前プリーツ入りパンツの記事も取り上げましたが、パンツにプリーツが入ればたいてい股上も深くなるものです。また、パンツが太くなると(腿幅が広くなると)、股上が深くなる傾向もあるでしょう。

プレーンフロント(ノープリーツ)でも股上の深いパンツは普通にありまして、例えば50年代(1950年代)くらいのいわゆるI型スーツのパンツはそれなりに股上が深かったはずです。軍用のパンツもプレーンフロントであっても股上が深いものが多い印象があります。

股上が徐々に深くなっている傾向を一過性のものだと思う方も多いと思いますが、ノープリーツが流行る以前、プリーツ入りのパンツが主流だった頃は股上の深いパンツが主流でした。

股上の深いプリーツパンツ → 股上の深いノープリーツ → 股上の浅いノープリーツ → 股上の浅いスーパースリムのノープリーツ → 股上の浅いプリーツパンツ → 股上の深いプリーツパンツ。

この流れを見ても、プリーツパンツが戻ってくる過程で徐々に股上が深くなっていくのは自然な流れで、それが一過性のトレンドではない事はお分かり頂けると思います。

上記の流れは、ざっくり80年代(1980年代)以降の流れといえると思います。80年代は股上の深いプリーツパンツの時代。ちなみにその前の70年代(1970年代)は股上が浅くてノープリーツ(プレーンフロント)のパンツが主流だったと認識しています(まあいろいろなパンツがありましたけど)。

ところで、股上の深い浅いを考えるとき、どちらが足が長く見えるかがしばしば議論になりますね。これは一概にはなんとも言えなくて、その人の体型や雰囲気に合っているか、そして着こなし全体の傾向に合っているか、が重要と考えます。

おおよその傾向として、股上が深いほうが大人っぽく(悪く言えばおじさん臭く)、股上が浅いほうが若々しく(悪く言えば貧相に)。いくら流行していたとしても、いい歳したおじさんが極端なローライズ(股上浅め)パンツを穿くと痛々しく見えることが多いでしょう。特に、腰の位置の低い典型的な日本人体型の人だと、股上の浅いパンツは難しいことが多いように思います。股上が深いパンツのほうが「クラシック」といえるでしょうね。

ジョルジオ アルマーニ 帝王の美学

着こなし全体の傾向という観点では、例えば80年代風の着こなしに股上の浅いパンツを合わせると、イマイチしっくり来ないことが多いでしょう。当時のアルマーニのスーツの股上が浅かったらやはりヘンです。

さて、今の流行の話に戻しますと、手持ちのパンツをすべて股上の深いパンツにする必要があるとは思いませんが、極端に股上の浅いパンツは合わせにくくなる時代が来るかもしれませんね。

蛇足ながら、私は痩せているので、股上の深いパンツはあまり得意ではないんだよなぁ。腰回りがブカブカになりがちですし、お直しすると女性的なシルエットになっちゃいそうですし。サスペンダーで吊るほうがよいのでしょう。

それでは。

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